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    葵そら

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    葵そら

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    ❄️🌸ブラネロ♀
    プロポーズするお話。
    一応最終回です。おまけ程度で続きを書きたいと思います!

    #ブラネロ
    branello

    ハッピーエンド最近ネロの様子が変だ。

    ブラッドリーとネロは冬の国と春の国の友好の証として結婚した、いわゆる政略結婚というやつだ。
    ネロはこの結婚にあまり乗り気ではないようだが、ブラッドリーの方はむしろ望んでいたことであった。
    二人はまだ小さいころに春の国で出会い、数時間ではあるが一緒に過ごしたことがある。
    ネロの方はそのことを覚えてはいないようだが、ブラッドリーはしっかり覚えており、その時からネロと結婚したいと思い続けてきたのだ。
    そんな十数年にも及ぶ片思いの末、念願叶って結ばれたわけなのだが、ネロの方に全くその気がない、どころか当初はブラッドリーのことを嫌がっている素振りすら見せる始末である。
    さすがのブラッドリーもこれは堪えた。せっかく結婚したのに嫌われていては意味がない。
    何とかネロの気を惹きたい一心で、春の国に近い場所に二人の城を建てたり、料理をしたいだとか祭りに行きたいだとかいうわがままも聞いてやった。
    ネロの気持ちの整理がつかないうちは寝室も分けて別々に寝るようにし、最近はよく喋るようになったし気を許しているようなところがあったから、そろそろかなと思い始めた矢先のことであった。

    「ネロの様子がおかしい」
    公務の最中、側近である部下の男に話かける。この男はブラッドリーが最も信頼する部下のうちのひとりである。
    「ネロ様ですか?」
    「そうだ。だいぶこの国に慣れてきたかと思っていたが、最近どうも様子がおかしい」
    男はブラッドリーの城にもよく来るのでネロとももちろん会ったことがある。
    「どんな風にですか?」
    「俺様が話しかけても目を合わさない。ああ、とかふーん、とか返事もあいまいだ」
    「そうでしょうか?私が城にお伺いした時は挨拶してくださって、おまけに焼き菓子まで頂きましたよ」
    それを聞いたブラッドリーはギロっと男を睨んだ。俺とはまともに話さないくせに家来の男には挨拶して菓子まで渡すのか?
    ブラッドリーの扱いには慣れているのか、男は睨まれても怯むことはない。表情一つ変えない。
    イライラしながらブラッドリーが続ける。
    「しかもだ。最近は食事も一緒にとりたがらない。時間をずらして別々に食いたがる」
    ネロは料理を作るのも好きだが自分の作った料理を美味しそうに食うやつの顔を見るのも好きなのだ。多分。
    その証拠に、ブラッドリーと食事をするときはいつも顔色を窺うように見ており、食べた後「美味い」と言ってやると満足そうな顔をするのだ。
    そんなネロが料理だけ用意して一緒に食べたがらないなんて、それはまるで…
    「ブラッドリー様のことを避けていらっしゃるのでしょうか?」
    ブラッドリー自身が考えていたことを男に言われてしまった。
    「・・・心当たりがねえよ」
    否定したいが状況証拠が揃いすぎている。ブラッドリーともあろう男が、ことネロに関してはずいぶん弱気だ。
    「ネロ様に直接聞いてみては?」
    「かっこ悪りいだろうが」
    「ブラッドリー様はネロ様にお気持ちを伝えられたことはございますか?一度きちんとお話してみてはいかがでしょう?」
    そういわれてはっとした。
    挙式はネロが冬の国にやってきたときにセレモニーとして行った。
    ただの形式ばった儀式の一つではあるが、その中でお互いに守り支え愛することを誓った。
    しかし、個人的にブラッドリーからネロに対してプロポーズをしたのは、そういえば幼いころ出会ったあの日だけで、再会してからはしていない。
    ネロのことが好きで結婚したのだから当たり前の事実過ぎて大事なことを忘れていたのかもしれない。

    「ネロ!」
    ブラッドリーは帰宅するやいなやネロの元を訪れた。
    ネロはキッチンで夕食を作っている最中のようだった。
    突然声をかけられたことにびくっと肩を跳ねさせ驚いたネロは、一瞬目が合うもののすぐにかき混ぜていた鍋に目を戻しこっちを見ずに「おかえり」と呟いた。
    そんな態度にイラっとしたが怒っている場合ではない。ネロにちゃんと伝えようと思って早く帰ってきたのだ。
    「おい、ネロ。話がある」
    「それ今じゃなきゃダメか?夕食作るのに忙しいんだけど」
    「ダメだ。でないとまた適当な理由付けて夕食も別々にしようとするだろうが」
    「それは…」
    ネロが黙り込んでしまった。
    はあ、と小さくため息をつく。
    「じゃあ、夕飯作りながらで構わねえから、話を聞け」
    キッチンでプロポーズ、締まらねえなあと思いながらブラッドリーは単刀直入に伝えた。
    「ネロ、俺と結婚してくれ」
    ネロが鍋をかき混ぜていた手を止め、ばっと驚いた顔でブラッドリーの顔を見た。
    とても驚いた表情をして、でもよくよく考えながら冷静な声で「…もう結婚してるけど?」と言った。
    「そうゆうことじゃねえんだよ!」
    「どうゆうことだよ?!」
    「だから!俺はお前が好きだってことだよ!」
    今度は驚いたままで、目をぱちぱちさせている。
    「え…?そうなのか」
    「はあぁぁ…やっぱわかってなかったのかよ」
    「いや、だって!お前一度もそんなこと言ったことなかったじゃないか!ちゃんと言葉にしてくれないとわかんねえよ!」
    じわじわと言葉の意味を理解してきたのか、かああ、と顔を赤くさせていく。
    「そうだな。俺が悪かった。ネロ、もう一度言うぞ」
    もういっぱいいっぱいなネロを差し置いてブラッドリーは続ける。
    「お前が好きだ。俺と、結婚してくれ」
    耳まで真っ赤にしたネロが目を潤ませながらブラッドリーを見つめる。首に手を回しぎゅっと抱き着いてきた。
    「返事は?」
    ネロの頭を優しく撫でながらブラッドリーが尋ねる。
    「…そんぐらいわかれよ」
    「ちゃんと言葉にしてくれねえとわかんねえな」
    とぼけてみせると真っ赤な顔でこちらを睨みつける。かわいいだけで全然怖くない。
    抱き着いたまま、ブラッドリーの耳元に唇を寄せてネロが囁く。
    「俺も、ブラッドのこと…」
    最後の言葉は聞こえるか聞こえないかというくらい小さい声であったが、ブラッドリーがにやりと口角をあげたのでどうやら聞こえたらしい。
    寄せられた唇に噛みつくようなキスをする。ずいぶん遠回りをした。その時間を埋めるような長いキスだった。
    そっと唇を離すと二人は見つめ合う。
    「今日からは一緒に寝よう」
    見たこともないほど満面の笑顔で「うん!」とネロはうなずいた。
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    44_mhyk

