幕間の楓恒⑰ 一度あることは二度あるとは言うが、一度あったのならばもう少し警戒をすべきではないかと丹楓は目の前の小さくなってしまった丹恒を見ながら思っていた。
今回は前回のように星が飲もうとしたものを被ってしまったわけではなく、ルアンメェイから丹恒宛に小包が届いたのだ。同封されていた手紙には不朽の星神の末裔にこの薬はどの程度の効果を示すのかの実証を行いたいと書かれており、始めは丹楓が口にしようとしていたのだが丹楓が薬を手に取るより早く丹恒が薬を飲んでしまったというわけである。
前回と違い、空気が弾けるような音と同時に煙のようなものが立ち上り丹恒の姿が見えなくなった。煙が散り丹恒の姿が見える頃には小さな姿になった丹恒がその場に座っていたというのが簡単な筋書きである。
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