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    ジュラ

    鬼滅絵練習中
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    ジュラ

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    当初は漫画にしようと考えていてネーム前に一度ストーリーを書いてみようと思ってたら小説になっていた。宇髄さんと煉獄さんが過去に会っていたというお話です。画力がなくて描けないとわかったし時間ないしここで供養しまする

    #鬼滅の刃#煉獄杏寿郎#宇髄天元#煉獄千寿朗

    闇の霧【闇の霧】

    少年時代の煉獄杏寿郎の物語

    夜の闇の中鎹鴉を追う杏寿郎 『急げ〜急ぎ現場へ向かえ〜』
    草をかき分け進むと鬼の気配がする。
    しかし闇がいつもより濃い。
    『何か霧のようなモヤの様なものに更に黒い色がついている様だ』
    杏寿郎は通常の人より夜目が効く。
    新月の夜でも街灯の明かりがなくても野生動物並みに見ることができる。
    しかしこの夜は違った。
    あまり見えないのである。
    しかし常人とはかけ離れた視力で目を凝らすと朧げに見えてきた。
    なんだ?
    森林の開けだ場所に隊士達が倒れている。
    みんな背中に自らの刀を刺されていてそれがまるで墓標の様に見えた。
    『どうしてこんな…』愕然とする。
    不意に鬼が近くにいる気配で身を固くした杏寿郎。
    『お前は夜目が効く様だな』『救援が1人とは随分と舐められたもの』
    鬼が話しかけてくるが姿が見えない。
    鬼は移動しながら話している様だが鬼の気配のする方を見ても鬼は見えない。
    『黒い霧も姿を隠しているのも血鬼術か!』
    『よくわかったね坊やお前も一気に始末してくれるとしよう』
    男でも女でもない声がする。
    攻撃が来る。
    赤き焔刀を抜き身にし臨戦態勢を取る杏寿郎。
    攻撃は刃の様な鎌のような空気圧で触れると瞬時に身体は引き裂かれてしまうだろ。
    日輪刀で受け身を取るとまだ体の未熟な少年である杏寿郎は吹き飛んでしまった。すぐさま起き上がって戦闘態勢に入る。
    しかしさっきの突然の攻撃で身体が切れていた。
    致命傷ではないがかなり斬られた数が多い。
    出血を呼吸で止めなければ失血死しかねない。
    早く鬼を見つけて斬らなければ。
    どこだ。
    感覚を研ぎ澄まし鬼の気配を探る。
    鬼はふわふわと宙を漂う幽霊の様な奴だ。
    木の上、地面、結構な速度で移動している。
    『死ね』攻撃が今度は大きくなって杏寿郎を襲った。
    杏寿郎は宙を回転し華麗に鬼の攻撃を交わした。
    未だあまり止まらぬ血液が飛び散る。
    貧血で頭が朦朧とする。
    鬼の居場所を探らなければ…集中し、鬼の気配を再び探るもさらなる攻撃。
    【炎の呼吸 肆の形 盛炎のうねり】
    防御の形で攻撃をかわすと木の上に鬼の気配がするのを感じた。
    大きく飛び上がり、呼吸をすると技を繰り出した。
    【炎の呼吸 伍の形 炎虎】虎の炎が鬼を飲み込むと思うや首を落としていた。
    あまりの速さに鬼も首を斬られたことに気付いていないかもしれない。
    受け身を取れず杏寿郎は地面に落下して気を失いかけた。
    『まだだ鬼は一体とは限らない…鬼の気配を探らなければ』
    仲間の亡き骸が目に入った。
    這いながら仲間の隊士達へ近づく。
    『すまない俺がもう少し早く救援に来たなら1人でも多くの命を救えたかもしれないのに』『立派に戦ってくれて鬼が逃げないように時間を稼いでくれたのだな…ありが…と…』そう言うと杏寿郎は気を失ってしまった。

