潜入せよ☆いばにゃん 茨+創「お久しぶりです、紫之氏」
「あっ!いばにゃん、お久しぶりです〜!」
「ええ。お元気でしたか?」
「はい!おかげさまで仕事のほうも順調で、楽しく過ごしてます」
「それは何よりです。早速なんですが、紫之氏。依頼を…」
「今日はじめにゃんって呼んでくれないんですか?」
「え」
「いつもは呼んでくれるのに…」
「……今日は、仕事なので」
「そうですね…ごめんなさい」しゅん
「………、じめにゃん」
「!はいっ、ぼくです!じめにゃん!にゃんにゃん♪」
「ゴホン!では、話を進めても?」
「はい!あ、お茶を淹れるので待ってくださいね」
「今度、AIの開発に関わる重要なデータベースを確保している人物が、盛大なパーティーを開くんです」
「パーティー!素敵ですね〜」
「ええ、ただ権力をひけらかす悪趣味な催しですが…。その人物に接触するために、潜入調査が必要でして」
「潜入、ですか。それならに〜ちゃんか友也くんが得意なんですけど…」
「いえ。これは、紫之氏……じめにゃんにしか頼めないんです」
「ぼくにしか…?」
「実は、」
──数日後
「だあぁ!鬱陶しい!ターゲットに接触するどころか近付けもしない!」
「ちょっと歩いただけでも声かけられますし、お誘いの列まで出来てましたもんね…」
「近寄る奴ら全員に武器を向けなかっただけマシですよ本当!」
「仕方ないですよ、いばにゃん美人さんですから!」
「…貴方も同じくらい、男どもに声をかけられていたでしょう」
潜入調査を依頼した時のこと。
『実は、その人物は無類の女好きでして』
『なるほど』
『男だけでは近寄ることはおろか、話しかけることすら出来ないそうなんです』
『難しい人なんですね』
『…そこで、殿下に…『男だと近寄れない?なら、女装でも何でもして情報を持って帰ってくることだね!』…と、言われまして』
『じ、女装!?』
『恥を忍んでお願いします。一緒に女装してパーティーに潜入してください』
『えっ、…ええええ!?』
「はぁ…。すみません、じめにゃん。想定よりだいぶ時間がかかってて…」
「大丈夫ですよ、気にしないでください!こう見えても体力はありますし、依頼は絶対成功させますから!」
「ありがとうございます…。少し涼んだら戻りましょう。今度は囲まれないように…」
「…そこの御二方。どうされたのかな?」
「!」
「あ…」
ターゲットのほうから接触してきて…みたいな。
ドレスやアクセサリーのチョイスは日和だといい。
『自分が毒を盛ったドリンクを飲ませますので、その隙にじめにゃんはこのUSBに…』
「(責任重大です…!しっかりやりますからね、いばにゃん!)」
変声器チョーカーか何かを首につける、または埋め込むなりで声も女性のものに。
茨はそれを装着。
「あれ、ぼくは付けなくていいんですか?」
「じめにゃんはそのままでも問題ないかと」
「あ、あー。…こんなもんですかね。どうですか?」
「素敵な声です!透き通る感じで、その声で話されたら聞き入っちゃいます」
「…ありがとうございます」
「あうっ…。いばにゃん、わざとやってますか…?」
「ふふ、すみません。ですが、練習も兼ねてますので」
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