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    ytgr_9u

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    ytgr_9u

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    疲れていたので温度低めで甘めのおてこて書きました。

    #おてこて
    hand

    「おてぎねさん」
     俺の名前を呼ぶ声と共に、部屋の襖が開いた。
    「こてぎ、り」
     部屋に入ってきた篭手切は、何も言わないまま、布団を敷き終えたばかりの俺に向かって突進するように抱きついてきた。
    「おぉ? どうした」
    「ん〜〜〜」
     唸り声がお腹に響いてむず痒い。
    「篭手切ー?」
    「ぅ〜〜〜〜」
     篭手切がこうなるときは疲労が限界に近いときだ。心做しか、頭頂部にあるあほ毛も元気がないように見える。
     何かあったんだろうか。ああ、確か第2部隊は1週間出陣続きだったんだよな。
     当番表を思い出した俺は、そのまま篭手切の形のいい頭を撫でて、その小さな身体を潰してしまわないように優しく抱きしめ返してやった。
    「お疲れさま、篭手切」
    「…………」
    「風呂は入ったか?寝る支度は?」
     返事の代わりにぐりぐりと頭を押し付けられて、言葉になっていない呻くような小さな声で肯定を示された。
    「よーし、じゃあ布団行くぞー」
    「ん〜」
     篭手切に抱きつかれた状態のままでずるずると移動して、布団の上で篭手切ごと布団に包まった。
    「ほら、あったかいだろー」
    「……ぅ」
    「明日からしばらく休みだよな?」
     声を出すのも面倒になってきたのか、篭手切は静かに頷く。
    「今日は一緒に寝るかぁ」
     俺がそう言った途端、篭手切の身体が強ばった。
    「…………おてぎねさん、耳元でしゃべらないで……」
    「え、す、すまん」
     そんなつもりはなかったんだが、そういう風に意識されるとこっちも気まずい。
     変な空気になったまましばらく黙っていると、篭手切がおもむろに口を開いた。
    「……あした」
    「あした?」
    「おてぎねさんもお休みでしょ」
    「ああ」
    「…………あした、したい」
    「えっ」
     したい、って、この流れで……そういう意味でいいんだよな?
     俺が葛藤しているうちに、篭手切はすうと小さな寝息を立て始めた。
    「疲れてるくせに……」
     きっと寝ぼけてたんだろうと思い直して、俺は眠ってしまった篭手切のおでこに口付けを落とした。

     翌日、復活した篭手切は約束をきっちり覚えていて、片手では数えられないくらい身体を重ねた結果、2口とも戦闘とは違う疲労で動けなくなってしまったのはここだけの話だ。
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