警察学校時代に女子に頻繁に告白されても断るばかりで彼女作ったことなくて、モブに「降谷お前彼女作りたいとか思わねーの?」って聞かれて「別に思わないな。景といる方が楽しいし」って平然に答える降谷に、「まぁ降谷ならイケるよな綺麗な顔してるし」「確かに」って何故か話の話題が逸れていって「降谷お前諸伏のこと好きなのか?」って聞かれてきょとんとする。「?当たり前だろ?」って答えて呆れ顔される。すると用事でいなかった景が戻ってきて「何の話してたの?」って聞くから「降谷が諸伏のこと好きって話」「え?俺もゼロのこと好きだよ」って返すとふふんと自慢げにする零。
部屋に戻って零は「お前諸伏のこと好きなのか?」って聞かれて胸を押さえる。(僕恋愛対象男なのか?それとも景だから?)と気になって松田と萩原に相談。(←萩は恋愛に詳しいから。松田はおまけ)
「もう1回言って?」「だから、僕って男が好きなのかなって」「どうしたんだ?急に」
これまでの経緯を話す。
「なるほどね〜」「単純かよお前」
「うるさいぞ松田」「あぁ?!」
「まぁまぁ陣平ちゃん…」
萩原は顎に手を当てながら、んーと考える。松田は幼馴染が考えることを察したのかジト目で見ている。萩原は笑顔で告げる。
「んじゃさ、俺たちとキスしてみよ」
「おい、萩っ!」
「き、す、?」
「だってさ恋愛対象が男かもって悩みなんでしょ?俺たちと出来たら恋愛対象が男ってことじゃない?」
「んな無茶苦茶な、、」
「俺たちだったらまだ気心知れてるしさ」
「君達は恋愛対象が女性だろ?僕とできるのか?」
降谷は萩原の提案に困惑する。松田ははぁと溜息をつきながら「萩は1回言うと聞かねーからなぁ、まぁして見りゃいいんじゃね?」
どっちからする?と萩原が松田に聞いている。どっちでも良くね?と答える松田と完全に置いてけぼりの降谷。
「僕、キスしたことない…んだけど」
「さすがに俺達がファーストキス奪っちまうのはな〜」
「ゼロ、お前ファーストキスの相手気にするタイプなのか?」
「え、いや。そういうのはよく分からない」
そうか。と言うと松田は降谷の頬に手を当て近づいて来る。降谷は松田の顔を不安げに見つめる。萩原はニヤニヤして二人を見ている。
「おいゼロ、目閉じろ」
「え、?あ、あぁ」
と目を閉じる。2人の唇が近づき触れるーーと思った瞬間コンコンと扉をノックされる。
すると景が入ってきて目の前で起こっている光景に目を見開く。
「あ、あ〜諸伏ちゃん、、これはね」
「ねぇ、何してるの?」
「ひろ?」「諸伏か」
降谷からは背後に立っている景の表情は見えないが横にいる萩原の顔が焦りを見せている。心做しか景の声もいつもより低い気がする。松田はまぁこうなるわなと呆れ顔で降谷の頬から手を離す。手が離れたため後ろを見るといつもニコッとしている景の顔がムスッとしている。
「景?どうかしたのか?」
「え?降谷ちゃん?」
「はぁ?こいつ鈍感ちゃんかよ」
松田と萩原に信じられないという顔をされて首を傾げる。するとぐいっと景に腕を引かれ、気づけば景の胸の中にいた。あれ?景ってこんなに、、。
「何をしてたかは聞かないけど、さすがにだめ」
「ごめんね諸伏ちゃん」
「ったく。そんな顔すんならとっとと言っちまえよな」
「???」
3人が何の話をしているか分からず相変わらず首を傾げ頭に?を浮かべる降。景は眉を下げて扉に向かう。
「頑張ってね〜」
「もう変なこと言うなよ」
「ほら、ゼロ行くよ」
「え、あぁうん。」
景の部屋に連れていかれてベッドに座らせられる。横に座る景は少し怒ったような顔をしている。
「景?何か怒ってるのか?」
「ねぇゼロ、さっき松田と何しようとしてたの?」
「え?何ってキスしようと、」
「どうして?松田のことが好きなの?」
その問いかけに頭を横に振る。「じゃあどうして?」
「それは、、」とまた経緯を話す。景の事は省いて。
すると深くため息をついた景が頬に手を添えて降谷を見る。
その顔になぜだかドキドキする。松田の時はならなかったのに。
「その相手俺でも良かったよね?」
「え?」
「どうして俺に相談してくれなかったの?」
少し悲しそうにする景。
(景にそんな顔をして欲しかったわけじゃない。でも、景のことが好きかもしれないなんて言えない。だから恋愛対象が男かもって言った。萩原は偏見ないって言ってたから話した。景に話して離れていくかもしれないって怖かった)
段々悲しくなってきた降谷は目尻に涙が溜まる。
それを見た景は目を見開いて、ごめんね?責めたかけじゃなくて、ええと?だからね?と慌てている。その姿に少し嬉しくなる。景は僕が何を言おうと離れていかないよな。バッと顔を上げると焦る景と目が合う。少し息を吸って大きく吐いた。
「ひ、ひろ!」
「は、はい!」
「僕…景のこと好きかもしれないんだ」
「え?」
驚いている景を他所に僕は話続ける。
僕は俯きながら話す。手も声を少し震えている。
「それで、景のことが好きなのか、単に恋愛対象が男なのか気になって、、それで、、」
「ゼロ」
呼ばれると同時に抱きしめられる。景の胸の鼓動が激しく鳴っている。景どきどきしてる?
