【うちよそ】玉の申し子【MHR】【事の経緯】
風神のイベクエが配信されたので、フォロワーのかぼぷりさんとようせんさんとマルチでひと狩り行こうぜという話になる→とりあえず準備運動(?)で、雷神討伐しに行く→イツキが雷神の龍玉をドロ→かぼさん「桐さんは玉の申し子なんですよ。よく出ますよね」桐「いや、玉は出ないですよ。よく出るのはタマミツネの逆鱗です」ようせんさん「なにそれうらやま」→本命の風神クエ2回行く→2回ともイツキが風神の龍玉ドロ→かぼさん「私は預言者だった」桐「流れが最高すぎたのでこれネタにします」ようせんさん「待ってます」
その結果がこちらの落書き。うちよそ創作に変換した(ほぼ)実録落書きです。いつも楽しい時間をありがとうございます!
【登場人物】
シズミさん:ようせんさんのメインハンター。ボイス4の元気なお兄さん。太刀使い。26歳。
ユキナリさん:かぼぷりさんのメインハンター。ボイス6の優しいお兄さん。双剣使い。26歳。
イツキ:桐箱のメインハンター。ボイス8の不愛想マン。弓使い。24歳。
各里のお子様とお名前、お借りしました。
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英雄が護る安寧の焔。カムラの里がそう呼ばれるようになりしばらく経った頃、里は今日も相も変わらぬ賑わいを見せていた。里を訪れた観光客や商人、そしてハンターたちは名物のうさ団子やリンゴ飴に舌鼓を打ち、美しい桜や景観を楽しんでいる。里の端にある集会所の屋外テラスでは、とあるハンター三人組が腰を下ろし、うさ団子の注文をしていた。
「オテマエさん、注文お願いしまーっす!」
「ニャア!」
そのなかの一人、シズミは喧騒の中でもハッキリ通る声で茶屋のオテマエを呼ぶ。三人分の注文を終えたところで、シズミの隣に座っているユキナリは懐から謹製お団子券を取り出した。
「券がありますので、使えますよ」
すると、シズミはバッと手で制す。
「いや待て!今日は俺のクエストに付き合ってもらうんだから俺がおごるのが道理だろ!!」
「別に気にしませんよ?(600枚以上あるので)」
「俺が気にするんだよ!!」
二人の向かいに座り、茶をすすりながら一連のやりとりを聞いていたイツキはやや呆れ顔で口を挟んだ。
「前に金欠って言っていなかったか?」
「ぐっ」
痛いところを突かれ、シズミはぐぬぬと唸った。現にシズミの懐は寂しいのが常であり、事あるたびにシズミのオトモアイルーは主人の浪費癖について小言をこぼしている。
「では、私の団子券を―」
「待て待て!カムラポイントならあるから!それで払うから!ユキナリはその券、閉まってこい!!」
シズミなりの矜持なのか、はたまたただの意地なのか、頑なに「俺がおごる!」と一点張りで譲らない。その様子を見た、ユキナリとイツキは互いにアイコンタクトを送った。静かに頷く。
「では、お言葉に甘えて」
「いただくぜ」
「おう!今日はよろしく頼むぜえ!」
今日、三人が集まったのはシズミの素材集めの為だった。目標は雷神と風神の各個討伐。
「よーし!行くぞお前らー!!」
うさ団子をさっさと食べ終えたシズミは愛刀を担ぎ、我先にと集会所を飛び出し船着場へと走っていく。
「ふふ、シズミさんの掛け声は士気が上がりますね」
「……否定はしねえよ。すぐ突っ込んでいくから危なっかしいけどな」
イツキの言葉にユキナリは苦笑する。シズミのあとを追い、龍宮砦跡に向かう船へ二人も乗り込んでいった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「「「あ」」」
三人の声が重なる。
イツキの手のなかで、今しがた雷神の亡骸から剥ぎ取ったそれが光輝いていた。
「雷神の龍玉か……」
「お見事です、イツキさん!」
「すげえじゃん!」
「どーも」
素っ気ない返事だが、イツキは手にした雷神の龍玉をまじまじと観察した後に大事そうに仕舞った。
「イツキさん、よく宝玉や龍玉が出ますよね。以前ご一緒した時もタマミツネの水玉を剥ぎ取っていましたし」
「いや、玉は滅多に出ねえよ。あとタマミツネでよく出るのは逆鱗だ」
「くぅー!!俺も一度でいいからそんな台詞言ってみてえー!!」
「なにか縁のようなものでもあるんですかね」
「さあな。でもマガイマガドの紫玉だけ出る気配がまったくねえんだよな……で、次は風神か」
「おう!素材が欲しくてな!帰ったらクエスト受注してくるぜ!!」
「よろしくお願いします」
「ん」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「なんでだーーーっ!!!」
龍宮砦跡にシズミの叫びが響き渡る。
「おお、これが風神の龍玉…!」
「初めて見たぜ」
イツキの手の上で、龍玉が神々しく輝いていた。風神討伐の報酬である。
「素材、揃いましたか?」
「いや、まだ爪が足りねえな。よし、次行くぞ次ぃ!!レア素材、剥ぎ取ってやるぜえ!!」
再び風神討伐クエストを受注し、その小時間後。
「なんんんでだーーーっ!!!!」
「素晴らしい…!やはりイツキさんは玉の申し子ですね!」
