現パロ九相図家族 疲れたな、と思った時も台所に立たないと、何故か落ち着かない。
特に料理をするのが好きとか、任されているとか、そういう訳ではない。兄弟四人のうち余裕のある者が作るということになっているので、俺が作らなくても誰かしら作ってくれる。
しかし、毎日何かにつれて台所に立っていた。弟の喜ぶ顔が見たいからだった。
今もそうだった。昨日の仕事の疲れから調子が上がらずに、ソファでうつらうつらしていたが、スマホのアラームに促されて台所に向かった。
冷蔵庫の横にかけてあるエプロンを手にとる。何気なく買ったものだが、黒のシンプルなデザインで、軽くて洗ってもすぐに乾くところが気に入っていた。
水を入れた鍋を火にかける。その間に冷蔵庫から、昼に作ったチャーシューとネギを取り出して、ゴマと調味料を入れた簡単なものを仕上げる。
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