あなたは光時々、あいつの夢を見る。
悔しくて、悲しくて、苦しかった日々。
お前がいたから乗り越えられた。
お前はオレの光。
あのときも。今も。これからも。
◇◇◇
「見て、エレン。姿勢制御訓練やってるよ。懐かしいね」
「あぁ…そうか。入団の時期か…」
アルミンが指差す方を見ると、訓練兵が腰から伸びるワイヤーで、左右から吊り下げられ、懸命にバランスを取っている。
そのとき、一人の訓練兵がバランスを崩し、逆さになって、ぶらさがってしまった。なんとか上体を起こそうと、もがいている。でも、ああなってしまったら、もうどうにもならない。オレも経験したから分かる。あのときの恥ずかしくて情けない気持ちが甦ってくる。本当にいたたまれなかった。
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