Blessing「今すぐちょっと来い」とだけ大佐に言われて、俺は執務室へ向かっていた。
用件も教えてもらわないと困る、とでも言おうと思っていた。
……それくらいは、許されるだろう。
そんなことを考えながら、ノックの後に名と階級を名乗り、執務室へ入る。
すると、幼い双子が駆け寄ってきた。
「レーン!!!おそいよ!!!」
「おまちしておりました、レーンさん……」
「どうした?大佐に何か変なことでもされたか?」
そう双子に問えば、後ろから大佐が「ひっでぇな」と飛んでくる。
「へんなことは、されてないよ!!!」
「そこは、あんしんしてください……」
「それなら良いが……」
「はい、これ!!!」
幼いペネが、小さな包みを差し出した。
その後に、幼いペーネロペーも続く。
「これは?」
「きょうは、バレンタインでしょ???だからレーンに!!!」
「ブラウニーを、オデュさんといっしょに、つくりました!」
「そうか……ありがとう」
二人の手から包みを受け取り、それぞれの頭を撫でる。
嬉しげに、俺に抱き着いてくる二人は、素直でとても愛らしい。
……こんなに愛されるとは思っていなかったが、心から嬉しくて。
だから、このささやかな幸せを享受し続けるためにベストを尽くそうと、改めて心に決めた。