眠い。そう感じる前にもう、まぶたは降りていて、いくら声をかけられてもなかなか起きることができない。そんな日々が続いて、いくらなんでも辟易していた。こんなに手強い睡魔に襲われたことなんて、今までにない。
「ふわぁ……」
鳴海は、今日何回目になるのか分からないあくびを漏らした。なんのために行われているのか鳴海には理解できない、防衛隊幹部と各部隊長の出席が義務付けられている定例会議の最中だった。多分、今話しているのは政府のお偉いさんで、今年度、防衛隊に割かれる費用だとか、期待する働きだとかを熱心に語っているらしかった。手元の無駄に多い資料の表紙を見れば、「討伐庁」とやたら強調された単語が目に入る。
「本当に、どうでもいいな……」
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