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    Ydnasxdew

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    Ydnasxdew

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    出会いのWT

    #WT

    The Man of Fifth「えっ!」

    集合場所へ到着するなり、テッドはぎょっとして声を上げた。
    できればもう関わり合いになりたくないと思っていた人物が、目の前にいたからである。

    「ん…?ああ!君はさっきの…まさか同じ任務を受けているとは」

    テッドを振り返った男は人懐こそうな笑みを浮かべて歩み寄ってくる。

    この男…確か名前はウェド・ディアス。
    つい先ほどの初対面の印象は最悪だった。見た目から態度からいかにも軽薄そうで、実際テッドの目の前で複数の女性に甘い言葉を囁いて引っ叩かれていた。

    (こういう奴って大抵自意識過剰でひとりよがりなんだよなぁ…顔が良いからちやほやされて、自分は強いって思い込んでるけど実力は大したことないナルシストの典型ってかんじ…)

    これから就く任務は難しいものではない。
    ごく普通の冒険者がするような、本当にごく普通の護送任務だ。

    (変に目立ちたがって和を乱されたりしないといいんだけど)

    自分がそんなマイナスイメージをもたれているとは微塵も思っていないのだろう、褐色肌の色男は眩しい笑顔でテッドに片手を差し出した。

    「さっきは名乗りもせずにすまなかったな。俺はウェド・ディアス。ウェドでいい。今日はよろしく頼むよ」
    「…どーも。俺はテッド。テッド・リドア。好きなように呼んで」

    そっけない返事で軽く握手を交わす。
    ウェドはニコニコしながら無遠慮にテッドの隣へ座り、自分の得物を取り出して手入れを始めた。
    テッドの後から、同じ任務に就く冒険者が三人やってきた。
    ララフェル族の女性と、ミコッテ族の男性。それからルガディン族の男性。
    テッドとウェドはそれぞれと挨拶を交わし、任務中の役割を確認しながら護送対象のチョコボキャリッジの到着を待つ。
    それぞれの装備や役割を見る限り、戦力的には例えば何かあっても困ったことにはならなそうだ。
    ぼんやりとそんなことを考えながら、テッドは他の冒険者たちを見渡す。
    ふと、ウェドの様子が目に留まった。

    先ほどから手入れをしているナイフ。その柄にはきらきらと宝石が光っている。よく見れば、ウェドの指には高価そうな指輪がいくつか嵌められていて、彼はそれを自慢するかのようにわざとらしくナイフを掲げて研いでいた。ミコッテの男とルガディンの男が、ちらちらと視線を送っている。
    ウェドはそれを待っていたかのように仲間たちへ声をかけた。

    「…これが気になるかい?」
    「あ、ああ、悪いな。あんまり高価そうな装備品だからつい…」
    「そうさ、こいつはラノシアで宝を沢山積んだまま沈んだ海賊船から見つかったっていう希少価値の高いナイフでね!盗賊に襲われていた富豪の御令嬢をこの俺が助けてやった時に、礼の品としていただいたんだ。もちろん俺はそんなものいらないって言ったんだが、彼女がどうしてもって言うんでね…」

    ウェドはそのあとも如何に自分が大人物なのか、高価な品を持っているのかを自慢げに語っている。

    「俺は戦利品や褒賞品はどこにも預けず持ち歩いてる。世の中信頼できるのは自分の腕だけだぜ」

    (……嫌味なやつだな)

    テッドは自分の使っている古びた片手剣に触れ、そのベルトを強く巻き直した。
    やはりこの男は頼りになりそうにない。だがそう思えば、どんなに楽そうな仕事でもナメてかからずにいなければ、と自分を省みることができた。

    程なくしてやってきたキャリッジに乗り込む。昼過ぎのラノシアの日差しは幌に遮られ、五人は穏やかな気持ちのいい海風に吹かれて外の景色を眺めながら周囲を警戒していた。
    積荷はリムサの鍛治師が鍛えた剣や鎧だ。蛮族や陸に上がった海賊の残党に奪われぬよう、注意を払わねばならない。

