七海の出戻りが解釈違いな元カノの話 4「そういや七海が会いたがってたぞ」
「硝子ー、私そいつ地雷」
「拗れたなー」
「デリケートなもんで」
一度体内に害をもたらすタイプの呪霊と交戦してから定期的に診察してもらっている。今はその診察の終わり。高専を卒業してからは同期である硝子と話す機会は減ったけれど、ゼロではない。硝子のことは好き。七海のことは嫌い。
「ずっと未練たらたらだったのに」
「一度決めたことには彼女の意思なんて関係ないような、図太い芯の通った七海が好きだったの。今の七海は知らない男。解釈違い。地雷です。ばーん」
「あの七海が休日まで高専に顔を出してるんだよ」
「それ悟にも言われた。二人して面白がっちゃって」
「同期の幸せを願ってるだけだよ」
「嘘こけ」
「はは、バレた?」
「やってらんないわー」
「やりがい重視で帰ってきたんだって。歓迎会で言ってた」
「やりがいねぇ……」
肉体労働で、成果はハッキリしていて、でもよく人が死ぬ。やりがいを感じられてもっと安全な仕事なんて他にいっぱいあると思う。七海ならどんな仕事だって卒なくこなせるだろうに、曖昧な理由で戻っちゃってバカみたい。硝子が「歓迎会中の七海、可哀想だったよ」なんて言うから「興味なーい」と返したのにそのまま話し始められてしまった。もう。
「伊地知に誰が参加するのか聞いて、悲しそうな声で『そうですか……』って。広間の個室でやったんだけどさ、ドアが開く度さりげなくドアの方見てたんだよ。変なサングラスし始めたから目だけで見れないんだろうな。首ごとドアの方に向けるもんだから、丸わかり」
「へー。食べたい料理が中々来なかったんじゃない」
「あー、まあ食べたかったんだろうな」
「うわあもう、おっさんみたいなこと言わないでよ」
げんなりする私ににやりと笑ってみせる。
「七海狙いの女、結構いたよ」
「……へー」
「気になる?」
「ならない。むしろ協力してもいいかなって思ってる」
「残酷だなー」
「執着男から解放されたいからね」
「余計執着されそう」
「新しい恋を見つけてほしい」
「出来るの?逆に」
「……。……努力中」
「はは」
▽△▽△
『ところで、七海さんのこと好きなんですか』
「欠片も好きじゃない」
『七海さんはあなたのことが好きだと思います』
「そうでもないと思う」
『本当に好きじゃないんですか』
「誓って好きじゃない」
『じゃあ、私に協力していただけませんか』
「マジで言ってる?いいよ」
真面目な電話の後に厄介な恋バナをぶっこんできたのは、去年窓から補助監督になった女の子だ。曰く、七海が学生だった頃の報告書だとかの過去資料だけを読んで憧れていた人がいざ目の前に現れたせいで完全に好きになってしまったらしい。想像よりずっとタイプでどうにかなりそうなんです、と続ける彼女は小柄でふんわりと可愛い雰囲気。でも仕事には真摯に向き合って妥協を許さない。七海との相性はそう悪くなさそうだ。
『七海さんの好きな食べ物とか嫌いな雰囲気とか、なんでもいいので全部教えてください』
「うーん……」
好きなもの、嫌いなもの。今もそうかはわからないよと前置きして、時間をかけながら思い出せるものを全て答えた。その後に「協力してくれるというのは本当なんですね」と言われた。信じるのが遅くないか。
『あなたにメリットがないので』
「メリットならあるよ。だからちゃんと協力する」
『何があるんですか』
「そこまでは内緒」
『……まあ、協力してくれるならなんでもいいです』
ということが、少し前にあった。
