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    ふもと

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    ふもと

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    映画🟥🟩、🟥視点
    7月頃から書いてるけど1万5千字辺りで完全に止まってるので途中まで晒す
    いつか書き終わりたい
    ※あまり改行をしてないので読み辛いかも…

    2023/09/25

    僕の大事な双子の弟ルイージは昔からそこまで活動的ってほどじゃなかった。僕はあまり大人しくしてられない質でやたら動き回ることが多いけど、弟はのんびりとした気質だしお喋りでのコミュニケーションを好む。臆病で控えめな部分やよくドジを踏む姿が目立つしそういった認識をされがちだけど、実際は人懐っこくて明るく優しい性格で、でも結構お調子者なとこもあるかわいいやつだ。表情もくるくる変わるし愛嬌たっぷりの色んな一面を持ってるからルイージのそういうところに触れた人は親しみを持って接してくれるし、なんだかんだと世話を焼いてくれる人が多い。
    ところがミドルスクールに進学して僕らが成長期やいわゆる思春期ってやつを迎えた辺りからルイージは望んじゃいないのに素行のよろしくない奴らにも構われることが頻繁になった。
    あいつはそれまでも子どもの頃からどうにもいじめっ子気質の奴の目にとまるらしく、ちょっかいをかけられるのはさほど珍しくはなかったけれど。その度に抵抗も反撃もせずただ悲しげに顔を曇らせる弟を見ていられなくて、あいつにそんな顔をさせる奴を許せなくて僕は怒りの剣幕でよく割り込んでいったものだし、今もそれは変わらない。
    それにしたって学生時代のルイージはとにかく厄介な奴らに絡まれ、しまいには追いかけ回されたりと散々な目に遭っていたよなぁ……
    それは僕らのクラスが別々になったり、それに伴い交友関係も広がってそれぞれ友人のコミュニティなんかにもよく顔を出すようにもなって、家以外では一緒に行動することが少なくなってたのが要因の一つだったと思う。なかなか傍にいられない状況が続くってことは、すなわち僕がすぐ助けに入れる状況も減ってしまう。
    それと……僕らが成長期を迎えたタイミングは大体同じだったけれど、成長具合には差があった。ルイージの背が僕より伸び始めていたのはちょっと複雑だったけど、でも身体のつくりやウェイトは僕のがしっかりしていてルイージはまだ未熟さが目立ってたから当然一人前の男だなんて感じはまったくなかったっけ。逆に首筋とかうなじの白さとか腕や足の細さが気になって目の毒なのに余計にそういった部分に目を引き寄せられて、夢にまで出てきて朝大変なことになってたこともあって……ん?いや、いやいや待て待て待て。違う、そうじゃない今のナシ!あーもう余計なことまで思い出してどうする!ともかくその、なんだ、校舎でルイージが一人でいるのを見かけたときなんかも子どもでもなく、まだ青年とも言い難い……そういうちょっと不思議で曖昧な雰囲気みたいなものが兄の僕から見ても感じられて、呼びかけるのを躊躇って息を飲むことは何度かあった。多分ルイージのそういうものは素行不良な奴らの、あまりよくない類いの感覚を大いに刺激して呼び寄せてしまっていたんだと思う。加えてあいつはそそっかしいところもあるもんだから、余計に絡まれる要因を誘発し易かったんだろう。
    それが校内で生徒相手のいざこざであればすぐ僕が駆けつけて庇えるし、教師たちの目も届くからそうそう大事にはならない。だけどルイージがそういった事態に遭うのは大抵の場合が街中だ。しかも絡んでくる連中の大体は年上の奴らやいい歳した大人なんだよな……
    いつしか弟が不良連中に追いかけ回されているのも、それを目撃した友人たちの連絡を受けて弟を探す僕が必死に街中を駆け回るのも、もはや日常茶飯事として捉えられていたし僕ら二人は校内でも校外でも奇妙な双子の兄弟だと認識されるようになっていたっけ。
    ところでルイージはあまり運動が得意じゃない、と本人や周りの多くは思っている。確かに当時も授業科目のトレーニングやスポーツはすぐへばってばかりだった。だけど運動神経や反射神経は決して悪くないはずなんだ。あまり褒められたことじゃないけど昔から僕の落ち着きのない無茶な行動にあいつはしっかり付き合ってくれて、必死にちゃんとついてきてくれていたんだ。そのせいか不良連中に追いかけ回されてもルイージは捕まることもなく怪我をさせられたり、ましてや誰かに怪我を負わせるなんてこともなく逃げおおせてみせた。そう、怪我をさせられることはなかったんだ。けれど逃げきることができた!っていう安心感を得てしまうと途端に力が抜けてしまうらしく転んだり壁に衝突したり、足取りがもつれてゴミ置き場に突っ込んでしまったりでしょっちゅうボロボロの有り様になっていた。
    そんな薄汚れてボロボロな服装まで乱れた姿で俯きがちにベソをかいて人目を忍び、トボトボヨロヨロと人通りの少ない場所を歩く弟の姿に僕が初遭遇したときの心境がどんなもんだったか分かる?生まれ育って根っから馴染んだ地元の街とはいえ治安がいいなんて言えないブルックリンで、弟が不良共に追いかけられてるのを目撃した友人に連絡貰って探し回って、やっと見つけたと思ったら……最悪の事態を想像しちゃうだろ?
    実際にそのとき僕はルイージの痛々しい姿と最悪な想像に頭をハンマーでぶん殴られたような衝撃を受けた。混乱で血が勢いよく全身を巡って熱いのに身体が震えて冷や汗が止まらなかった。涙なんかまったく滲んじゃいないのに陽炎みたいに歪む視界にルイージのその哀れな姿だけが妙に鮮明で、呼吸さえ忘れてしまいそうなほど憤怒の感情に飲まれそうになっていたんだ。だけどそんな僕を丁度顔を上げたルイージの視線が捉えて。
    「兄さぁん……!」
    泣いていたのと疲労で掠れ気味の声で、でも僕を見て安堵でふにゃふにゃになった笑みには見た目の痛々しさに比例するような悲愴感なんて一切なくて。
    「もう聞いてよぉ、今日はボク散々だったんだよ!あ、その前にちょっと肩貸してくれない?ボクこんなに走れたんだってくらいに走り回ったからヘトヘトでさぁ……一休みしようにも今へたり込んだらもう立てなくなりそうだし、でも疲れて足ガックガクで今日中に家に帰れるのかなって、このまま夜になったらどうしようってすっごい不安だったんだぁ。兄さん来てくれて助かったよ!」
    怒涛の勢いで泣き言を零していくいつもの調子のルイージに僕のほうこそへたり込みそうだった。一気に詰めていた息を吐き出すとドッと疲労感がのし掛かる。
    き、杞憂で済んでよかったぁ……!いや見た目からして悲惨なのは変わらないし安心なんてできるような状態じゃないんだけど。
    「……すごい格好だなぁ。いったい何があったんだよ」
    なんとかまともに声を出せた僕は立ち止まってしまっているルイージのとこに走り寄った。
    「ボクだってもう何がなんだか分かんないよ!」
    僕の問いかけに今度は癇癪を起こして一気に泣き出したルイージを堪らず掻き抱く。全く無事には程遠いんだけど、でもおおむね無事でよかった。この素直すぎる弟の感情が大きく欠けてしまうような事態が起こったわけじゃなくて本当によかった!
