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    白流 龍

    @houhoupoteto

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    ヌヴィリオ、タル鍾SS置き場

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    白流 龍

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    タル鍾:『目、瞳』
    いつまでも、どうなろうとも、お前と共に。
    ※表現上横書き、一部読みにくい部分があります

    #タル鍾ワンライ
    tharuWanLai
    ##タル鍾

    背後から、肩を叩かれ振り向くと頬に指が刺さる。
    それをけらけらと笑う久々の顔。
    「任務は無事に終わったようだな」
    『もさろん なんてつたつておれだからね』
    「そうか」
    二人で顔を会わせて笑う。
    「暫くはのんびり出来そうなのか?」
    『いつしゆうかんは うれつい?』
    長い睫毛だ、と見ていたら返事が遅れてしまった
    「…そうだな、嬉しいな。…あと、」
    公子殿が持っていた筆を取り上げ、さらさらと所々に丸をつける
    「ここ、間違っているぞ」
    悪戯に見上げると、公子殿は一瞬はっとして河豚のようにむくれてしまった。
    そしてぷい、と背中を向けて部屋に入っていってしまった。
    その背中を、扉が閉まるまで眺めた後、今しがた書き留めていた冊子に目を落とす。
    その頁の一番上に、日付を書いた。

    少し間を置いた後、筆を置き、パラパラと頁を遡る。
    始めの頃はまるで幼児のいたずら書きの様な文字で、ついくく、と笑ってしまった。



    後数日で、耳が聴こえなくなるだろうと伝えた時の表情は忘れない。
    その時既に、壁一枚向こうで話しているような感覚だった。
    「え、あ…あっオレ聞いたことあるよ。手話って言うんだっけ?それ覚えたら話せるよな?」
    何故か、を聞いてこない所は公子殿らしいなと感じる。
    少し目を見開き、俺は、
    「…すまない公子殿、頼みがある」
    小首をかしげる君に、頼んだ。
    「璃月の文字を、覚えてはくれないか。俺は今までの公子殿との会話は全て覚えている。…これからは、眼で、憶えていきたい」
    「…わかった。朝飯前だっつーの」
    そういって生意気に笑ったお前は、俺が事実を伝えてから、目に見えて口を大きく開けてゆっくり話してくれていたな。
    お前の優しさだ。
    「…すまない」
    すると急に両頬を掴まれ眼前に真剣な表情の公子殿がいた。
    「そういう時は、『ありがとう』って言うの!!…わかった?」
    「…ありがとう」
    「よし!!」
    本当に、君の笑顔は明るいな。…悲しみを含んでいてもそう見える。
    その背中に、感謝の意を。



    少し慣れてきた頃、聞いてみたことがある。
    「何故横に書くのだ?」
    縦に流れる文字に慣れている分、横に流れる文字に慣れなかった。
    『おわのつにでは こうかくの。
    Я хочу быть с тобой всегда.
    みたいにぬ』
    ふふん、と得意気な顔をしていたのを思い出す。
    六千年を舐めるなよ。読めないとでも思ったのか。

    その文字列を、そっと撫でる。

    音は聴こえずとも、君と過ごした日々の音は心が覚えている。
    そよそよと風が吹き、木々の葉が擦れ会う。これからは眼に焼き付けていこう。

    「…俺も同じだ」
    その頁に栞を挟んでいるのは君には内緒だ。
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    greensleevs00

    DONE #タル鍾ワンドロワンライ  
    お題「花言葉」
    *タルが何気なくあげた花についての花言葉でぐるぐる考えてしまう先生と、そんな先生が何を考えているのか分からなくてもやもやするタルの話。

    タル鍾ワンドロワンライさんがクローズされるということで、2021年11月に投稿したものを記念に再アップ。タル鍾初書きかつ、初めての原神二次創作だった。
    花言葉 夕間暮れ、太陽が寂々と山の端に入りかかる頃、朱の格子から滲むように漏れ出す橙の灯りを、タルタリヤは薄ぼんやりと眺めていた。見慣れ、通い慣れた往生堂の玄関口である。普段ならば悠々とその扉を抜け、奥へ進み、此処の客卿と名乗る男に会いに行く。だが、今夜はどうにも扉へ手をかけるところから躊躇われた。ここ幾日か、鍾離の態度がどうにも奇妙なのである。
     発端と思しき出来事は数日前のことであった。
    「先生、これあげる」
     まるで野良猫が都合の良い投宿先を見つけたかのように往生堂に居つくタルタリヤは、ある日、蝋梅を鍾離の眼前へと差し出した。蝋梅は、古来より璃月で愛でられたきた梅花の一種であり、その名の通り蝋の如き花弁を持つ花であった。寂とした黄金こがね色であり、その長閑な輝きは月の風格に似る。鍾離と異なり、文人墨客的な美学を持たないタルタリヤでも、その璃月の文化的風土の一縷をその身に湛えたような花は、素直に美しいと感じた。
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    masu_oekaki8810

    DONE2023年6月、私は自分のスマホの機種変をした。これはその記録、というより自分のための覚書のつもりだった。
    しかし「二次創作にしたら書いてて楽しいのでら?」
    と思ったので霊幻新隆に機種変させることに。
    結果的に私の機種変の正確な記録ではなくなったけど(コツコツとコピペで移したのはメモアプリではなく、いつも二次創作小説を書いてるPencakeというアプリ。有料版しかデータ移行できん!)良しとしよう。
    霊幻新隆のスマホ道 モブに持たせていたガラケーをスマートフォンに買い替えたのは、モブが事故にあって色々大変なことになった後だ。
     律からは「どうせならiPhoneを」と勧められていたようだが、モブは俺の副回線契約だったので必然的にAndroidスマホになった。(あの頃、codomoはiPhoneは扱ってなかった。というかあんな高いオモチャ、中学生に預けられるか!)
     幸い中古市場もすでに充実していたので、モブには当時の最新のから一年前の機種をほぼ新品で渡すことができた。カメラ機能もガラケーのよりだいぶ良いし音楽や動画も再生できる。中学生には十分だろ。お店の人に聞いてインターネットはフィルタリングかけておいた。あいつもお年頃だからな、当然エッチな言葉で検索もかけるはずだ。俺なんかは国語辞典や広辞苑を開いてエッチぽい単語を延々と調べたものだ。中学は人生で一番辞書を読んでいた時期だ。(お陰でそんな読書しないわりには語彙もそこそこ増えた。)モブが俺の渡したスマホから不健全な情報を得てるとなったら親御さんらに合わせる顔がない。どうしても知りたいことがあるなら正しい性知識の本を用意して読ませてやるからな、ネットでデマや変なこと吹き込まれるんじゃねーぞ、と遠回しに注意してスマホを渡してやったのが10年前、ついこないだのことみたいだ。
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