彼女はあれから積極的に七海に話しかけに行っているらしい。食事に誘いたいけどこういうお店はどうですかとか、こういう服はどうですかとか色々相談されている。彼女によると時折一緒にご飯を食べに行っているらしい。話を聞いた限りでは付き合うのも時間の問題だと思う。七海から重く息苦しい言葉を投げつけられたせいで再び高専を避け始めたから、まだ七海からの執着が薄まった実感は無い。
もうそろそろ少しずつ顔を出してもいいのかもしれない。七海が任務に出ているタイミングを狙うため伊地知に七海のシフトを確認していたけれど、これもそろそろ終えられるのかもしれない。
イチかバチか、七海が任務に出ているか確認せずに高専に向かってみた。今日は硝子と補助監督に用がある。その後はそのまま任務に出る。
敵に体内を侵す術式を使われた後の経過観察のため、定期的にベッドで仰向けになり上体にぴとぴとと何かしらの機器を付けてスキャンだかなんだかしてもらわなければならない。普段は機器が動いている間も雑談タイムになるのだけれど、今日は誰かがタイミングよく入ってきた。硝子と何やら話している声が聞こえる。……カーテンに囲われているからすぐにはわからなかったけれど、この声は七海だ。話によると書類を取りに来たらしい。それならすぐに用が終わるはず。すぐ帰るだろう、とっとと帰ってくれ。
「そういえば、補助監督から随分アタックされてるらしいな」
「誰から聞いたんですか」
「風の噂」
「ハァ───……」
「そろそろ元カノのことは吹っ切って次に行けばいいんじゃないのか」
もっと言って……!
「それが出来たら苦労しませんよ」
「デートは行ったんだっけ?」
「……複数人で食事には」
「サシでも行ってみれば何か変わるんじゃないか」
「正直、あの人の指示を仰いでいるのが気に入りません。……元、恋人を頼られると気分が悪い」
サッと血の気が引いた。どうしてバレてるんだ。
「なんでそう思った?」
「あの人しか知らないことを言ってくるので」
そんなことを言ったつもりはない。どれだったんだ?七海をよく見ていたらわかるような、私の入れ知恵だと気付かれないようなことばかりを伝えたはずなのに。二人しか知らない思い出に触れるようなことはしていないはずなのに。
「見事に脈ナシだな」
「腹立たしいほどに」
「そんなに脈が無くても諦められないのか」
「……こればかりは理屈ではないので」
「はは、ゾッコンだ」
「失礼します」
七海が出て行ってから、カーテンの内側へ入ってきた硝子の表情を見て意図的にバッティングさせられたのだと気付く。
「あーあ、どれでバレたんだろう……。あんまり変なこと言ったつもりないんだけどなー……」
「察しが良いなアイツは」
「どうやったら逃げ切れると思う?」
「逃げれば逃げるほど執着されたりしてな」
「でも顔も見たくないし……」
「どっちが折れるか楽しみだな」
「ハァー酷い親友ですよ硝子ちゃんは……」
▽△▽△
入れ知恵がバレているのだから、七海と会えば前よりも面倒なことになるなんて火を見るよりも明らかだ。だから伊地知に賄賂を渡し七海が確実にいないタイミングだけを狙っていたのに、ついに合同の任務にアサインされてしまった。しかしなるべく現地集合現地解散にして雑談を挟む隙をなくしたとはいえ、何も言ってこないのがいっそ不気味だった。
次に割り当てられたのは担当者の人数がやけに多い任務だった。人数ゆえにそう問題になるような何かはしてこないだろうと安心しつつ、人数が多いからこそ打合せを対面でせざるを得なかったり融通が利かない面に辟易した。開始時間の直前に会議室に入ると、七海の隣には例の補助監督の女性が座って、何やら話し込んでいた。やっぱ仲良いんじゃん。唯一空いていた悟の隣に腰を下ろすと「寝取られたの?」と耳打ちされた。
