「ター坊、ちょっと話がある」
「んー何? 海藤さん」
「俺も東のことが好きみたいだ」
「……は?」
午前中に数件の依頼をこなし、探偵事務所でのんびりしていた午後のことだ。
海藤さんが、突然そんな事を言い出した。
「え、えーっと…それは『かわいい弟分として好き』ってことではなく…?」
「ああ、恋愛感情としての『好き』だ」
う、嘘だろ…海藤さんの恋愛対象は女だったはずだ。
それなのに…どういうことなんだ!?
「ちょ、ちょっと待って…海藤さんは女が好きだったと思ったけど」
「まぁな。でも東のことは特別みたいなんだ」
まぁ…東はかわいいし色気もあるし、特別っていうのには激しく同意だ。
「そう…でも俺、東と付き合ってるんだけど?」
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