Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    くるる

    @kururu_FFJELJ
    https://www.pixiv.net/users/82078870

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 15

    くるる

    ☆quiet follow

    イチ若SS 若ver.
    目が覚めたあとの若視点の話
    テンパる若

    「ん…」
    朝目が覚めると、イチの顔が目の前にあった。
    「??????????」
    え…何だ?何で俺はイチと一緒に寝てるんだ?
    確か……
    昨日は俺とイチの20才の誕生日だった。
    イチと2人で、親父が用意してくれたシャンパンを飲んで…
    すごくうまい酒で、グラス1杯くらい飲んだ気がするけど…
    そこから先の記憶がない。
    酔って記憶がなくなるっていうあれか?
    でもなんでイチと一緒のベッドで…
    まさかとは思うが、俺はイチと…その……

    やっちまったって事なのか!?

    「ん…」
    「!!!!!!!!!!!」
    イチが目を覚ました。
    「あ、若、おはようございます。よく眠れました?」
    「…イチ…なんで、一緒に寝てるんだ…」
    「なんでって、若が一緒に寝ようって」
    「一緒に…?」
    「若、手を離してくれますか?俺、昨日の片付けをして、帰ります。あ、朝食の用意もしますね」
    「!」

    俺はイチの手を握っていることに気付いて、パッと手を離した。
    イチは笑顔で俺を見つめている。
    今まで見たこともないような、すごく優しい笑顔。

    なんだよその顔…やっぱり、やっちまって、俺の身体のことを気遣って…

    正直なところ、俺はイチのことが好きだから、そういう関係になってもいいって思ってる。
    けど…こんな記憶もない状態で、初体験をしちまったのか?


    「イチ!!てめぇ若のベッドで何してやがる!!!!」
    「うわーーーーーーーーーー!」

    突然、沢城が、寝室に飛び込んできた。
    沢城はイチに鉄拳をくらわせ、イチはベッドから転がり落ちてしまった。

    「わ、若…ご無事ですか…?」
    「さ、沢城…?」
    「イチ…お前…まさか若をキズモノにしたんじゃねぇだろうな…」
    「き、キズモノ…?」
    キズモノって!
    やっぱり俺はイチと…大事な初体験を…? 記憶もないのに…
    思わず泣きそうになってしまった。

    「し、し、してませんよカシラ!俺は添い寝して欲しいって若に言われて、添い寝しただけです!」
    沢城はイチを無視して、俺のそばに近寄り顔を覗き込んだ。
    優しい手つきで、安心させるように頬に触れてくれる。
    「若、どこか痛いところはありませんか?身体がベタベタしてるとかないですか?」
    「え?だ、大丈夫…何も…ないと思う…」
    ベタベタって何……
    「とりあえずシャワーを浴びましょう。身体にも異常がないか見せてください。
    添い寝しただけであっても、悪い菌が付いている可能性もありますから」
    悪い菌?…どういうことだろう。
    「イチ、てめぇはさっさとリビングの机の上を片付けろ。朝食の用意もしとけよ。
    それが終わったらさっさと帰れ!」
    「へ、ヘイ!」
    「さ、行きましょう若。もう大丈夫ですから」

    沢城は俺を抱きあげ、バスルームへ連れて行ってくれた。
    慣れた手際で俺の服を脱がし、バスルームに備えてあるイスに座らせた。
    温かいシャワーで俺の身体を流しながら、異常がないか確認している。
    「何か痕でも残ってないかと思いましたが…何もないですね。
    添い寝しただけっていうのは、嘘じゃないみたいです」
    「そ、そうか…」
    初体験はしてなかったってことか。
    良かった。俺はほっとした。
    するならやっぱり、ちゃんと記憶のある状態でしたいよな。
    「怖かったでしょう若。あいつにはきつく言っておきますから」
    沢城の「きつく言う」はそれだけじゃ済まない事を知っている。
    最低でも2~3発は殴られるだろう。イチが少しかわいそうだ。
    「うん、でも…俺が添い寝しろって言ったみたいだし…」
    「若、酔ってしまって覚えていないんでしょう?
    酔った相手の言動を本気で受けとる方が悪いんです。厳しく言っておきますから」
    「そうか…」
    「若も気をつけてください。記憶をなくすくらいまで飲んではいけません。
    初めて酒を飲んで、わからなかったんだと思いますが、これからは」
    「わかった…気をつけるから」
    「お願いします」
    沢城は、俺のことになるとすごく心配性だ。
    普段はうっとうしいくらいなのだが、小さい頃から俺の面倒を見てくれているから、
    俺にとってはもう1人の親父みたいな存在だ。
    不安なときに、そばにいてくれるとやっぱり安心する。
    「でも、あんまりその…イチのこと、殴らないでやってくれよ…」
    「若はお優しいんですね…大丈夫ですよ、あいつは頑丈ですから」

    それって殴ることはもう決定してるんだな…。
    イチ、俺だって少しはフォローしたぞ。
    どうか無事でいてくれよな。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator