言い難い気持ちを抱えて 姫子に名を呼ばれ向かえば小さい穹が居た。
ふわふわの可愛らしいスカートを着た穹が楽しそうに笑っている姫子に隠れていた。
「ヴェルト、穹を頼んでもいいかしら私、やる事があるから。穹、行ってらっしゃい」
穹の頭を撫でた姫子は客室に向かってしまった...残されたのは俺と穹か....。
「おいで、穹。」
とりあえず、甘やかしてしまおうと両手を広げれば嬉しそうに抱きついてきた。
「ヴェルト、ギューってして」
「ああ、任せろ」
スリスリ甘えてくる穹をギューっと抱きしめると嬉しそうに笑う。いつも以上に甘えん坊だな。
「その服はどうしたんだ」
ラウンジのソファーに満足した穹を抱え座り、気になっていた事を聞けば待ってましたと言わんばかりの顔になる
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