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    lvdeshanye

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    lvdeshanye

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    ⚠️非合意の描写あり 暴力表現はないです

    夜這い話を書いたときに、珍しく尚と性癖喧嘩しなくてあっなんか行けそう、尚視点で書けそう、と思ったやつを今回のお題に絡めて書きました。
    尚視点で書いたものの、心理描写がなくて分かりづらいかも知れない…。六たさんへの恋心に自覚があって、色々思い詰めて行動に出た尚さんのつもりで書きました。伝わってるかな…。お話書くのムズカシ〜!BGM:CHE.R.RY/YUI

    #尚六ワンドロ・ワンライ
    shorokuWandoroWangrai

    尚六ワンドロ・ワンライ 第22回お題「後朝」  明かりも持たぬままに、夜の闇をくぐり抜けて歩く。道中人に見つからないように、草を踏む音にも気を付けて歩くさまは、散歩と言い張るには些か厳しい。増してやここは自分の庭院にわではない。完全なる不法侵入というやつだったが、尚隆は歩みを止めなかった。

     わずかに軋む音をさせながら、漏窓まどから目的の房間へやに入り込むことに尚隆は成功した。ところが間も置かずに六太が姿を現した。他でもない、この房室の主は六太である。無論彼が居ることに不思議はないが、夜半を過ぎての訪問――それも無断での――を出迎えられるのは、尚隆には予想外だった。すでに眠りについているものと思っていたからだ。
     実際、既に牀榻ねまに居たのを起き出してきたのか、六太は被衫ねまきの上に一枚上掛けを羽織っただけの格好をしている。手燭を携えてこちらの房間に来たのは尚隆が入り込むのと同時、物音を聞きつけてやって来るには些か早かった。

    「起きていたのか」
     いつもの調子で明るく、しかし夜の静寂に紛れるように声を落として尚隆は尋ねた。六太はひとつ欠伸を噛み殺して、手燭を卓子の上に置いてから言った。
    「近付いてくる王気けはいがしたから。……こんな時間に何やってんだ?」
    「夜這いに来た」
    「は……?」
     尚隆の言葉が聞き取れなかったのか、あるいは意味が分からなかったのか、六太は間の抜けた声を上げた。尚隆は六太に大股で歩み寄り、一歩の距離に近付いたところで片膝をついた。

    「六太」
     名を呼ばう。戸惑った顔を下から見上げて視線を合わせる。いつものように、自信に溢れた笑みを浮かべて言葉を続ける。
    「海賊崩れを王に選んだお前の落ち度だ。どうか諦めてくれ」
     震える小さな手を掴んで、尚隆は自分の方に引き寄せた。




     漏窓からこぼれる月明かりが、眠りに落ちた六太の横顔を柔らかく照らす。無体を強いた相手の表情が今は苦痛に歪んでいないことに尚隆は安堵した。僅かな光に反射して淡く光る鬣を梳くように指をすべらせる。しばらく牀榻に腰掛けたまま、あどけない寝顔を眺めた後、尚隆はおもむろに立ち上がった。
     身支度を粗方終えたところで、髪を纏める紐が見当たらない。牀榻の周りを見渡して、六太の手に握られているのがそうだと気付く。そっと抜き取ろうとしたが、思いの他強く握られていて、逡巡ののちそのままにしておくことにする。代わりに、六太が使っていた帯を拝借する。
     ――衣衣きぬぎぬ、その言葉が浮かんで、尚隆は可笑しくて笑った。厚顔甚だしい奴だと、自嘲する。どうしようもない奴だ。一方的に奪っておきながら。
     おかしくて、どうしようもなく笑いが止まらなかった。




    おわり
     
     
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    lvdeshanye

    MEMO⚠️非合意の描写あり 暴力表現はないです

    夜這い話を書いたときに、珍しく尚と性癖喧嘩しなくてあっなんか行けそう、尚視点で書けそう、と思ったやつを今回のお題に絡めて書きました。
    尚視点で書いたものの、心理描写がなくて分かりづらいかも知れない…。六たさんへの恋心に自覚があって、色々思い詰めて行動に出た尚さんのつもりで書きました。伝わってるかな…。お話書くのムズカシ〜!BGM:CHE.R.RY/YUI
    尚六ワンドロ・ワンライ 第22回お題「後朝」  明かりも持たぬままに、夜の闇をくぐり抜けて歩く。道中人に見つからないように、草を踏む音にも気を付けて歩くさまは、散歩と言い張るには些か厳しい。増してやここは自分の庭院にわではない。完全なる不法侵入というやつだったが、尚隆は歩みを止めなかった。

     わずかに軋む音をさせながら、漏窓まどから目的の房間へやに入り込むことに尚隆は成功した。ところが間も置かずに六太が姿を現した。他でもない、この房室の主は六太である。無論彼が居ることに不思議はないが、夜半を過ぎての訪問――それも無断での――を出迎えられるのは、尚隆には予想外だった。すでに眠りについているものと思っていたからだ。
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    lvdeshanye

    MEMO白銀の仁重殿ショック、あれ衝撃でしたね…
    えっ、王様仁重殿自由に行き来出来ないの!?じゃあ今までたくさん二次で読んできた夜這いかける尚隆今後見れなくなっちゃう…?!?!って思わずそこ心配しちゃった。超シリアスな場面で。
    その時は尚隆は律儀に毎回許可とりそうだなって思ったんですが、今回は好き勝手入ってくる感じで書きました。
    はにわの書く失道ネタはすべて夢オチです。BGM:Le couple/sofa
    尚六ワンドロ・ワンライ お題「夜這い」 ふと暖かい気配を感じて、六太は目を覚ます。うっすらと目を開けながら帳の方を見やると、程なくして男が侵入してきた。
     男は片手で天幕を押し上げて、口元に笑みを浮かべている。
    「許可した覚えねーけど」
     些か不機嫌な声で六太が言うと、その男――六太の主である――尚隆は、気にしたふうもなく答えた。
    「警備が甘いな。庭の裏手だ、四阿あずまやのある」
     王と言えども勝手に仁重殿に入ることは許されない。何より麒麟の身の安全が優先される、言わば最後の砦なので、ここだけは王の権力の範疇外にある。六太の了承がなければ尚隆は入って来られない筈の場所だった。けれどどうしたものか、尚隆は度々こうやって、夜の闇を渡り六太の元を訪れる。普通に事前に知らせれば許可を出さないなんて事は無いのに、どうしてか黙って警備の目を掻いくぐってやって来ては、いたずらが成功したとばかりに笑っているのだ。
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