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    暁/houhoupoteto

    @houhoupoteto

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    オロイフ、ヌヴィリオ、タル鍾SS置き場

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    暁/houhoupoteto

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    オロイフ/🦇🩺
    『やきもち!』

    ※ハモワノレ中の捏造、❌まだいない
    ※カッコいい🩺が書けません
    ※原作中ストーリー破綻は気にしないで下さい(お願い)(詳しいこと記憶から抜け落ちてしまいました)

    ##オロイフ

    拝啓 ばあちゃん。
    フォンテーヌで発見したことがあるので報告です。
    俺達は一人でいるとモテるらしい。

    …なんてコーヒーを口に含みながら考える。
    「苦っ」
    別に好きでコーヒーを選んだわけじゃない。メニューをみたらよく分からないおしゃれそうな名前が連なっていてどんなものなのか想像ができなかったから、知ってるものを注文しただけ。
    ナタならテーブルに使うであろう調味料が置いてあるから特に考えずに「ストレートで」とか頼んだけど何も置いてなくて砂糖入れられなくてしょうが無く苦いコーヒーを少しずつすすっている。

    初めての海外、知らない街、青い空、雰囲気のいいカフェ
    いい気持ちになりたいところだがカクークはパレメルモニアって所で取り調べ受けてて気が気じゃないしオロルンはなんかの作戦に付き合ってていねぇし内心ソワソワして仕方ないが、そもそもそのソワソワを表に出した所でオロルンもカクークもいないから相手してくれるやつがいない。

    ホテルに一人でいたって暇だからと外に出て歩いてみたらいやに声がかかる。始めは道が分からないのか?こんだけ入り組んでたらなぁ。俺もわからん。くらいにしか思ってなかったがなぜかお茶に誘われることに気づいてよく考えてみた。
    『あの、今誰か待ってたりしますか?もし良かったら一緒にあそこのカフェでお茶しませんか?』
    『ねぇねぇ暇だったら一緒にあそぼーよ』
    『君カッコいいね。帽子も似合ってる。ちょっと時間ないかな。あっちで詳しく話を…』
    あ、これは違うわナンパだわって。ばあちゃんの薄い本に書いてあったやつ。現実にあるんだなぁと思いながら
    『あぁ、そうなんだよ。連絡手段ないからここから動いちまったらわかんなくなっちまうだろ?だからごめんな』
    『あーすいません。始めてきた街なので動くと迷子になっちまうから友達来るまでここにいます。すいません』
    『はは、冗談でも嬉しいですね。帽子はお気に入りなので褒めてもらって嬉しいです。でも時間がないのですいません』
    と当たり障り無くかわしたつもりだ。…心臓はバクバクしていたが。

    ナタではもれなく竜医としての俺か、孫か子供のように身を案じてくれるかの二択で、稀に告白もされたが数えるほどだ。小さい子か小さい仔からならしょっちゅうだが。
    …産まれてからの年数分声かけられた気がする。と少しぐったりしていた。
    そんな俺がなんでカフェで苦いコーヒーすすってんのかと言うと。

    「…それで、急に雨が降ってきてから根腐り起こす前に大根を収穫したんだ」
    「えーマシナリー使わないなんてすごーい」
    「だからこんなにたくましいんだね、触っていい?」
    「ただの腕だけど」
    「すごーい筋肉」
    「よくわからないな」
    「ウブなんだねー可愛いー」
    「ねーイケメンなのに幼い感じ可愛すぎるー」
    「よくじいちゃんばあちゃんに可愛いとは言われてる」
    「家族思いー」

