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    minagi_pw

    文章 @minagi_pw

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    minagi_pw

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    フラウロスとアンドラスの今の状況
    ソファーに座っていたらフラウロスが近寄って来てキスした後に、何事もなかったかのような顔で通りすぎて行った
    https://odaibako.net/gacha/609

    #フラドラス
    floodlass

    「おや、フラウロス。キミ、出かけたんじゃなかったの……」
     か、とアンドラスは最後まで聞けなかった。
     なにせ唇を塞がれたので。
     彼の手が、アンドラスの肩越しにソファの背もたれを掴まえる。むに、と軽く押し当てられる、少しカサカサな唇の感触。
    「……」
    「…………???」
     思わず持っていた本を取り落とした。近すぎて表情はまるで見えない。わかるのは目を閉じていることだけ。前髪がかかる。影がかかる。くっつけあってふれあうだけの、彼にしてはめずらしい区分のキスだ。漏れ出る吐息からお酒の味はまだしない。
     たっぷり一分ほど経って、軽いリップ音と共に解放された。
     なんだろう。離れていく彼の唇を目で追いながら、ぼんやりとアンドラスは考えを巡らせる。いつニヤニヤと笑い出してもおかしくない表情が今日は静かで不思議な気持ちだ。別に悪戯をしかけたわけではないらしい。意識してした行為かすら怪しかった。ただそこにあったからした、みたいな。
     俺の唇が。
     じゃあもっと、と。
     期待に薄く開くと、ばちりと気怠げな視線と目が合う。
    「…………ねえ、」
    「おいフラウロス、忘れモンあったかー!?」
     誰かが呼んだその声に、フラウロスはフッと顔を上げた。彼の膝が下り、ソファの座面が元の形に戻る。それからフラウロスは、おおとかああとか返事をすると、面倒そうにガシガシと頭をかいた後くるりと踵を返して出ていってしまった。

     残されたアンドラスは少し考えて、本を拾って、でもあまり読む気にもなれず指先で唇をなぞりながら早く帰ってきてくれないと困るな、と思った。
     続きが楽しみだった。
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    minagi_pw

    TRAINING文舵② 事後のキダ
    どっち視点か伏せる縛りもやってる
    文舵 練習問題②:一段落〜一ページ(三〇〇〜七〇〇文字)で、句読点のない語りを執筆すること(段落などほかの区切りも使用禁止)。

     ふと目が覚めても天井はまだ暗くぼんやりとした常夜灯の灯りだけが寝室の輪郭を浮かび上がらせていて当然カーテンに覆われた窓の向こうでも朝が顔を覗かせた様子はひとかけらもなかったのでロトムのいない今スマホの光で目を焼かずに現在の時刻を知る術はベッドサイドに置いてある時計だけが頼りだとなんとか見えないものか目を凝らしてみたものの暗がりで見えるはずもないデジタル数字の代わりに視界に入ってきた隣でこちら側に丸まるような体勢ですやすやと寝息を立てて眠っている男の整った顔立ちに思わず目が留まりついその髪をそっと撫でるもののいつもの安らぎと胸の詰まるような情の感触はなく昨夜の情事とは別の意味で自分の心がひどくかき乱されていることに落ち着かなくなってしまい思わず温かな手をぎゅっと握ったその原因はもちろん自分自身にあり自分がこれからこの男に告げようとしている言葉にあり長いチャンピオンの無敗歴に終止符が打たれた今自分がガラルを離れるつもりだと言えばこの男は何と言うのだろうどんな顔をするのだろう引き止めたりするのだろうかという疑問によるものであったのだがしかしその問いはいささかすっとぼけすぎではないかと思わないでもなくそのことを告げた自分をはっきりと想像したときこの男は微かに笑って寂しそうな顔ひとつ見せずに背中を押して自分を送り出すのだろうと確信を持って言えるほどにはライバルとしての付き合いは長くそしてその長さに甘えて自分がこの男の元を離れようとする夜明けまであともう一眠りできる時間が恨めしくもありたまらなく抱きしめた体温をまだ享受していてもいいのだと僅かな安寧を感じもするのだ。
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    minagi_pw

    TRAINING文舵①-1 キダ
    文舵 練習問題① 問1:一段落〜一ページで、声に出して読むための語り(ナラティブ)の文

     すかっ、と愛想のない音を鳴らして空気だけを吐き出したシャンプーボトルに、ダンデはあれと首を傾げた。すかっ、すかっ。どれだけポンプを力強く押せども、ダンデの上向きにした手のひらには、シャンプー液の溜まる気配が一向にない。ボトルを振ろうと手を伸ばせば、持ち上げた時点でそれは既に軽いのだった。ダンデは少し思案する。ぽたりと髪先から水滴が落ちる。取れる道は二つに一つだ。このままシャワーだけで済ませるか、それとも——。そこでダンデは棚の隣に並ぶ、細かく英字のプリントされた半透明のボトルに目をやった。よくわからないがおしゃれそうなそのシャンプーは、もちろんダンデのものではない。持ち主はダンデの同居人だ。常に人の目に好ましく映ることを意識するその同居人の髪を、サラサラのツヤツヤたらしめている第一人者がそれだった。その同居人はダンデにとって、生活と人生とその他諸々を共有している相手であり、なので自然、シャンプーの共有もなされてもよい——むしろなされるべきであるように今この瞬間には思われた。あとで断りを入れるつもりで、ダンデはとろりとした液体を手のひらに広げわしゃわしゃと髪を泡立てる。漂うのはベッドの中でよく知る香りだ。髪をざあっと洗い流し、ちゃぷん、と湯船に足先から浸かると、あふれず風呂釜のふちぎりぎりでとどまった水面からも知っている入浴剤のにおいが立ちのぼる。体がじわりと火照るのは、湯加減が熱すぎるからだけではなかった。
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