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    十四獄

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    kuduchan

    DONEどこか遠い場所フィリピンでマイキーが死んだ時、イザナは荒れ狂った。その訃報を流したテレビに向かって、目の前にあったスマートフォンを投げつけ、画面が割れた。亀裂は画面に影を落とし、音だけはなんの異常もなく、不気味に流れていた。
    「なんでそんなとこにいるんだよ」
    フィリピンはイザナの父の故郷らしい。そしてイザナにも、その血が流れている。浅黒い肌と銀色の髪は、フィリピン人というよりは、どこか別の土地、人種の血も混じっているように見える。イザナの故郷も、両親の顔も、彼にまつわるルーツを本人はおろか、誰も知らない。
    「誰だよ、どこのどいつが殺したんだよ。鶴蝶、テメェ調べてこい」
    ヒステリックな怒号が飛ぶ。しかし鶴蝶は慣れたもので、狼狽えることなく部下たちに電話で指示を出した。おそらく数日で調べ上がるだろう。その間、イザナは殺意を込めた言葉を繰り返していた。
    「テメェがマイキーを見張ってなかったせいだってわかってんだろうな」
    「悪かっ」イザナの拳が鶴蝶の頬を捉える。手加減のない怒りがこもっていた。
    「テメェみたいな役立たずだけじゃ不安だろ。稀咲にも伝えとけ」
    吐き捨てるように言って、イザナは頭をかかえた。この場 5231

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