    何だこの会話。効果音をつけるならキャッキャ。
    「…触らせんなよ」
    目の前で繰り広げられる会話の成り立ってない様子を眺めているからだ。
    その作戦とやらか終わったら飯でも行こうと約束していたのに、たまたま道端で見つけた時には既に年上であろう方々に囲まれ、困るわけでもなく畑やら野菜やらの話をしていて、ついてきたらここに着いたというわけだ。
    …要するにナンパに乗ったわけだ。
    「…わかってねぇだろ」
    さすがの俺でも知識だけはある。普通、相手がいるなら断るであろうことも。
    さっきから心臓にチクチクとトゲが刺さっている。…多分これ、ヤキモチだ。と認識した。
    ナタでは俺以上に孫扱いされまくってるオロルンだったし口を開けば野菜のことしか話さないし女の子の影なんて見たことはなかったが、まぁ黙ってれば顔は整ってるし声もいいし性格だって優しくて芯が通っていて。そして年上ばかりなのはやはり孫というか母性本能をくすぐるとかいうやつか。
    …そんなんだから、常に隣にいたから、こんな気持になること無く恋仲になってしまった。
    こんな所でまさかこんな気持ちを知ることになるとはな。
    こちらからは背中しか見えないのだがなぜか帽子を目深に被り直す。…あまり見ていたいものではない。かといって立ち去る理由もない。
    …と、思っていた。
    「ねぇ、今誰か連れ添っている方はいらっしゃるの?」
    ある女性の質問に
    「?いや、いないけど」
    そう答えたオロルンの声。
    ドクンドクンと心臓が肥大し波打つ音が鳴る。
    目の前のコーヒーの水面が揺れる。ソーサーとカップの間でカチカチと音が鳴る。
    俺は、きっと、この場にいないほうがいい。
    そう咄嗟に思い立って、気付かれないように、少し離れてからは走り出すように、その場から逃げ出していた。



