【バゲ子の話】※捏造ですごめんなさい───────
牙の氏族を護る、私はそう決めた。
そしてあの時から決めていた。
彼、「あの子」を護る────
しかし、それは叶わない夢になりそうだ。
いくら抵抗しても湧き出るモース。
こんな"モノ"など容易い存在。
だが斬れば斬るほど湧いてくる。
かの騎士ガウェインの名を借りてはいるものの、それはやはりただの「鎧」でしかない。
私は、『わたし』は…
「何故だ!」
「どうして!!」
「お前たちに剣を振りたくない!!」
届くはずのない言葉を「彼ら」に叫びながら剣を振るう。
ついこの前まで言葉を交わしていた、
消えゆく彼らを悼むことも出来ない。
そんな時間すら許されない。
私は【○○○】でなくなる前に───
聞こえる───
『ドウシタンダ』
『ヤダヨシニタクナイヨ』
『イヤダたすけて』
周りから何か聞こえる。だが────
なのに手も、足も、止まってくれない。
「ウウゥッ…!ヤメ、ろ……!」
「止めてくれ……!!!」
「あああああ…!!」
グチャリと生々しい音がした。口の中に懐かしい味がした
ああ、これは─────血の味だ
もう"私" は自分の声しか聞こえない。
もう雑音だ
ナニモカモ、雑音。
「ちがうちがう…!チガウンダ……!!」
何で、ドウしテ……
目に何かがこみ上げて零れる。
コレ、の意味も分カラない………
誰か助けてくれ、"ワタシ"を止めてくれ────
あわよクバ…あノ子………アノコヲ……
"スクッテクレタマエ"
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