Sempre Legato音楽好き風の素人注釈P3.
【ソワレ】
夜公演のこと。昼公演「マチネ」に対して使われる。午前中にやるのは「モーニング」。
【トゥッティ】
和音ではなく集団で同一の音を演奏すること。
【コールアングレ】
オーボエに属する別の楽器で、「イングリッシュホルン」とも呼ばれる。演奏中に2番オーボエ奏者が持ち替えて演奏する場合がある。略称アングレ。
「新世界より」の第2楽章で「遠き山に日は落ちて」のメロディの部分はコールアングレのソロ。
P4.
【G(ジー/ゲー)】
実音階での音名。階名では「ソ」、日本語では「ト」で表される。
【リード】
オーボエのような木管楽器についている、口に直接触れる振動体。クラリネットとサキソフォンはシングルリード、オーボエとファゴットはダブルリードと種類が異なる。木材なのでその日の使用を終えるごとに水洗いするのが通例。
【コンサートマスター(コンマス)】
第一ヴァイオリン奏者の首席、オーケストラの中のトップ。指揮者との意思疎通役。開演前に指揮者と握手するのが象徴的。
※女性の場合はコンサートミストレス(コンミス)
P5.
【エキストラ】
俗称は「トラ」。レギュラーメンバーではない演奏者を案件で契約する。
P7.
【スケール】
音階のこと。シンプルな全音階のひとつはドレミファソラシド。
P9.
【キー】
オーボエの穴を塞ぐための補助金属。ボタンも沢山ついていて細かい音の高さの調整を担う。
【タンポ】
キーが塞いでいる穴部分についているクッションのような消耗品。唾が溜まるところでもあり、使用量や経年により適宜交換が必要な箇所。
P10.
【オーバーホール】
分解点検修理のこと。長距離の移動による振動や、使用を酷使した場合、あるいは長期間使用していなかった場合の保守点検および修理を指す。
本体を隈なくチェックして全箇所修理するので期間と費用がそれなりにかかる。
P11.
【キャッスル】
かつて芸大の音校キャンパス内にあった学食の名前。なくなっちゃって悲しい。
P14.
【オケスタ】
オーケストラスタディの略。有名曲のオーケストラの各楽器の重要なパッセージのみを抜粋して曲集としてまとめてある楽譜のこと。オーディションでは大抵オケスタを演奏させられる。
P15.
【インペク】
インスペクターの略。団員のスケジュールの調整をする労務担当のようなもの。
専任でオケにいるのはビッグネームなど一部に限られ、多くは案件ごとに「木管インペク」などセクションの演奏家がその役割を兼務する事が多い。
P17.
【ヘッケルフォーン】
20世紀はじめに発明されたダブルリードの木管楽器。オーボエより1オクターブ音域が低い。製造台数が極端に少なくて、2000年代以前の日本には片手台数しかないとも言われていた。
P22.
【アレグロ】
音楽指示で「陽気に」「明るく」。転じて「速く」という速度記号と思われる場合が多い。
P24.
【ディミヌエンド(dim.)】
音楽記号で「だんだん弱く」の意。
【下吹き】
楽器の2番奏者。木管楽器の場合、他の楽器との持ち替えがあるのは主に2番奏者。
P25.
【コントラファゴット(※コントラ)】
ファゴットより更に音域が低く楽器本体が大きい。2番ファゴット奏者の持ち替えまたはコントラファゴットのみの演奏者がいる。木管最低音。
※コントラという言葉自体は最低音を指すものなので、コントラバス、コントラバスクラリネットなど、他の楽器にも使うのでファゴットのことは指さない。
ファゴット奏者がコントラと言うのでコントラファゴットになる。
【ギグバッグ】
背負って持ち運びができるタイプのソフトケース。
P26.
【オーケストレーション】
作曲した譜面をオーケストラ編成に書き直すこと。端的に「組織化」。
P28.
【上吹き】
楽器の1番奏者。トップ、ファースト、アタマ。高音域とソロがある。
P29.
【ボーカル】
ファゴットのリードと本体を繋ぐ金属の管の部分。
P34.
【倍管】
クラシック音楽のオーケストラに関する用語。主に2管編成の木管楽器の人数を2倍にして編成することである。
【セカンドアシ】
セカンドのアシスタントの意。トゥッティ(総奏)などでその手助けをするパート。
【スワブ】
楽器の筒になっている部分の内側にガイド(紐)を使って貫通させる布。湿気を取る。
P36.
【バンダ】
オーケストラで本来の編成とは別働隊で動くアンサンブル。イタリア語の「バンド」のこと。
幻想交響曲ではオーボエのバンダがいるのだとか。知らなかった。
【A(エー/アー)】
実音階での音名。階名では「ラ」、日本語では「イ」で表される。
P37.
【ワーグナーチューバ】
中音域の金管楽器、いわゆる特殊楽器。ホルン奏者が持ち替えで演奏する。「アルプス交響曲」以外でも「春の祭典」「中国の不思議な役人」など比較的多く使用されている。
P39.
【ユニゾン】
複数のパートが、同じ旋律を同じ音程で演奏すること。ハーモニーではなく全く同じ音というのがポイント。
P42.
【硬度計やニッパー、マンドレル】
リード製作で使用する道具の名前。スルーして大丈夫。