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    ピヨコ

    護衛組がすき。
    絵は⚔⚡多い、SSは⚡⚔
    元々⚡⚔民ですが、近頃は⚔⚡なのです。

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    ピヨコ

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    セベシルワンドロ「独占欲」前の事だが移動授業の際に、俺に声をかけてくるやつがいた。
    クラスは違うし、寮も違う。
    カリムにも「知り合いか?」と聞かれたことがあったが、知らないと答えると、「まぁ、名前なんて知らなくとも、ここのやつ皆いいやつだよな!」と笑うので、そんなものかと解釈していた。

    気がつけば、その生徒はいつの間にか姿を現さなくなったのだ。
    今となっては名くらい聞いておけばよかったと思ったがセベクには「そんな必要はない」と何故か怒られてしまった。

    あまり印象に残る生徒ではなかったが、楽しく会話をしてくれた。
    俺が眠ってしまう事も親身に聞いてくれ、眠った時は連れて帰ってくれるとまで言ってくれた親切なやつだったのに。

    どうしてしまったのだろうか?



    ーーーー話は三日前に遡る。

    部活の時間になってもシルバーが部に出て来なかった。
    その日はあまり天候が良くなく、いかにも雨が降りそうであった。
    リドル先輩の、どこか野外で寝ているのではないかと心配している姿を目の当たりにし、しょうがなく僕はシルバーを探しに出ることにした。
    あ、く、ま、で同郷のよしみとして探しに出たのだが、たいていは中庭にあるどこかの樹の下で眠っていることが多いので、そのあたりを探し回っていた時に少し離れた大きな樹の近くに人影がよぎった。

    シルバーか?

    と思い、その人影を追うがなんせこそこそとあたりを見回し不自然な動きをしていた。

    体格からしてシルバーとは違った。
    もしかして、刺客か?

    妖精族の眼と耳は非常に長けている。
    半分とはいえ、僕もその能力には多少長けているので遠目からそちらの様子を伺うと、そいつとは樹のそばで横たわっている人間を観察しているようだった。

    物陰で良く見えなかった分、耳を澄ます。

    するとーーーーーー


    「どんなに触っても何しても起きない‥やはり本人や周りが言ってたことは本当だったんだ」

    何の話だと首を傾げていると‥

    「こんな綺麗な人初めて見たときから欲しいと思ってたんだ‥シルバーくん、起きないのなら‥少し、構わないよね」


    男はシルバーに覆いかぶさると、顔をゆっくり近づけ‥今にも顔と顔が触れそうになっていた。

    僕は
    駆け出していた。

    こいつは、シルバーに、まさか


    「貴様何をしているッ」

    「ひぃ」

    すぐさま警棒を相手の首元に押し付けて、後ろの襟元をぐっと掴みあげた。

    顔を見たとき、ハッと気づいた。

    こいつは‥。

    僕が教室移動や放課後に、良くシルバーに話しかけていた男で、シルバーに聞いてもよく知らないが話しかけてくるやつだと聞いていた。
    まさか、シルバーの事が好きで、つきまとっていたとは‥

    何故か、胸のあたりにモヤモヤとくすぶったものと怒りが湧いてきた。


    「貴様‥二度とシルバーに近づくな。もし、近づいたら、どうなるかわかっているんだろうな」

    本当ならば殺してやりたいくらいの感情が湧いているが一般人にそこまでは言えない。しかも、僕とシルバーは‥ただの同胞なのだ。
    だが、なんとも言えないもどかしい気持ちを胸にしていた。

    ぐっと力強く警棒を押し当てると、
    相手は何もしないと言い残し逃げるようにその場を立ち去った。


    僕はというと‥、眠っている男を見下ろし、このなんとも言えない気持ちを雨が頬に触れるまでじっと考えて続けていたのだ。
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    osasimibontan

    DONE☆バパロカヴェアルの前日譚的なもの。
    先日頒布した同人誌の前日譚で、時系列でいうと、物語開始の一週間前です。本編を読まれていなくても読めます!!

    常連客の🏛️のことが気になりすぎて、話し掛けたいけど話し掛けれらずに悶々とする、店員🌱の話。
    本当は親書メーカーの画像で投稿するつもりが、長くなり過ぎたのでポイピクにしました。全年齢なので安心してくださいませ!!
    君に届くフローチャートは? 金曜夜、時刻は二十時。
     普段は十八時ごろから客足が増加する、このスターバックスコーヒー。
     しかし華の金曜日である今日、日々勤勉に働く社会人はバーやレストランで羽を伸ばすらしい。そのためか、この曜日だけは毎週二十時以降になると人が混みだす。
     とはいえ、ここの店舗は都心の駅だとしても、末端に配置されている地下鉄の隣にあるため、もはやその地下鉄を利用する者しか立ち寄らない。
     いつも空いていて余裕があり、混雑しても他の店舗に比べれば少し忙しいくらいだ。
     ここで働くには人によっては退屈で、時間の流れが遅く感じるとストレスに思う者も居るとは思う。
     だが、アルハイゼンにとってはこの環境がとても心地よい。
     その結果、三年間無理なくルーティンとして、このアルバイトを生活に組み込むことが出来たのだ。
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