    腕の中で大泣きするルイージをそのまま抱き上げる。走り回って相当な疲労が足にきてるらしかったから横抱き──いわゆるお姫さま抱っこってやつで抱えるけどルイージは全く抵抗せず、むしろしがみついてきた。寄り添う暖かな身体は僕より背は高いのに随分と軽いし薄く感じられてちょっと心配だ。ベソベソぐすぐす泣き縋って、疲れた喉乾いたお腹空いたとまた零れていく泣き言と一緒に腹の虫も鳴き出したもんだから、僕は思わず笑ってしまいながら帰路を踏み出したのだった。
    それ以降もルイージはとにかくトラブルに巻き込まれては何度となく警察の世話にもなった。やっぱり不良共や変質者なんかにも追いかけ回されて逃げきったはいいものの迷子になって泣いていたのを保護されたり、時にはとんでもない大人数に追いかけられていたり弟に絡むそんな連中を僕が成敗してるところを通報されたりは毎度のことで、ルイージが事件の目撃者や意図せず渦中に巻き込まれて狙われたりなんてことも2.3度あって、僕らはもう地元の警察官とはほぼ顔見知りみたいになっていた。そうなった経緯こそあまり誇れたことじゃないけど、彼らはあまりに色々巻き込まれるルイージを案じて行動範囲や時間帯に合わせて巡回箇所を増やして警戒にあたってくれたり、弟を守ろうと躍起になって無茶苦茶していた僕を窘めて暴力にならないような力の使い方を教えてくれたり、体術訓練に参加させてくれたりと親身に対応してくれて頼りになったし有り難かったなぁ。
    引き換えに事情を知ってくれてるご近所や親しい人達や友達以外からの僕ら兄弟の評価は警察沙汰を引き起こす問題児で完全に固定されてしまったのは不本意だけど。悪いのは僕らの素行じゃなくて街の治安のほうなんだよなぁ
    ……ああ、なんとなくこうして思い返してみれば僕らは随分ドタバタした青春の日々を送っていたんだな。いや特にルイージはとんでもなくハードモードだったんじゃないかこれ?なんなら今もあの頃ほどじゃなくてもまだ続いてない?
    それにしても学生時代はなんとでも言えばいいとあまり気にしなかった周りからの不名誉な評価だけど、成人してからもレッテルのように貼り付けられて、まるっきり僕らの実態なんか見ちゃくれないんだよな。多少冴えない一面だけを見てそれが全てだと、お前らは何も出来ない人間なんだと頭を押さえつけてくるようなそれらは窮屈で仕方なかった。勤めてた会社の上司にあたるスパイクはおろか、ついには父さんや叔父さんたちもそんな調子で焦燥を煽ってくるもんだから息苦しくさえ感じてた。
    それでも僕が腐らずにいられたのはいつも一緒にいるルイージの存在とその言動が僕を和ませ、支えていてくれるからだ。時々素っ頓狂なことをしでかしてはひどく脱力させてもくるけど、僕の心が塞いでしまいそうなときにルイージはそっと寄り添ってくれた。あいつは僕に守られてばかりだなんて言ってるけど、僕だっておまえに何度だって助けられてるんだよ。
    ルイージ。おまえは実際に僕の危機を、挫けそうだった心も業火に晒された命も救ってくれただろう。昇る朝日より眩しくて熱い、とびっきりに輝く勇気でもって!