    「そういえばこの間、ウルダハの彫金師ギルドから送られてくるはずだった装飾品が奪われたんだって?たいそう豪奢な品だったらしいじゃないか。護衛はよっぽど間抜けだったんだな、俺なら絶対に失敗しないね」

    ウェドが鼻で笑いながら、ナイフを手の上でくるくると回してみせる。

    「なんだか怖くなってきたな、僕たちの運んでいる積荷は別段金目の物じゃないけど、最近は金になればなんでも奪っていくような賊が増えた気がするよ」
    「確かになあ。明日の金にも困るような連中が増えてるのかもしれん。しかしそんなに豪華な装飾品なら、奪って売ろうったってすぐには無理なんじゃねえか?オレぁ今初めて聞いたが、そんな話はすぐ噂になっちまうだろうしよ」
    「そうですね…大振りの装飾のついた宝剣は目立ちますし…宝石類は真贋を見極めるのに時間もかかりますしねぇ」
    「…噂になってないってことは、蓋開けてみたらたいしたことない品だったんじゃないの?犯人、今頃売れなくて困ってるかも」

    テッドが興味なさそうに呟いたのを聞くと、ララフェルの女が微笑み声を上げた。

    「あの、みなさん喉が渇きませんか?よかったらこれ、飲んでください。グリダニアの茶葉なんですよ」

    ララフェルの女は自分の荷物から水筒を取り出し、中に入っていた茶を注ぎ分ける。
    花のような芳しい香りのする、美味しい茶だった。
    各々礼を言ったのを皮切りに、皆の話が弾む。和やかな時間が暫し続いたのち、キャリッジがゆっくりと速度を落として止まった。

    「すまないね、冒険者さんたち。早く街道を抜けたいんだが、なんだかチョコボの様子がおかしいんだ…一度休ませようと思うから、周囲の警戒を頼むよ」

    御者の言葉に真っ先に荷台を飛び降りたルガディンの男とミコッテの男が、ぐいと伸びをしてあたりを見渡した。
    二人の後にテッドが続き、ウェドが最後に残ったララフェルの女の手を取って恭しく荷台から下ろす。

    「足元に気をつけて、素敵なレディがつまらないことで怪我でもしたら大変だ」
    「ふふ、やだ、恥ずかしいわ…ありがとうございます」

    テッドはその様子をうんざりした顔で眺めていた。本当に、なんて軟派な男なんだろう。

    「……で?君は首尾良くこの荷車を引くチョコボに麻酔薬を打ちこんだようだが、このあとはどうするつもりなんだい?」
    「…は?」

    突然のウェドの言葉に、テッドたちは女を振り返った。

    「ごめんなさい、ちょっと意味がわからないわ…?」

    女は頬に指を当て、可愛らしく小首を傾げてみせる。

    「もう茶番はよそうぜ。君は最初から俺たちの仲間なんかじゃない。今から本当の自分の仲間を呼んでこの荷車を襲い、積荷を奪うつもりだ。そうだろ?」
    「……あっは!なぁんだ、バレちゃってたの」

    女は口の端を吊り上げ、先程までの控えめで可愛らしい姿を忘れるほど獰猛な笑顔を浮かべ片手を天へ伸ばした。
    するとどこからともなく武器を持った海賊姿の男たちが現れ、キャリッジごとテッドたちを取り囲む。
    四人は咄嗟に武器を構え、にじりよる男たちに対峙した。

    「ああ、やっぱりな」
    「顔だけのバカ男と思ってたら、まんまと騙されちまったね。だがあんたらはここでおしまいさ。このいけ好かない男が黙っていれば命まで取られず、ただ眠っている間に積荷から何から全部奪われた間抜けな冒険者と嗤われるだけで済んだのにねえ…さて、死ぬ前に教えとくれよ。どうしてわかったんだい?」
    「どうしてもなにも、俺も君と同じで、『武具を運ぶチョコボキャリッジの護送』という仕事をしにきたわけじゃなかったからな」
    「なっ…⁉︎どういうことだよウェド!」
    「お前も冒険者じゃねえってのか⁉︎いったい何者だってんだ⁉︎」