「…………」
イツキの手には再び以下同文。これには思わずシズミは頭を抱え喚いた。
「なんでイツキのとこに玉がいくんだよ!!なんで俺のとこのに来ねえの!!物欲センサーなのか!?」
シズミに問い詰められたイツキは数秒ほど考え込み、首を傾げた。
「……日頃の行い?」
「おいこら、イツキ!!どういう意味だ!!年下のくせに調子に乗りやがってこの~!!」
「その年下にムキになるなよ」
「そんな生意気な口利いて~!もう団子おごってやんねえぞ!」
「別に頼んでねえよ。毎回、毎回。シズミはまず、自分の財布の心配をしろ」
「まあまあ。必要な素材が手に入るまで付き合いますから、次行ってみましょう」
シズミとイツキのやりとりを特に止めず、次の狩猟に向けてユキナリは準備を始めていた。この二人が軽い言い合いをするのは今や日常茶飯事であり、気心知れた仲になったからだと、ユキナリは分かっているからだ。故に、止めに入ることはなく、ただ見守るたけだ。
「ユキナリ~!!お前ほんっといい奴だよな!!外見も中身もイケメンすぎるだろ!!心の友よ~!!!」
「ははっ、ありがとうございます。シズミさんこそ、今日も活気に溢れていて男前ですよ。先程の太刀筋も見事でした」
「だっはっは!!そうか!?そうかあ~!?照れるぜえ~!!」
「別のクエストを挟んで、また風神討伐に行ってみましょう」
「おう!」
「……」
二人の会話に耳を傾けながら、イツキはこっそりハッピーナツもちや金団あんもち入りの団子を注文し、幸運術や金運術を発動させた。しかしその日、結局龍玉を剥ぎ取ったのはイツキのみ。シズミの素材が無事にそろい解散となった際に、イツキは何を思ったのか「次は俺じゃなくて、サイと狩りに行くといいかもしれねえ」と斜め上の気遣いを見せ、シズミに髪がぐしゃぐしゃになるまで撫でられ、ユキナリはそれを微笑ましそうに見ていた。
余談だが、後日ヤコの緊急クエストでマガイマガドの狩猟に赴いたイツキは無事に紫玉を剥ぎ取り、ご機嫌だったとヤコはユキナリに語った。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
カムラの里に属するハンターのコミュニティ内では、こんな噂が流れ始めた。
『赤毛の双子ハンターの弟と狩猟に行く時は気を付けろ。奴はモンスターから逆鱗や玉をどんどん剥ぎ取っていく』
『赤毛の双子ハンターの姉を見かけたら狩猟に誘え。共に討伐したモンスターから逆鱗や玉が剥ぎ取れるかもしれない』
周りの幸運を吸いとる双子の弟。周りに幸運を振りまく双子の姉。嘘か真かはさておき、本人たちの知らないところで、そんな噂が一時期話題となった。
この噂が要因にもなって、しばらくイツキは狩猟に誘われることもなかった為、ゴコクから良い機会だからと長期の休暇を言い渡された。思いがけない暇をもらったイツキは、嬉々としてオトモたちと探索に出掛け、一週間以上里に帰ってこなかったとか。そして同じ頃、普段は屋外に出るのも億劫と言う集会所の受付嬢は珍しく三日ほど休みをもらい、どこか遠出をしていたとかなんとか。
一方、イツキの双子の姉のサイは、知り合いの新米ハンターのヤコやナデシコに付きっきりで狩猟に出ていた為、周りのハンターたちが指をくわえていつ狩猟に誘おうかと様子を伺っていたとか。イツキが長期探索で不在の間、サイと共に狩猟に出たシズミとユキナリが、逆鱗や宝玉を複数手にいれたのはまた別のお話。
噂も一時のことでいつしか話題にも上がらなくなったが、イツキの強運は健在で、ハンター仲間であるシズミとユキナリからは「玉の申し子」と今も呼ばれているらしい。
【おまけ】弊里狩水壁打ち
イツキが長期休暇に長期探索に出たら(休暇とは)ミノトさんと日程を合わせて、里の外で落ち合ってほしいという幻覚。フカシギ情報では「受付の仕事が休みの時に、カムラの近くにある温泉にヒノエさんとミノトさんがお出掛けする」とあったので、そこにイツキと行ってほしい、温泉デートしてほしい、むしろ私がミノトさんとしたい(強火)
温泉街で待ち合わせして、二泊してきたイツキとミノトさん。連日探索に出ていたイツキがいるので、初日は「まずは身体を休めましょう」と言われて宿でゆっくりしそう。温泉を堪能したり、部屋でのんびりしたり、美味しいご飯を食べたりしてほしい。ちなみにオトモたちも専用の宿とかに行かせておくので(幻覚&捏造&ご都合主義)二人きりで過ごすかな。できればユアミ装備とかテルマエ装備みたいな服装で一緒に温泉入ってほしい。モンハン世界の公衆浴場は、混浴がデフォだと思っているので。せっかくなら髪をアップで結っているミノトさんのうなじを見たいし、イツキのポニテも見たい。二日目は、観光地の醍醐味でもある食べ歩きをしたり、甘味屋でお茶をしたり、足湯に入ったりして、贅沢な時間を過ごしてほしい。最後は、各種お土産をたくさん買い込んで、里の皆に配りそう。そんな弊里ハン♂ミノの後日談の壁打ち。
そしてどうでもよい狩水的な補足を書くと、イツキが雷神の龍玉をじっくりと見ていたのは「雷神と共鳴したミノトさん」を思い出していたからとかそんな感じです。
お粗末様でした!