猛吹雪。変わらぬ日常 ごうごう、ごうごうと何時もと変わらぬ猛吹雪が荒れ狂う。
弱い魔法使いであれば軽く命を失うであろう暴威の中、ミスラはちょうどよさそうな雪の上に寝転んでいた。
頭の下で手を組み目を閉じようとしたところで、ふと何か神経に触る音が聞こえた。
否、予感だろうか。
確認しようと珍しくも起き上がり(普段なら何があろうと寝ている)、感覚の信じるままに目を向け――そして、ザラリとした、まるで神経をやすりでこそげ落とされるような『不快』を目の当たりにする事になった。
「……なんですか、アレ」
ブラッドリーが捕まっている。
それだけであれば別にいい。負けた者は淘汰される世界だ。とうとうブラッドリーの番が来たというだけ。
1198