「……第一声はちゃんとした挨拶にしたほうがいいよ。仮にも先生なんだから」
「オハヨーゴザイマス寝取られたの?」
「寝取るも何も彼氏はいません。募集中です」
「七海に言っていい?」
「募集要項は"元カレ以外"で」
「ひどーい。ほら見てよ、顔近付けてナイショ話してるだけであの顔」
「え?」
ふと七海を見るとサングラスの向こうから突き刺さるような鋭い視線を寄越してきていた。何事もなかったかのように目を逸らす。直視さえしなければなんてことはない。そしてまたヒソヒソと耳打ち。
「ねえ今ここで悟とキスしたらどうなると思う?」
「僕教師なんですけどー」
「とかいって目隠し外してるのウケる、冗談だよ」
悪ノリにも程があるけれど嫌いじゃない。七海と別れてから色々どうでもよくなってしまったのだ。悟と何かが起きたことなんてないしお互いに恋愛感情がないのはこの先も変わらないけど。
「今回の任務、補助監督ナシの術師同士ツーマンセルで宿泊あるけどどうするの」
「ツーマンセル……?一人余るけど、何回も行くの?」
今この場には五条と七海と私の三人の術師と複数の補助監督。あと一人学長が来ると聞いているけど、学長が出ることはないだろう。ツーマンセルなら誰かが余ってしまう。
「僕は今回ただのグッドルッキングアドバイザーね」
「え、」
「戦うのも泊まるのもオマエと七海だけ」
「嘘」
「手続き的な準備が複雑だったから補助監督が多いけど、当日は二人だよ」
「新カノと三人で行くのは?」
「繁忙期ナメてる?」
「かなり……」
思わず頭を抱えた。「嫌」以外の言葉が何一つとして見つからない。
「こういう時、事務方がウッカリして一室だけ取るのがセオリーだよねぇ」
「そんな決まりは知らない……。けど補助監督に念押ししとく……」
会議参加者の最後の一人、学長が入室したことで打合せは始まり、難なく終わった。悟の言っていたことは本当で、私は本当に七海と泊まりにいかなければならないらしかった。深夜と昼の二回任務を行うかららしい。嫌だ。本当に嫌だ。何を言われるかわからない。きっとそこで入れ知恵の文句を言うつもりだ。でも最近は何も言ってこないし大丈夫なのかも。
悟の言う通り補助監督に「必ず、間違いなく、二部屋取ってね」と念押しをして「バッチリ大丈夫ッス!」と少し不安になる回答をもらって、嫌悪感に押しつぶされながらどうにか当日を迎えた。
▽△▽△
「もしもし?二部屋予約してって言ったよね?」
『はい!なのでダブルを予約したッス!』
「ダブルを二部屋?」
『えっ……?』
「……うん。うん、オッケー。わかりました」
補助監督ちゃん……。よくもやってくれたな……。末代まで笑い話にしてやる……。
状況は絶望的だ。現在時刻は夜の十時。七海と二人、宿泊予定だったホテルのロビーで頭を抱えている。ここに来るまでやけに人が多いと思ってよく見てみたら、大抵の人が同じグッズを身に付けていたので近くで何やらフェス的なものが開催されていたんだと思う。少なくともこのホテルに空き室はないらしい。混雑具合と、この地域のホテルの少なさから考えるに、状況はもう絶望的だ。車で来ていたなら一晩くらい車で眠れたけれど、生憎今日は電車で来ている。今からでももう一部屋取ってほしかったけれど、夜十時に仕事をさせるなら宿くらい自分で探す。七海と二人静かにスマホを操作するけれど、フェス当日の夜十時に空いている会場近くのホテルなんて一件もない。遠くならあるかもしれないけど、タクシーはもうない。歩く気力もない。
「一晩だけ我慢してください」
「何を」
「同衾」
「嫌」
「手は出しません」
「キスマーク付けられる」
「付けません。縛りを課しても良いですよ」
「……」
「現実的に考えて、もうホテルは取れません」