    寝惚けまなこで鳴り響く目覚まし時計を止め、今日こそはと思いながら起き上がって窓際に位置する弟のベッドを見る。だけどやっぱりルイージは昨日と同じく静かに横たわり眠ったままだった。
    「ルー……なぁルイージ、そろそろ起きないか?」
    僕はベッドから飛び降りてルイージの枕元に移動する。
    「確かにおまえは昔からよく寝る子だったけどさ、もう3日も眠りこけてるんだ、寝坊するにしたって相当なもんだぞ。いつもはおまえのほうが早起きなのにさ」
    頭を撫でても鼻を突ついても穏やかな寝息以外の反応はなくて落胆の溜息が出た。いつもならこの暢気さに笑っちゃうほど平和ってものを感じるのに今はヤキモキさせられて参ってしまう。膝をつき、眠るルイージの枕元にできるだけ顔を寄せて穏やかな寝顔を間近に見つめる。
    もう3日はずっと眠り続けているルイージだけど別に容態が悪いってわけじゃない。怪我もしてなかったわけじゃないけどそれもスーパースターの効果もあってすっかり治っている。
    クッパを倒し、ブルックリンの人々の喝采を受けて、その後も色々あってようやく着いた自宅のドアをくぐって家の中に入った途端、ルイージはぶっ倒れた。そりゃもうビターンッって音を響かせて盛大にうつ伏せてぶっ倒れた。はじめは僕も家族もドジって転んだだけかと思って笑っていた。けど微動だにせず声をかけてもそれは変わらなくて、僕は取り乱して伏せた身体を揺すった。そうすると少しだけ呻くような声が聞こえて、慌てて身体を抱き起こしてみれば。
    「ルーくん立派なおヒゲあるのに寝顔は赤ちゃんみたい」
    「……ソウタネ゙−」
    まだ幼い従兄妹が称した通り、ルイージは赤ん坊みたいに平和な顔で眠りこけていて僕ら家族は安堵で一斉にへたり込んだ。いや従兄妹だけはルイージの寝顔とへたり込む僕らをスマホで撮ってたけど。でもそれで一安心かと思われたのに今度はなかなか目覚めない。
    その原因と思われることがクランキー王から又聞きしたペンギン王の話で大体判明した。ルイージは牢獄に捕らわれていた間、多少ウトウト微睡むことがあったくらいでほとんど寝ることはなかったらしい。マグマ沸き立つ牢獄の環境下じゃ不安で眠れたもんじゃなかったんだろう……あと喋ればネガティブ発言を連発する星っ子?になんとかポジティブな言葉を引き出そうと躍起になってポジネガワード合戦?を挑んで惨敗していたとも聞いたけれど、正直そっちの話は情報量が多くて意味がさっぱり分からなかった。いや星っ子にポジネガワード合戦っていったい何よ?まあこれは悩むくらいならルイージ本人に聞いたほうが早そうだ。
    それはともかく、ルイージは今も昔も寝つきがいいから夜更しが苦手だし徹夜なんかはとてもじゃないができないんだ。そんなあいつがほとんど眠らなかったんだから余程のストレスになってただろうことは想像に難くない。色々と、本当に色々あって脅威もなくなりやっと家に帰り着いて張りつめていた緊張の糸がぷつりと切れたんだろう。スターの力だけじゃ治せなかった精神的な疲弊を癒やすためにもこの長い睡眠はきっと不可欠なんだって分かっちゃいるんだ。
    それでも恨めしく思ってしまうのは許してほしい。
    あの土管に吸い込まれることになるまで僕らが離れている期間なんて長くて半日が精々で日を跨ぐことはなかった。それが世界を跨いで、しかもルイージは囚われの身になってしまって助けるのに何日もかかり、生きるか死ぬかのギリギリの瀬戸際でやっと助け出せたっていうのに!再会を喜び合うのも束の間、ゆっくり話をする暇もなく怒涛の展開が次から次へと迫ってきて……なんとか片は着いたのに結局今もまだ僕はルイージとゆっくりまったりと過ごすひとときにありつけちゃいない。いくらお互い一瞬目線を交わすだけで以心伝心だっていってもやっぱりちゃんとしたやりとりは必要なんだよ。再会を喜び合うハグも、一緒に戦って困難を打ち破った達成感も、戦闘で滅茶苦茶になってしまった街の復興に一緒になって尽力するのもそりゃあ心満たされるけれど。でもやっぱりあんな極限の状況や忙しない状態が続くとさすがにさ……今現在腹の虫が飢えて朝食を訴えているように、僕の心もルイージとかつてない長く遠く離れていた間の寂しさを埋めたがって仕方がないんだ。それなのになんでこんなお預けされてるみたいなことに?
    「僕マジでなんかしたかなぁ……?」
    それとももしかして前世の業とかいうやつ?前世の僕は弟置いて冒険に明け暮れてたとか罰当たりなことでもしてたの?その報いが今の僕に返ってきてたりする?そんな因果いらないんだけどもし本当にそうなら恨むぞ前世の僕……
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