茶会夏祭り今日は夏祭りの日。この日のために新品の浴衣をおろし、着付け方も万全に。下駄は慣れないと痛いとの事なので草履に。ふふっ、今から楽しみです。セイアさん、ミカさんとの待ち合わせの時間まであともう少しなので出発しましょうか。
その前に持ち物の確認を…財布、ゴミ袋、化粧直しに必要なもの…うん、大丈夫ですね 持ち物確認をしていたらだいぶ時間が経ってしまいました…遅れないといいのですが
「ミカさん、セイアさん、遅れてしまいすいません。持ち物の確認をしていたら思いのほか時間を使ってしまい…」
「え〜、ナギちゃんでも約束の時間に遅れることあるんだ?」
「ミカ、そう煽るものではない。誰にだって遅れることはある。君にだってあるはずだ。」
「ミカさんは後でロールケーキの刑です。」
「それはそうと…ミカさんとセイアさんの浴衣、とてもよく似合っていますね。」
ミカは水色とピンクのグラデーションの浴衣。帯にはいつも着ている服についている青いリボンがちょこんとついている。
セイアは白い記事にユリオプスデージーの花が描かれた浴衣。ユリオプスデージーの花言葉は「円満な関係」
「そういうナギサも、よく似合っているではないか」
「うんうん、ナギちゃんもセイアちゃんも、すごい似合ってるね!」
ナギサは色が少し控えめのピンク無地に帯や袖にレースをあしらった浴衣。
「そんなに褒められると照れてしまいますね…いけません、もうすぐお祭りが始まってしまいます」
「じゃあそろそろ行こっか!」
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「来たはいいけど…すごい混んでるね…」
「2人とも、はぐれないようにしてくださいね。」
「ナギちゃんこそ、そういうこと言う人が1番はぐれやすいんだよ?」
「ミカさん…心配しているのにそのようなことを言うなら、迷子になっても探してあげませんよ」
「ナギサはこう言ってるがな、内心自分がはぐれないかと心配なのだよ」
「セイアさん!」
「おっと、言いすぎてしまったかな?この辺で黙っておくとしよう」
「はぁ…まあいいです、出発しましょう」
出発したはいいものの、りんご飴、かき氷、焼きそばなど様々な種類があって選べませんね…
たくさん種類があるとは知っていたのですが、ここまでとは思いませんでした。
「ねぇねぇナギちゃん、セイアちゃん、私りんご飴が食べたいな〜☆買ってきてもいいかな?」
「あ、私も気になるので一緒に行きます。」
「ふむ、私もたまには食べてみたいから行くとするか。」
「すいませーん、りんご飴3つください!」
「あいよ、3つで1200クレジットだ」
3人で400クレジットずつ出して、りんご飴を買いました。
りんごを丸々コーティングしているのですね。
それでは、実食といきましょうか。
「固っ…」
りんごなのに固いのは周りの飴のせいなのでしょうか…
「え、ナギちゃん大丈夫?私は普通に食べられるけど」
「ミカ、それは君の歯が強すぎるんだ。どれ、私も食べて…」
「噛めなくはないが固いな…ミカ、どうやって食べているんだい?」
「え〜?どうやってって、普通に噛んでるだけだよ?」
ようやく周りが少し削れましたが、歯が痛いですね…歯磨きはしっかりしているのですが…
「ミカさん、それは貴方の歯が強すぎるのだと私も思います」
「ナギちゃん失礼だな〜。でも少し強いかも…?」
そんな雑談をしながらりんご飴を食べ終えました。
少々固かったですが、とても美味しかったです。
「次は私からリクエストしてもいいだろうか。かき氷を食べたくなってな。」
「セイアちゃんいいね〜!私も買おうっと!」
「その、私は遠慮しておきます。シロップが甘いと聞いたので…ですが、1口ずつ貰ってもいいでしょうか?」
「オッケー☆」
「ナギサの頼みならばそれくらいの事は朝飯前だ。」
「すまない、かき氷を2つくれないか。私は抹茶味で」
「私はいちご!」
「はいナギちゃん、あーん!」
「ミカさん…少し恥ずかしいのですが…あむ」
「うん、少し甘いですが意外と美味しいですね…」
「でしょー?私、割と気に入ってるんだよね!」
「次は私のだほれナギサ、食べたまえ」
「セイアさんまで…はむ」
「こちらは少し苦い中に甘みもあってとても美味しいですね…私、この味は好みかもしれません」
「気に入ってくれて何よりだ」
「ナギサ、次はどこへ行きたい?ここまで私とミカの行きたい所へ行っただろう?」
「うんうん、ナギちゃんの行きたいところ教えて欲しいな!」
「それでは、あの焼きそば…?というものを食べてみたいです」
「すいません、焼きそばを3つください」
「3つで1350クレジットだよ!紅しょうがはいるかい?」
「紅しょうが…?辛いものでしょうか…?はい、私はいります ミカさんとセイアさんは?」
「うーん、私は遠慮しておこうかな」
「そうだね、私も遠慮しておこう」
「1つね!了解!」
焼きそば、一体どのような食べ物なのでしょう…
「辛っ!辛いです…麺は美味しいのに紅しょうがが…」
「あははっ!ナギちゃん大丈夫?それなら頼まなきゃ良かったのに!」
「いえ、何事も挑戦ですから いい勉強になったと思っておきます」
「…ちょっと待ってくれナギサ、口を開けて歯を見せてくれないか?」
「…?いいですけど…」
一体どうしたのでしょうか、セイアさん…急に口を開けて、だなんて
「ねえセイアちゃん、これって…」
「ああ、そうだな」
「その、私の歯に何か付いているのですか…?」
「…ナギサ、言いにくいが青のりがついている」
「っ!?///早く言ってください!」
青のりが歯についていたなんて…本当に恥ずかしい
「でも、美味しそうに食べてるから言うのも悪いかなって…」
「家に帰って歯磨きをすれば取れるだろう。少しの辛抱だ」
「ですが…」
その時、チャイムが鳴りました。これはなんでしょう…?