僕の鼓動もバクバクと鳴っている
吐く息も熱くなっている気がする
何も考えられない頭で景の言葉の続きを待つ。
「ゼロ、俺はゼロの事恋愛対象で見てるよ、ずっと」
「え?」
「小学生の時からだよ」
「そんなに前から?」
「最初はヒーローみたいだって思ってたんだ。でもゼロの笑った顔とか、やんちゃしてるとこのとか見てさほっとけないなって思い始めてからかな?気づいたら目で追ってた」
か僕を好きになった経緯を話す景はすごく優しい顔をしていて愛おしいものを見つけたような顔をしていて、それが全部僕に向いていると思うと顔が赤くなる。「この気持ちは言うつもりなかったんだ…。ゼロの隣に居られるだけで良かったから、、でも」
僕の頬に触れていた指先が頬を撫でる。それが擽ったくて目を細める。
それから景を見ると少し悲しそうに眉を下げている。
「ゼロが松田とキスしようとしてて、、嫌だった。俺のゼロなのにって思っちゃった。」
「景、、」
「ねぇ、俺の事好きなのかもって思ってるならそれを、確かめる相手な俺にして、、っ!」
景の首に腕を回して景の唇に口をくっつける。初めてするから合ってるか分からないけど、触れた唇が熱くなる。(景の唇すごく柔らかい、、)
気持ちよくて何度もちゅっちゅっと唇をくっつけて離す。顔を真っ赤にして驚き固まっている景に胸がきゅんとする。(景かわいい…)
「松田にファーストキスの相手は気にするのか?って聞かれた時は気にしてなかったけど、今なら分かるよ。初めての相手は景がいいっ、、、。」
「っ!!言い方っ!!///」と目をキッと釣り上げて怒る景。(初めての相手って言い方はだめだよゼロ)
「ねぇ、ゼロ好きだよ。俺の恋人になってほしい」
「うん…僕も景が好き」
景は嬉しそうに目を細めて顔を近づけてくる。僕は目をつぶって触れるのを待つ。ちゅっと唇が触れる。何度もしても気持ちいい、、と浸っていると唇をペロッと舐められる。
「っ?!、、っん」
恐る恐る口を開くと景の舌が入ってきて身体が跳ねる。どうしていいか分からず自分の舌に絡まる景の舌に自ら絡めに行く。息の仕方が分からなくて息が苦しくなる。生理的に涙が出てきて飲みきれない唾液が首をつたっていく。
「ふぁん、、っぁン、、んくっ」
「んっ、、はぁ、、、っ、ぜろ、かわいい、、」
「っん、、ふぁ、、っひ、ろ、、っ」
唇が離れて息を整える。生理的に流れる涙を景が拭ってくれる。僕はたれた唾液を拭く。
「ひ、ろ、、っはぁ、はぁ、」
「ゼロ大丈夫?」
「何でそんな慣れてるんだよっ!」
「え?!慣れてないよ?!初めてだし」
「初めてであんな大人なキス出来るわけないだろ!っ」
「ええ〜…」
「…でも気持ち、、よかった、、」
「!、、俺も」
一方、部屋に残された萩原と松田。
「諸伏意外と独占欲強ぇな」
「ハハッ…普段笑顔の人の怒った顔は怖いね〜」
「その感じで行くとお前も同じだろ」
「えぇ〜?どうかな〜?」
「あ、でも松田が降谷ちゃんとキスしそうになった時ちょっとジェラっちまったわ」
「は?」
真剣な顔している萩原の顔を見る松田。
「あ〜俺気づいちゃったかも」
「あ〜?何に?」
「俺、陣平ちゃんの事好きかも」
「っ!」
「なぁ陣平ちゃん、、俺とキスしてみない?」