「……」
「それに、今更でしょう」
「……そっちは私のことどう思ってるの」
補助監督の子と多少良い雰囲気になりつつあるのは事実だ。私の親友だから硝子にああ言っただけなのかもしれないし、医務室で聞いたことはアテにならないというのが私が出した結論だ。
「正直に答えたら、応えてくれますか」
「ない」
「では今この場では無駄でしょう。貴女を警戒させるだけです」
警戒って。それがもう答えじゃないの。とは思うけれどわざわざつっこむのは面倒臭い。せっかく言及を控えた何かを見せつけられてしまうかもしれない。藪蛇を突くなんてごめんだ。
「……じゃあ縛りアリで」
「条件は」
「私に触らない」
「『今夜一晩性的な意味で』私は貴女に触らない。で良いですか」
「明日は」
「『今回の宿泊において性的な意味で』私七海建人は貴女に触らない」
「なんで今後があると思ってんの?」
性的な意味で、と付けるのは仕方がない。任務中に否応なしに触れることはある。これは避けられないことだから納得は出来る。けれどその一言がついているなら今晩に限定する必要なんてない。
「未来まで塗り潰す必要はないでしょう」
「潰すも何もナイものはナイんだよ」
「……この条件でなければ飲みません。縛りナシで貴女と今晩過ごします。ここに泊まらなくても追いかけて必ず一晩共にします」
「わかった、もうそれでいいから……」
納得していないけど、とりあえず今晩安全に過ごせるのならそれで良い。触ってこないのであれば同じベッドでだって眠れる。嫌なものは嫌だけど、安全は確保されるから我慢できる。縛りを結んだあと、最低限のテーブルとベッドしかないような狭い部屋へと入った。荷物だけ置いて夕食を食べに行こうとしたのに着いてくる。「夕食、一緒にいかがですか」と聞かれたけれど「嫌」とだけ返す。近くのコンビニで軽食を買ってホテルへ戻った。
何も言わずにテーブルに軽食を並べてお茶を飲むと、七海もまた何も言わず隣に座って食べ始めた。そのタイミングを見計らってシャワールームへと入った。これで一緒に食べずに済む。後ろから深い溜息が聞こえたけれど、無視。
いつも凝視してくる七海の前に髪が濡れたまま出るのは嫌だったけれど、一つしかないシャワールームをいつまでも占領するわけにはいかない。タオルドライだけ済ませてシャワールームを出ると、すれ違うようにそそくさと七海がシャワールームへと入っていった。きっと七海も早く寝たいんだ。都合が良い。ドライヤーを済ませてコンビニのおにぎりを食べ終えた頃に七海は出てきた。顔は見ない。七海がドライヤーを浴びている間に歯磨きを済ませてベッドへと潜り込んだ。答えなんてわかりきっているくせにわざわざ「隣で寝ても良いですか」と尋ねてくるあたり性格が悪いと思う。なんて返してもどうせ好きなように捉えるんだろうし、機嫌の悪い唸り声だけを返した。
寝支度を整えた七海が軋ませるベッドの音が、妙に生々しい。背中を向けているから様子はわからない。パチ、と豆電球に変えられたのが少し癪に障る。これは私が好きな明るさだ。頭まで掛布団を被ると「おやすみなさい」と言われた。あー、いやだ、思い出したくないものを思い出してしまう。静かに「今でも愛しています」と付け加えられた。きっとさっきロビーで聞いた「私のことどう思ってるの」の返事だ。今更答えなくていい。「他の女性を宛がわれても、ずっと」ああうるさい、私は何も聞こえない。
▽△▽△