    闇の草むらからガサガサ音がする。
    シャラっと光る物が揺れる。
    『なんだもう鬼の物音はしないじゃないか』
    『なんだぁしかも派手にやられてしまってるじゃないか!全滅か?』隊士の首の静脈を確認して死を認識する。
    みんな刀を突き立てられているが1人髪色の派手な隊士だけは刀を刺されていない。
    『おっ!こいつは生きてるな!しかも炎柱そっくりじゃねえか!』
    『もしやコイツが例のあの飲んだくれ親父の息子か』
    柱に任命されたばかりの宇髄天元は最近任務に酒を持ち込んでいる炎柱のことを親方様も心配していると聞いていた。
    『1人でやったのか?鬼を?だとしたらなかなか骨のある奴じゃねえか』『おい起きろ』顔をペチペチ叩いたが完全に気絶したのか起きなかった。
    宇髄は杏寿郎を抱きかかえて草の柔らかく生えた木の根元に座らせた。
    髪をかき分けて顔をよく見た。『じきに朝が来る。
    隠しも向かってるだろう』
    『飲んだくれ親父なんか引退させて早く柱になれ。もっと強くなれ。
    だがお前が柱になる頃俺はもうお前を覚えちゃいないだろうけどな』
    不敵な笑みを浮かべ宇髄は消えた。
    杏寿郎は夢を見ていた。
    幼い頃の夢
    走って転んだ杏寿郎が泣きべそをかきそうにると、
    母親の瑠火は抱き起こしながら言った。
    『杏寿郎男子たる物むやみに泣いてはいけません。
    男子たるもの涙は我慢する物なのです。』
    『はい母上』杏寿郎は擦りむいた傷の痛みを堪え泣くのを我慢した。
    俺は絶対泣かない男だから。
    心にそう決めたのはその日からだった。
    どんなに悲しくても辛くても涙は流さない。
    でもいつか母上がいなくなる時俺は泣くかもしれない。
    もう居ない母上が今も生きている様な感覚がしていた。
    目が覚めたら朝が来ていて、隠しにおんぶされていた。
    『ここは…?』
    『煉獄さん大丈夫ですか?今病院に向かってますからね』
    『あっ大丈夫です。
    1人で歩けますから』
    『いやいやあなた結構なゲガをしてますよ』
    『いいですからおろしてください。俺は自分で後で病院に行きますから一旦家に帰ります』
    そう言うと怪我をものともしない柱以外誰も追えないスピードで走り去って隠しを仰天させた。
    要も後を追って飛び去って行った。

    走りながら杏寿郎は考えていた。
    気を失っていたにもかかわらず身体に残るがっしりとした腕や胸の筋肉の感触。
    隠しにはそんな人間はひとりもいない。
    鬼殺隊士にもそこまで腕っ節の強そうな人は見たことがない。
    確実に柱レベルの隊士のものだろう。
    『俺も同じような身体になるため努力するとしよう』
    そう言って笑顔を綻ばせ目を輝かせた。

    『千寿朗ただいま』
    『兄上おかえりなさっ…て凄い怪我じゃないですか!大丈夫ですか?』
    『うむ血は止まってるからな。病院に後で行ってくる。縫わないといけない傷もあるだろうし』
    『今夜1日眠ったらまた明後日から任務だ。』
    『そうですか…兄上の身体の滋養に良さそうなもの作りますね』
    『父上はどしている?』杏寿郎はシーンとした奥の間に聞き耳を立てる。
    『父上は今寝てると思います…朝から呷るように飲んでいましたから』
    『さっき昼餉を持って行ったら酔っていたのか飯など要らぬと怒鳴っておいでで召し上がっておりません』そう言って千寿朗は寂しそうに微笑んだ。
    『そうか今はそっとしておくのがよさそうだな』『父上の世話をしてくれてありがとう』
    最近使用人を父上は追い出してしまった。
    千寿朗と仲の良かった料理の上手いお手伝いさんも同様に暇を出した。
    千寿朗はその人に料理の仕方など教えてもらうのが好きだった。
    今や家のことをやってくれるのは千寿朗ひとりだ。
    こんなことでは千寿朗も鍛錬に集中できないし、いけないことだとわかっていても、鬼殺隊士となって忙しい身の自分には何もできない。
    『いつも気を遣わせてすまない。俺のことは構わなくていいぞ千寿朗』
    『俺はいいんですよ兄上のことも支えたいんです。
    それに料理だって恥ずかしながら俺のやりたいことのひとつでもありますから』
    千寿朗は少しモジモジして答えた『何も恥ずかしい事はない!料理が出来るということは素晴らしい事だ!千寿朗!』
    穏やかな笑みをたたえる千寿朗を見て安心した杏寿郎は、目を輝かせて『柱になるため一歩一歩確実に鬼を倒して強くなるぞ!
    今の俺に出来ることはこれだけだ!』そう爽やかに叫んで朗らかに笑った。
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