足りない尾形は不満を抱えていた。
恋人である杉元はかっこ良くて可愛いし顔も良い。けどセックスが優しいのだ。
そう、優しいんだ。
優しく抱かれ、愛を囁かれてトロトロに溶けるのはとても気持ちいいが、自分で開発しきった尾形は所謂失神セックスを体験してみたかった。
ほぼ毎日杉元に抱かれて性欲は満たしてるはずだが、尾形の好奇心は満たされなかった。
AVの世界は思ったより奥深い。尾形はエロサイトで一歩踏み違って素人のかなりエグいプレイを目撃してしまった故に、もう商業で出されるプレイがどれだけ過激でも人体の極限を試すかの様な趣味で撮ってる人のエグさには敵わなかった。
そして今まで苦しそうに喚いてるAV俳優達の声が気持ち良いから叫んでると悟った、悟ってしまったからには好奇心が止まらなかった。たとえ大半の喘ぎが演技で、AVの内容はあくまでファンタジーだとしても、一回ぐらいは体験してみたいと思ってしまった。
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