目を開く前から、もうすぐ起きる時間だとわかる。アラームが鳴る前にスッキリ起きられたのはいつぶりだろう……。何やら固いものに額と鼻先を埋めている、気がする……。徐に目を開けると、それが人の肩だということに気付いた。そして一拍遅れて私が仰向けで眠る七海の片腕を両腕でぎゅうと抱き締めて寝ていたことに気が付いた。ハッと意識が覚醒して顔をあげると、苦しそうに唇を噛んだ七海と目が合った。やけに顔が赤い。咄嗟に腕を離すと、七海の指が私の頬に触れようとしてすぐに戻っていった。そして小さく舌打ち。
「え、嘘、縛り……」
「……私からは指一本触れていません」
「ぁ……」
昨日確かに縛りは結んだ。そして今七海も私も五体満足ということは、つまり、ただ私が七海に抱き着いて寝ていたということになる。一気に顔に熱が集まっていくのが自分でもわかる。ベッドを飛び出してバスルームに駆け込んだ。何、どうして。抱き着いて寝る癖なんてないのに。なんでこんなことに。昨夜は寒かった?いや、空調がしっかり効いた部屋だった。じゃあなんで。七海と別れてから七海以外の男と寝たけれど、こんなのしたことがない。バシャバシャと顔を洗ってタオルで顔を拭きながらベッドの前に置いたキャリーケースから着替えをとってまたバスルームに戻った。ああどうして。どうしてこうなってしまった。心あたりがないわけではない。かつて私は七海にくっついて眠るのが好きだった。さっき目が合った七海は、髪を下ろしているせいなのか私が好きだった頃の七海によく似ていた。顔の熱がいつまでも下がらない。俯いてバスルームを出ると七海は既に着替えを終えていた。
「おはようございます」
「……うん」
「一晩中貴女に抱かれて幸せでした」
「変な言い方しないで。気持ち悪い」
「その反面気が狂いそうでした」
「……」
「言っておきますが縛りが無くてもキチンと耐えましたよ」
「どうだか」
その日の七海はいつもよりやけに強かったように思うけれど、その理由については深く考えないことにする。
▽△▽△
「復縁おめでとうー!」
「だめ、その勘違いは一番まずい」
朝から怪しい目隠しの男に謂れのない祝福を受けて気が重くなる。当の本人は「えっ?やってないの?ホテルに泊まったのに?ダブルベッドで一緒に寝たのに?」と心底不思議そうにしていて、ただただ帰りたい。
「なんで知ってんの」
「やっちゃった子が『部屋がダブルって2部屋って意味ッスよね……?』って聞いててフロアが沸いてた」
「……別にダブルベッドで一緒に寝たわけではないよ。ちゃんともう一部屋とって別々に寝た」
「ふーん。そう」
つまらなさそうにしてるから、きっと騙せた。「なんで知ってんの」だなんて認めるようなことを言ってしまったけれどきっと気付いてなんかないはず。
「なのに領収書は一部屋分しか出さないんだ」
「情報の小出しと同期いじめは良くないと思いまーす」
「後輩いじめはいいの?」
「いやいや、いじめられてるのは私。いつもいつも凄い圧なんだから」
「何を話してるんですか」
「……」
「復縁したんだって?」
「……。……はい」
「してない。当事者が嘘つかないで」
「一つのベッドで一緒に寝たんでしょ?」
「はい」
「七海」
「嘘ではないでしょう」
「でもやめて」
「やっぱ一緒に寝たんじゃん。やった?」
「一晩中抱かれました」
「それは、そういうのじゃなくて……!」
正確には抱きしめただけ、だけどそれはそれで問題だと思う。「あれは間違いで……」と口ごもる私に悟がキョトンとしているのがわかる。
「あれ?もしかしてヤリ逃げされてる?やだよ僕同期と後輩がそんなドロドロしてんの」
「身体目当てでも私は幸せでしたよ」
力いっぱい七海の背中を叩いて「私は嫌いだから」と吐き捨てるようにして走ってその場を後にした。
「嫌われてんねー」
「可愛いものですよ」
「ヨ!ストーカー!」
「そのまま無下限を解いていてください」
「ネクタイ巻くなって」