家猫の黄昏今日もこの家は平和だ。
いつもの音、いつもの匂い。
何も変わらない、でも、それが本当の幸せだと思っている。
私はこの家に住み始めて約2年。
元々は外で暮らしていたが、食べ物が無くて困っていた所をデカい奴らに助けてもらった。
デカい奴らは本当に不思議だ。
“テレビ”とか言う物を見ただけで泣いたり、笑ったり。
部屋が温かいと言うのにわざわざ寒いとこに出掛けて行ったり。
でも、コイツらは飯を何処からか取ってきてくれるし、私が吐いてもいつの間にか掃除してくれている。
そして何より、コイツらは私の事が好きみたいだ。
私を見つけると撫でてくれるし、膝に乗って寝てても何も言わない。
おもちゃを持って行くと遊んでくれたり、本当に退屈しない奴らだ。
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