▅▅ 貧困街の夫婦の間に三男として生まれる。
この時の名前は▅▅。
母は売春婦、父は違法行為をして日々お金を稼いでいた。
▅▅はよく泣く子だった。
そのせいか、▅▅が生後2ヶ月になった時実の両親にダンボールの中に詰められて捨てられる。

捨てられる現場を見ていたストリートチルドレンの少年が▅▅を広い住処へ連れて帰る。
梓豪は青年たちを実の兄のように尊敬し敬愛していた。
1番の末っ子ということもあって梓豪は愛されて育った。
戸籍も学もない、浮浪者である幼子の集団。不便なことも多かったが梓豪はその家を愛していた。
実の両親に捨てられた梓豪にとって、その空間は紛れもない家族の温かみに溢れていた。

5歳
地元警察に目をつけられる。
兄がひったくりをしている現場を目撃されてしまい、追尾されていたのか住処がバレて、警察の手によってそこは放火される。
体の小さな梓豪は兄たちの助けもあり隙間から逃げることが出来たが、兄たちは家の瓦礫に押しつぶされて焼死した。
本当は兄たちを弔いたかったが現場に戻れば自身も捕まり逃がしてくれた兄たちに面目がたたないと判断した梓豪は住処に帰ることなく一人で生きていくことを選択する。

兄たちと生活している時はかなりおしゃべりで笑う子だった。

6歳
マンホールを住処とし一人で生きていた。
ある日の夜中、裏路地にゴミを漁りに行くと1人の少女が男と揉めていた。
男の身なりはよく金を持っていそうだったため、人助けだと言い訳をしてその男を殺し身ぐるみをはぐ。
少女も同じストリートチルドレンであったらしく、そこからマンホールの下で共同生活がはじまる。
・橄欖 カンラン
梓豪より年齢がひとつ上の少女。しっかりとしたお姉さん。
橄欖と共同生活を始めたことをきっかけに天烙、冥烙という双子の兄妹と文という幼子とも共同生活を送り始める。
何時しかそこが梓豪にとっての第2の家になっていった。

9歳
路地裏で死にかけている少年を見つける。
梓豪は自分が兄たちに助けてもらったのと同じようにその少年に手を差し出した。
・零
日本人であるらしく、中国語の発音があまり上手くない。初対面だと女の子に間違われるほど見た目が可愛らしい。
一応中国語の記述が出来たのでそれを梓豪に教授した。

橄欖、零、天烙、冥烙、文達と暮らしている間は自身が、稼がなければ、家族を生かして行かなければとかなり躍起になり無理な生活を送っていた。
だが兄は身寄りのない自分を愛して育ててくれた。だから自分もこの子達を愛して育てていかなければと昔に囚われていた節もある。
盗みはもちろん殺し屋身売りもとことんやった。
心が荒んで言っても、住処に戻った時「おかえり」の一言が聞こえれば疲れなんて全て飛んでいってしまった。

我尊愛に入ったあと、お金を貯めて橄欖達が住むことが出来る家を提供したり、ご飯を届けに行ったりとひっそりと交流は続いている。
兄が死んで以降不眠症に悩まされ1週間ほど眠れなかった梓豪を絞め技で無理やり眠らせるなどかなり強引な治療を橄欖は行った。そのおかげで梓豪は眠ることに対しての恐怖心が薄れ、今ではまぁ倒れる前には眠れているようになっている。
橄欖達の前では普通にご飯も食べるし普通に寝る。
多分もう少し我尊愛の皆と過ごしてたら、我尊愛メンバーの前でもご飯普通に食べたり普通に眠ったりするようになったんだろうなぁ…
梓豪が眠らないのは兄たちと住んでた家が放火された時自分は寝てて、もし起きてたら兄たちを救えたんじゃないかという後悔から。
ご飯を食べないのは一人で生きてきた時の警戒心が抜けきらないから。

あまり表には出さないが、梓豪は"家族"というものに囚われている。
実の両親には捨てられ、育ててもらった家族は自分を残して全員死亡しているからだ。