    「…ふぅ、疲れたな」
    イファを探して道を歩いていたらいきなり四人の女の人に話しかけられて、話を聞きたいというから最近の出来事を話したら興味を持ってくれたみたいだったから話し込んでしまった。
    あんなに若くてたくさんの装飾をつけているのに畑の仕事に興味を持ってくれるとは思わなかったから少し嬉しい。これで少し農業が盛んになればいいんだけど。
    そんなことを思いながら二人部屋でとったホテルのドアを開ける。
    真っすぐ窓辺の手前にイファの背中があった。ビクリとしたのは気のせいだろうか。
    「イファ、ここに…」
    「まさか帰ってくるとはな」
    「…なんの話だ?」
    イファの声が低い。その背中をとんと小突いて驚かせようと思ったがそうはいかないようだ。
    「…なんで荷物をまとめてるんだ?帰るのはまだ先だぞ?」
    勘違いしてるのか?まったくおっちょこちょいだなぁイファは。
    そう思えたのは一瞬で、その表情を見たらとてもそんな事は思えなくなった。
    「そのまま『お楽しみ』かと思ったんでな。邪魔者の俺は別のホテルにでも行こうかと思ったんだよ」
    何を話してるんだ?
    まったく見当がつかない。
    「僕は、なにか君の気に障るような事を言ったかしてしまったんだろうか」
    だからそれを教えて欲しいのに、
    「…言われたしされたな」
    意地悪にもそう返されてしまった。
    最後にイファと話したのは今朝この部屋でだ。それも終わったらご飯を食べようと笑顔で会話したはずだ。
    よくばあちゃんに『アンタバカね』と言われる頭で必死に考えてみても思い当たることはなくて、何を言えばいいのかもわからず、ただ乱暴に荷物を詰め込んでいくイファの背中と横顔を見ていた。
    「おら、邪魔だよ。」
    「え、あ、ごめん」
    洗面台のものを取りに行くのに僕が立ちはだかっていたからとはいえ、ぐいと押し退けられて、とっさに謝ったがなんとなく納得がいかない。
    「待って、怒ってるのか」
    「ごきげんに見えるか?」
    洗面所の入り口を塞ぐように、ドアも閉められないように手でもおさえる。
    「よけろって」
    「いやだ」
    イファが肩と腕を押し退けようとしてくるがそれは許さない。
    「納得できてない」
    「は?お前が言うのか?」
    ぎゅっと口を結ぶ。睨まれたところで言葉を交わさなければなぜ睨まれているのかもわからない。
    「イファも納得できてないなら何故いなくなろうとするんだ。」
    「俺が邪魔なんだろうが」
    「そんなこと一瞬だって思ったこともない」
    「いいからよけろって一人になりたいんだよ」
    「僕は、」
    イファの腕をつかむ
    「君がどうして怒っているのか分かるまでこの手を離さない」
    イファに合わせて声が大きくなってしまい、表情が歪んだのを見て反射的に謝る
    「ご、ごめん」
    「…痛い」
    俯いてしまった顔、小さい声でそう聞こえた。
    掴んでいた手にも無意識に力が入っていて、でも離してしまうのも惜しくて、
    「…逃げないって。わかったよ…お前はそういうやつだよ…」
    「…いや、手、繋いでいたいから」
    「…そうかよ」
    向かい合ったまま手をつなぎ、落ち着いた様子のイファを見て肩を下ろす。
    「まず何に怒ってるのか教えてくれないか。謝りたくても謝れない」
    答えの前に聞こえたため息。
    「はぁ…言わなきゃわかんねぇもんな…俺もあのカフェにいたんだよ」
    意図がわからず首を傾げるがふと思い当たった。
    「あぁ、あそこか。」
    「…囲まれてただろ」
    「うん、珍しく農業に興味があるみたいだったから色々話をしてたんだ」
    急に俯いていた顔があげられ、その表情は驚きに満ちていた
    「…は?」
    「豪華なドレスを着ていたから珍しいなとは思ったんだけど」
    「いや違うそんなことどうでもいい」
    話がかみ合わない
    「だって腕触られてただろ」
    「それは僕もよく分からなかったけど、筋肉のつき方が気になってたんじゃないか?」
    顔全体から「はぁ?」と聞こえてきそうだ。
    「おま、だって…そうだよ、『付き合ってるやつはいない』って答えてただろ…!」
    今度はこちらが「はぁ?」だった。
    「そんなこと断じて言ってない」
    「言ってた!」
    「言ってない!」
    だって本当にそんなことは言っていないんだから仕方がない。言うわけない。イファがいるのに。
    「『連れ添ってる人はいるのか』って聞かれて『いない』って言ってただろうが!」
    どういうことだ
    「そりゃそうだろう。イファはあの場にいなかったんだから」
    「はぁ?…ん、まてよ…お前…」
    「わ、ちょ…イファ?」
    ヘナヘナとその場に座り込んでしまったイファにつられて僕もしゃがむ
    「ウソだろお前…あのな、ああいう時の『連れ添ってる』は『付き合ってる』とか『結婚してる』とかそういう意味なんだよ…」
    再び床を見つめだしたイファから弱々しく声が聞こえる。
    「そうなのか?それなら…確かに間違った。ごめん」
    「ウソだろお前…マジかよ…」
    「イファと付き合ってるからあの場では『いる』が正解だったのか…なんでそんな回りくどい言い方をするんだろう。というかそんな事聞いてどうする気なんだろうな。…イファ?」