    唐突に起きた事態に混乱していたテッドたちがようやく口を開くと、ウェドは三人を落ち着かせるように穏やかな口調で返す。

    「安心してくれ、俺は君たちと同じ、一介の冒険者だよ。ただ、俺のやるべき仕事は『奪われた宝剣の奪還』と『犯人の捕縛』でね」

    ウェドは懐から自分が散々自慢していたナイフを取り出し、掲げて見せる。

    「俺がこの悪趣味なナイフや指輪を見せている間、君は俺のことを一度も見なかった。金目の物の存在を、最初から知っていたからだ。それに君は口を滑らせた。テッドたちが装飾品強奪事件のことを知らないのも無理はない、その情報はまだ公になってないんだからな。俺は奪われた装飾品が何なのか言わなかったにも関わらず、君はそれが『大振りの装飾がついた宝剣』だと言った。だから君が犯人だとわかったんだよ。おそらくだが、この積荷の中に奪った宝剣を紛れ込ませて自分たちの隠れ場所の近くまで安全に運び、他の武具もついでに奪っていくつもりだったんだろ」
    「ちっ、スカしやがって!通常小隊の編成は四人のはずなのに、五人目がいるなんておかしいと思ったんだ…野郎ども、遠慮することはないよ、やっちまいな!」

    ララフェルの女が不機嫌そうに舌打ちし、男たちに号令を発した。
    ウェドは持っていたナイフを素早く投げ、後方でまさに弓を引こうとしていた男の腕を仕留めてテッドたちの元へ駆け寄った。

    「金目のものを自慢げに見せびらかすバカな男がいるってことが噂になれば、犯人に繋がる奴が釣れるだろうとは思っていたが…まさかこんなに早く本命がまとめて食いついてくるとはね。巻き込んでしまって悪いが、君たちも協力してくれないか?」
    「嫌だって言える状況だと思う⁉︎」
    「そもそもオレ達はこの荷車を護るのが仕事だしな!上等じゃねェか!」

    襲いかかってくる海賊達を、四人は御者を守りながら振り払う。
    だがならず者の数はあまりに多く、冒険者たちが圧倒的に不利な状況であることは誰の目にも明らかだった。

    「このままじゃもたない、僕たち全員殺されてしまうよ!」

    槍を構えたミコッテの男が背を丸めて後ずさる。斧を持ったルガディンの男も、悔しそうに唸り声を上げた。
    テッドの背中を嫌な汗が流れていく。なんだか視界がブレてきたような気がして、頭を振った。

    「参ったな、これが最後の一本だ。得物がなくちゃ戦えない」

    ウェドが腰から投げナイフを引き抜き、小さな声で呟いた。

    「みんな、俺が合図をしたら武器を捨てて荷車の陰に伏せてくれ。けっして頭を上げてはいけないよ」
    「あんたはどうするの?」
    「ははっ、まあ、見ててくれよ。大丈夫、絶対に君たちを死なせはしない」

