御手杵と篭手切江とおてぎね「ね〜おてぎねさん、どう思う?」
「……」
「御手杵さんってば、また朝寝惚けて抱きしめてきたんだよ」
「……」
「ご飯の時も口におべんとうつけて……」
篭手切がどんなに話しかけても言葉は返ってこない。しかしそれは当然のことであった。相手は『ぬいぐるみ』なのだから。
審神者から貰ったぬいぐるみ、それは篭手切の想い刀がモチーフになったものだった。綿の詰まったもちもちのぬいぐるみをつっつきながら、ただひたすらに今日あった出来事を喋り続ける。本物の御手杵は本丸の資材不足解消の為にずっと遠征に行ってるから、この『ひとりごと』が聞かれる心配はない。
「そういえばね、御手杵さんとお風呂で一緒になったら、絶対水の掛け合いになるから楽しいんだよ」
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