「お祭り運営委員会からのお知らせです!1時間後に打ち上げ花火大会を開催します!お城の近くで打ち上げますのでよろしければ見に来てください!」
「わ〜!ナギちゃん、セイアちゃん、打ち上げ花火だよ打ち上げ花火!みんな場所取りに動き出してるから私たちも早く行かないと!」
「ですが、まだ焼きそばが…」
「もー!早く行かないと場所無くなっちゃうよ!場所取りしてから食べればいいから!」
「そうですね…では、出発しますか」
打ち上げ花火があるということは、祭りが終わりに近づいているのですね…この楽しい時間があと少しで終わると思うと、少し寂しくなってきました。
「う〜ん!いい場所取れてよかったね!ナギちゃん、セイアちゃん!…あれ?セイアちゃん、ナギちゃんは?」
「わからない、ここに来た時にはすでにいなくなっていた」
「え、それってはぐれたって事!?どうしよう、今から探しに行ってくる!セイアちゃんは待ってて!」
「いや、私も一緒に行くよ。一人で見たって何も楽しくないからな。」
「ミカさんとナギサさん、どこへ行ってしまったのでしょうか…」
いえ、この表現は適切ではありませんね この場合、私がはぐれたというのが正解なのでしょう
闇雲に歩き回っても仕方が無いので、本部に行くしかないのでしょうか…
「痛っ…」
人混みに巻き込まれて足を挫いたみたいです 本部まで、まだ距離があるのに…
「お祭り運営委員会からお知らせです 聖園ミカさん、百合園セイアさんとお祭りに来てはぐれてしまった桐藤ナギサさんを見かけた方はいらっしゃいますか?服装は少し控えめのピンク無地に帯にレースがあしらってある浴衣です。見かけた方、またはご本人がこの放送を聞いていたら本部へ来てください 繰り返します━━━━━━」
私は、この放送を聞いて痛む足を引きずりながら本部へ向かった。
「とりあえず放送はお願いしたけど、ナギちゃん大丈夫かな…」
「心配する気持ちはわかるが、落ち着いていないとナギサに会った時に不安にさせてしまう可能性がある」
「セリアちゃんはナギちゃんが心配じゃないの!?」
「そうは言ってないだろう、私だって心配はしている」
「…あの、すいません、本部は…ここでしょうか…」
「ナギちゃん!?ごめんね、はぐれちゃって!って…足、どうしたの?」
「いえ、少し挫いてしまったみたいです、少し休めば良くなるかと…」
「ナギサ、怪我なら早く冷やした方がいい長引くと厄介だ」
「セイアちゃんの言う通り早く冷やさないとだよ!」
2人とも、優しいですね…自然と、涙が零れてしまいます
合流出来て嬉しいはずなのに…
「その、ごめんなさい…3人で、一緒に、花火を見ようって言ったのに、見ることが出来なくて…」
「ううん、ナギちゃんが無事ならそれでいいから!」
「そうだな、ナギサに何事もなくてよかったよ」
「お祭り運営委員会からのお知らせです桐藤ナギサさんと合流することが出来たようです。しかし、花火を見れなかったとのことなので、サプライズで最後に大きな花火を打ち上げます!一緒に3からカウントダウンをお願いします!」
「行きますよー!」
「「「3!」」」
「「「2!」」」
「「「1!」」」
「「「た〜まや〜!」」」
「今日はハプニングがありましたが、楽しかったですね」
「そうだね〜、青のりが歯についちゃったり、はぐれちゃったり!」
「だけど、それもいい思い出だろう。」
「そうですね、叶うなら次の夏祭りもこうして3人で一緒に行きたいですね」
「叶うなら、じゃなくて絶対行こうよ!私、すっごく楽しかったし!」
「そうだね、私もすごく楽しかった 正直帰るのが惜しいくらいに」
「ふふっ、私も同じ気持ちです」
来年だけとは言わず、祭りだけでなく何回でもこうして遊びに行きたいですね