    ウェドは味方を荷車の近くまで下がらせるとポケットから何やら取り出し、上空へ放り投げて叫んだ。

    「今だ、伏せろ!」

    三人はそれぞれ武器を投げ捨て、御者の男を抱えて荷車の下へ飛び込んだ。

    ウェドが投げた何か…宝石のついた指輪が、太陽の光を反射してキラリと輝く。
    海賊達はそれに気を取られ、弓を持った海賊がその光に目掛けて矢を放った。

    その直後、ウェドがナイフを投げて弓使いを打ち倒す。同時に足元に転がったミコッテの男の槍を拾い投げ、対角にいたもう一人の弓使いの肩を貫いた。
    後方戦力を失った海賊達がウェド目掛けて飛びかかる。ウェドは今度はルガディンの男が投げ捨てた斧を拾い上げ、大きく弧を描くように回転させた。
    ぶぉん!と風を切る音がテッドたちの頭上を掠め、襲いかかってきた男達の身体が風圧と剣戟に吹き飛ばされる。心なしか体内のエーテルが熱を持ち、あんなに不安で後ろ向きになっていた気分が昂っていくような気がした。
    目の前で起きている出来事にテッドが唖然としていると、ウェドの背後にいたララフェルの女がよろめき立ち上がって銃を向けているのが見えた。

    「ウェド!うしろ!」

    声をあげるのが早いか否か、ウェドはテッドの使っていた小さな盾を拾い上げて女が放った銃弾を躱し、目にも止まらぬ速さでどこからともなく銃を抜いてその引き鉄を引く。
    タン!と軽い発砲音がして、女の手から銃が弾き飛んだ。

    「なにも俺の得物がナイフだけだとも言ってないぜ。油断したな、お嬢さん」
    「ちくしょうが!アタシらは本物の海賊だぞ!こんなことしてただで済むと思ったら…」
    「おっと、怖い怖い…だが君も気をつけた方がいいぞ、今どき『本物の海賊』は、海賊の格好してねェんだ」

    ウェドの言葉を聞いて、ララフェルの女が息を呑み、黙りこくった。
    ウェドは女を大きな布でぐるぐる巻きにすると、リンクパールでどこかに通信をし、テッドたちのもとへ駆け戻る。

    「君たち、よく俺を信じてくれたね。礼を言うよ。怪我はないかい?」

    それぞれの手を引いて立ち上がらせながら気遣いの声をかけるその姿は、任務を始めた時のような傲慢さがまるで感じられず、まるで別人のような優しく穏やかな雰囲気を放っていた。

    「勝手に君たちの武器を使ってしまってすまなかった。緊急事態とはいえ、大事な得物を乱暴に扱われるのはいい気持ちではないだろう?謝らせてくれ」
    「何言いやがる、構いやしねぇさ!アンタは間違いなくオレ達の命の恩人だ!」
    「そう言ってもらえると少し気が楽になるよ。…と、そろそろかな」

    ウェドが呟くと同時に、ぐらりとテッドたちの見ていた景色が歪む。

    「⁉︎…な、なに……これ………」

    前のめりに倒れたテッドの身体を、ウェドが抱きとめた。

    「さっきあの子に飲まされた茶のせいだ。眠り薬が入っていたんだよ」

    テッド以外の二人もふらふらと膝をつき、荷台にもたれかかる。

    「…大丈夫だ、安心して眠っていい。じきにイエロージャケットが到着する。君たちは立派にこのキャリッジを守り抜いたぜ。…目が覚めたら、ギルドで一杯祝盃でもあげるといいさ」

    ウェドの低い声がだんだんぼんやりとしていき、テッドはあたたかな腕の温度を感じながら意識を手放した。

    ****

    その夜、リムサ・ロミンサの溺れる海豚亭。
    ウェド以外の三人は、当初の報酬以上の額が入った硬貨袋を手にテーブルを囲んでいた。

    イエロージャケットの詰所で目を覚ましたテッドたちは、称賛の声を浴びながらギルドへ送り届けられた。

    「あんたたち、勇気があるな!多勢に無勢だったってのに、諦めずに武器を振るって立ち向かったんだって?」
    「そのうえなりゆきとはいえ奪われて行方知れずだった宝剣まで賊の手から奪い返したって言うじゃないか!」
    「それも誰一人殺さずだ。イエロージャケットから特別に追加報酬が出るって言っていたぞ。今夜は豪華な夕食になるだろうぜ」