    SPOILERイベスト読了!ブラネロ妄想込み感想!最高でした。スカーフのエピソードからの今回の…クロエの大きな一歩、そしてクロエを見守り、そっと支えるラスティカの気配。優しくて繊細なヒースと、元気で前向きなルチルがクロエに寄り添うような、素敵なお話でした。

    そして何より、特筆したいのはリケの腕を振り解けないボスですよね…なんだかんだ言いつつ、ちっちゃいの、に甘いボスとても好きです。
    リケが、お勤めを最後まで果たさせるために、なのかもしれませんがブラと最後まで一緒にいたみたいなのがとてもニコニコしました。
    「帰ったらネロにもチョコをあげるんです!」と目をキラキラさせて言っているリケを眩しそうにみて、無造作に頭を撫でて「そうかよ」ってほんの少し柔らかい微笑みを浮かべるブラ。
    そんな表情をみて少し考えてから、きらきら真っ直ぐな目でリケが「ブラッドリーも一緒に渡しましょう!」て言うよね…どきっとしつつ、なんで俺様が、っていうブラに「きっとネロも喜びます。日頃たくさんおいしいものを作ってもらっているのだから、お祭りの夜くらい感謝を伝えてもいいでしょう?」って正論を突きつけるリケいませんか?
    ボス、リケの言葉に背中を押されて、深夜、ネロの部屋に 523

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    ada

    REHABILI盗賊時代のブラネロの話 / 捏造注意 / 身体の関係がある遠い噂で、西の国で絢爛豪華な財宝や金品が展覧されると聞いた。筋は確かな情報のようで、近頃街が色めき立っている。こんな美味い話、頭が聞き漏らす訳もなく作戦は決行された。
     盗むのは自らの手が良いと宣う頭に付き合うのは相棒であるネロの役目だ。招待された者しか入れないというその会場である屋敷に、招かれた客と偽り出向く事になった。
     普段は見てくれから粗暴なのが分かるような男の出立ちだが、今回は仕立て屋で身を整える気の入り様から、潜入すらも楽しんでいる事が分かる。正直、動き易ければ拘りのないネロだが、ブラッドリーは長考し続けネロを着せ替え続けた。
    「よし、いいんじゃねえか」
    「これが駄目でももう着替えねえぞ」
    「なにくたびれてやがる、早えんだよ」
    「俺は今回従者なんだろ? なら別になんだっていいじゃねえか」
    「あのなあ。従者がどんなモン着てるかで主人である俺の程度が分かるだろ」
     従者の装いという事で首が詰まっているのが息苦しい。仕上げと言わんばかりにタイを手際良く締めるブラッドリーはずっと上機嫌だ。
    「よし、あとはお前が俺様に傅きゃ完璧だな」
    「馬鹿言え、やんねえよ」
     頭の機嫌がいいに越し 2630

    cross_bluesky

    DONEエアスケブふたつめ。
    いただいたお題は「ブラッドリーを甘やかすネロ」です。
    リクエストありがとうございました!
    「ええっ! ブラッドリーさん、まだ帰ってきてないんですか?」
     キッチンへとやってきたミチルの声に、ネロは作業の手を止めた。
     ブラッドリーが厄災の傷で何処かに飛ばされたと聞いたのは、ちょうど五日前の夜だった。
     北の魔法使いたちが向かった任務自体はあっさりと片が付いたらしい。しかし、あろうことか帰る途中でミスラとオーエン、そしてブラッドリーの三人が乱闘を始めてしまった。そしてその最中にブラッドリーがくしゃみで飛ばされてしまったというわけだ。
    『いつものように少ししたら戻ってくるじゃろう』との双子の見込みは外れ、未だ魔法舎にブラッドリーの姿は見当たらない。余程遠くに飛ばされてしまったのだろうか。
    「まだみたいだな。どうした? あいつに何か用事でもあったのか?」
    「えっと……実は新しい魔法を教えてもらおうと思ってたんです。ブラッドリーさんは強いから大丈夫だと思うけど……あ、魔法の話はフィガロ先生には内緒にしていてくださいね?」
    「あはは、わかったわかった。まあ心配しなくてももうすぐ何でもない顔して戻ってくんだろ。ほら、口開けてみな」
     ネロは鍋の中身をスプーンですくってミチルの方へと差し 2029