    つなぐ手がぷるぷると震えている。
    「どうした?寒いのか?布団くるまるか?」
    「俺がバカみたいだろ!」
    心配して覗き込んだ顔は真っ赤だった。
    「君はバカじゃないぞ?」
    「バカなんだよ!お前も!あーもう!手離せ!」
    「イヤだ今度はなんなんだわがままだな」
    「お前に言われたくねぇよ!」
    ブンブンと腕を振り回してくるがこちらも逃がすわけには行かない。
    「僕が答え方を間違ったのはわかったが君が怒った理由がまだわからない。もしかして僕が君と『付き合っていない』と答えたと思ったからなのか?」
    「……っ」
    ぴたりと動きが止まって強張った真っ赤な顔でまた睨まれる。
    「それなら謝る。ごめん。僕は君と付き合っている。それは間違いない」
    「やめろもう離せって…!」
    「僕は君が好きだしこれからもずっと好きだから結婚という意味でも間違いはない」
    「あーうるさいうるさい!しゃべるな!」
    「でも僕は頭が悪いんだろう。君がそこまで怒った理由がわからない。もう誤解はとけたんだからそんなに怒らなくてもいいじゃないか」
    「俺が俺に怒ってんだよ!あと恥ずかしいからやめろ!」
    イファは、はぁはぁと少し息が荒い。
    「やきもち…妬いたんだよ…っ俺が!」
    ぴたりと自分の動きが止まる。下手したら呼吸も止まりそうだった。
    「楽しそうに話してて!妬いたんだよ!そしたら俺が勝手に勘違いして付き合ってないとか言われたと思って勝手にキレてたんだよ!」
    右手はまだ繋いだままだったが、左手でイファは顔を隠して体育座りになった。
    「初めてなんだから仕方ないだろ!どうすればいいかわかんなかったんだよ!バカ!」
    完全にくぐもった声になってしまった。
    小さく丸くなってしまったイファが可愛いと思ってしまう。
    「うん、ごめん。僕がバカだった。」
    「そうだよ元はと言えばお前が悪いんだ!」
    「うん、僕が悪かった。…だから顔、見せて?」
    無言で首を振るイファ。
    「僕はイファが好きだし、これからも付き合っていきたいし、誰のものにもしたくない。手放したくなんてない。」
    「や、めろ…ってば…」
    「そんなイファが可愛くて仕方がないし、そんな気持ちになってくれたことも嬉しい」
    ふわ、と頭にキスをする。
    「イファ、ねぇ、僕を見て」
    「やだ」
    「見て欲しい。お願いだ」
    恐る恐る顔を上げるイファを、またうつむかせてしまわないようその頬に手を添えて。
    「大好きだよ、イファ。大丈夫。これから先もずっとそれだけは間違いないから」
    「もういいから…恥ずかし……っん」
    伏し目がちな、その晴天の水面に太陽が沈むような瞳が好きだ。
    「は、…イファ…」
    可愛くて仕方がない。と思ってしまう。
    このまま食べてしまいたい。
    「いたっ」
    そう思って滑り込ませた手を叩かれた
    「調子に乗るなっ」
    ぐいと顔を押しのけられる
    「今そういう流れじゃないのか?僕はそうだったけど」
    「どう考えても違うだろっ!おら立て!立てっ…て!」
    腕を引かれてほぼ強制的に立たせられる
    「荷物出すの手伝え、それから飯行くぞ」
    「わ、かった…」
    「……その、あと…だろうが……」
    「!わかった!」
    言葉は難しくてよくわからないこともあるけど、僕は思ったことをできる言葉で伝えていけばいいんだ。
    これから先も、ずっとイファが好きだと伝え続けるんだ。
    「何食べようか?早く帰ろう」
    「めちゃくちゃだよお前…」
    この手の温もりは絶対に手放さない。
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    『やきもち!』

    ※ハモワノレ中の捏造、❌まだいない
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    ※原作中ストーリー破綻は気にしないで下さい(お願い)(詳しいこと記憶から抜け落ちてしまいました)
    拝啓 ばあちゃん。
    フォンテーヌで発見したことがあるので報告です。
    俺達は一人でいるとモテるらしい。

    …なんてコーヒーを口に含みながら考える。
    「苦っ」
    別に好きでコーヒーを選んだわけじゃない。メニューをみたらよく分からないおしゃれそうな名前が連なっていてどんなものなのか想像ができなかったから、知ってるものを注文しただけ。
    ナタならテーブルに使うであろう調味料が置いてあるから特に考えずに「ストレートで」とか頼んだけど何も置いてなくて砂糖入れられなくてしょうが無く苦いコーヒーを少しずつすすっている。

    初めての海外、知らない街、青い空、雰囲気のいいカフェ
    いい気持ちになりたいところだがカクークはパレメルモニアって所で取り調べ受けてて気が気じゃないしオロルンはなんかの作戦に付き合ってていねぇし内心ソワソワして仕方ないが、そもそもそのソワソワを表に出した所でオロルンもカクークもいないから相手してくれるやつがいない。
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