    テーブルの上には普段なら注文しないような料理が次々に運ばれてくる。鳥の丸焼きや、新鮮な野菜がたくさん使われた高そうなスープ。見るからに高級品だとわかる酒…。
    テッドは弾む気持ちを抑えきれず、他の二人と談笑しながら夢のような食事に手をつけた。

    「あ〜!こんな豪華な夕食は久しぶりだぜ!…だがなんか悪りぃ気もするな、周りの連中はああいって褒めてくれるが、オレ達が直接あのならず者どもを片付けた訳じゃねぇ」
    「そうだね、僕たちだけじゃ知らないうちに積荷を奪われているか、殺されていたかもしれない。ディアスさん、ついに姿を現さなかったな…一緒に一杯やりたかったし、あらためてお礼も言いたかったんだけどなぁ」

    テッドたちは食事を終えると、ギルドを出てお互いの活躍と無事を願いながら別れた。

    今夜はギルド内の宿に泊まる予定のテッドだったが、ほろ酔いのうきうきとした気分をもう少し味わいたくて、そのままアフトカースルの広場をのんびりと散歩することにした。
    ふと、木陰の一段低くなった通路から煙草の煙が上がっているのに気がついた。
    何気なく近づいて、その先にいる人物に目をやる。
    暗がりに佇み、遠く海を見つめるその人物は…。

    「あ!ウェド・ディアス!」
    「ん」

    小さく名前を叫んだテッドを、ウェドが振り返る。
    咄嗟に飛び出した声が戻ることはないが、テッドは慌ててその口を押さえた。

    「やぁ、テッド。良い夜を過ごせたかい?」
    「やぁ……って…あんた、なんで来なかったんだよ!せっかくみんなでいろいろ話そうと思ってたのに…」
    「キャリッジの護送は君たちの手柄だぜ。俺はただそれに首を突っ込んだだけの部外者だからな」
    「冗談じゃない!全部あんたのおかげじゃん!みんなちゃんとお礼が言いたかったって残念がってた」

    唇を尖らせたテッドの顔を見て、ウェドは朗らかに微笑む。

    「それは悪かった…だが本当に礼を言われるようなことじゃないんだ。君たちの勇気があったから、上手くいったんだよ」

    テッドはその笑顔を見て、心にちくちく刺さる罪悪感に表情を曇らせた。

    「…俺、あんたのこと誤解してた。口先と顔だけの、気取り屋でナルシストで軟派で半端な嫌なやつだって思ってたんだ」
    「ははっ!そいつは酷いな!でも顔だけってとこは合ってる」
    「茶化すなよぉ!…それで、その…ごめん。あんた、すごくいい人だ。助けてくれて、ありがと」

    まっすぐ自分を見つめて頭を下げたテッドの肩を、ウェドは優しく叩いて顔を上げさせる。

    「君は善い男だな。素直で、正直者だ。眩しいくらいにね」

    中空に吐いた煙草の煙が、風にさらわれて消えていく。なんだか少し懐かしいような、テッドの心を惹く香りがした。

    「俺たち、また会えるかな?」
    「ここで冒険者をしていれば、そんなこともあるだろうさ」
    「俺はあんたみたいに強くないから、仕事で一緒になることはないかもだけど…」
    「いや、どうかな。君が望めば、きっと」
    「…どういう意味?」

    ウェドは曖昧に微笑むと、煙草の火を消して星空に大きく伸びをする。

    「誰かが俺を強く望むなら、俺はそれを拒まないってことさ。…さて、もう夜も遅い。君も今日は疲れたろう?早く寝た方がいいぜ。じゃあな、テッド。おやすみ」

    そう言い残し、ウェドは暗闇へ消えていった。

    …不思議な男だ。なんとなく掴みどころがなくて、でも近くにいるとなんだか安心するような気がする。
    ふわふわしていた酔いも少しずつさめ、テッドは宿への道をゆっくりと引き返した。

    この出会いが二人の運命を大きく変えるものだということを、テッドも、ウェドも、まだ知る由もない……
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