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    saku2442

    pdl 荒新の字書き
    幸せな推しの妄想をするのが日課です

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    saku2442

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    荒新でピロートーク
    ということで事後ですので苦手な方はお気をつけ下さい。

     目の前の、丸くて形のいい頭へそっと手を伸ばす。普段はサラリと指をすり抜ける黒髪は、汗でしっとりと濡れていた。その髪を梳くよう、何度も手を動かすと髪と同じ真っ黒な瞳がこちらを見る。
    「なァに」
    「んー」
     曖昧に返事したら少しつり気味の目が、ふっと細くなり瞳は柔らかな色を映す。その目元へ指を滑らせると、今度は薄い唇がゆるりと弧を描いた。そのまま唇をなぞった指先は、靖友の指に絡め取られてしまう。
    「もしかして誘ってんのォ」
    「まさか、さすがにもう無理だって」
    「だよなァ、何回か飛びかけてたし」
     今度はからかうように口角を上げ、オレの手の甲へ唇を寄せた。ちゅっ、と可愛い音を立て離れた唇は、次にオレの唇へ同じように触れてくる。さっきまでの情事の時とはまるで違う、優しく啄むようなキス。伸びてきた腕にふんわりと包まれ、労るように腰を擦られる。セックスの後の靖友はひどく優しい。普段も充分優しいけれど、こういう時の靖友は壊れ物でも扱うかのようにオレに触れてくる。
    「だいじょぶか?」
    「へーき、靖友こそ……ほんとはまだシたいんじゃねぇの?」
    「そりゃ、……いやガマンする」
    「やっぱシたいのか」
     くすくすと笑いを漏らすと、靖友はバツが悪そうに目を逸らした。あまり見ることの出来ない靖友の可愛い姿に、胸がきゅんとしてしまうのは毎度のことだ。また靖友の頭へ手を伸ばし撫でると、不満そうな顔がこちらへ向いた。腰へ回されていた手に身体を引き寄せられ、ぎゅっと抱きしめられる。スリッと猫みたいに首元に頭を寄せられ、擽ったさに身を捩った。少しだけ出来た隙間が気にいらなかったのか、靖友は首筋に唇を押しつけてくる。
    「んっ」
     靖友にとっては、ただのじゃれ合いかもしれない。けれど完全に興奮がおさまったわけじゃない身体は、わずかな刺激にも熱を持ってしまう。
    「もう、靖友」
    「ン」
    「我慢すんだよな」
    「ちょっとくらいいいだろ」
    「ダメ、ちょっとじゃすまなくなる」
     靖友の胸を押しやり顔を覗くと、面白くなさそうな瞳と目が合った。
    「わーったヨ」
     ふいっと目を逸らし、靖友はオレの肩へ額を押し付ける。その拗ねかたもまた可愛くて、オレの口許はゆるゆると緩んでいく。お互いに求め合い混ざってしまえそうな、どろどろのセックスが好きだ。でも、こうして過ごすふわふわとした時間も同じくらい好き。靖友はもうちょっと遠慮してくれるといいのに。そこまで考えて、ふとした疑問が頭に浮かんだ。
    「なぁ、ガマンする時としねぇ時の差ってなんなの?」
     本当に純粋な疑問。受け入れる立場のオレは、いつも靖友に翻弄されてばかり。たまに主導権を握ろうとしても、必ず最後は逆転されてしまう。こうして事後に話が出来るか出来ないかは全て靖友次第だ。だから余計気になって尋ねるたら、顔を上げた靖友はなんとも言えない表情をしていた。
    「おまえさ、ぶっ飛んでる時って記憶あるか」
    「……あんまない」
     靖友の言うぶっ飛んでるは、オレがイキっぱなしで意識を繋ぎ止められなくなるやつだ。そういう時は、だいたい目覚めると朝になっている。ただ、自分がすごく乱された記憶だけはあるのが厄介だったりする。そこだけ覚えているのは恥ずかしくてしかたないから、どうせなら全部の記憶がぶっ飛んでくれればいいのに。
    「ヤベェんだヨ」
    「なにが?」
     首を傾げ問いかけると、靖友の瞳は明後日の方向を見てしまった。ふぅーと小さく息を吐いた靖友に、身体を引き寄せられきつく抱きしめられる。
    「靖友」
     頭を抱えられ見えなくなった顔に、靖友がいま何を考えているのかわからなくなってしまう。耳のすぐそばにある唇が開く気配がして、靖友は小さく掠れた声で喋りだす。
    「そん時のおまえ」
    「ん?」
    「ハンパなくエロいんだって」
     耳に届いた靖友の言葉に、一瞬思考が止まる。遅れて顔に熱が集まって、いたたまれなさで靖友の胸に隠れるように顔を押し付けた。
    「あの、なんとなくわかった。……から、もういいや」
    「自分で訊いたクセになに照れてんだヨ」
    「や、だって、そんなん言われると思わねぇだろ」
    「エロかわいい、とか?」
     そっと身体を離しオレの顔を覗いてきた靖友は、悪戯っ子みたいに笑っている。
    「……かわいいは付いてなかった」
     一向に引くことのない顔の熱を誤魔化すように口を尖らせると、靖友はいっそう楽しそうに笑う。
    「セックスしてる時のおまえ、マジかわいいぜ」
    「なっ、に言ってんの!」
    「ま、セックスしてなくてもかわいーけどォ」
     頭をくしゃりと撫でてきた靖友が、今度はふわりと笑ってキスをくれる。表情もくれたキスも全部が甘くて、ふわふわと蕩けてしまいそう。
    「靖友、好きだよ」
    「知ってるゥ」
    「うん。でも、オレ何回だって言う」
     柔らかな色をした靖友の瞳を見つめ、もう一度ゆっくり口を開く。
    「やすとも大好き」
     あまい、あまい微笑みを浮かべた靖友に抱きすくめられ、耳元で囁かれる。届いたその言葉にオレも靖友と同じくらい、あまい笑みを浮かべるんだ。
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    saku2442

    DOODLE大学生荒新
    お昼時にメッセージのやり取りをする荒新のお話。待宮さんも登場します。
    だって、君は特別。
     うどんを一口すすったところで、テーブルの上のスマホが震えた。すぐに止まったそれは、通知を知らせるためにピカピカ光る。箸を置き、代わりにそいつを手に持った。素早くロックを解除し、送り主を確認すると想像していたヤツからのメッセージ。
    『うまそうだろ!』
     その一言と共に送られてきた写真。そこには分厚いカツの乗ったカレーが写っていた。昼食にしては中々のボリュームだが、こいつなら平気で平らげるだろう。口いっぱいに頬張り、幸せそうに食べる姿を思い浮かべ自然と口元が緩む。
    『うまいからって早食いすんなよ』
     そう文字を打ち込んでから、テーブルへスマホを置き食事を再開させた。
     新開はこうして、自分の食べる物を撮ってよこすことがある。それ以外にも澄んだ青空、季節の花や路地裏の野良猫。何気ない日常を切り取ったようなそれらに、オレはいつも癒やされている。本音は恋人の写った写真の方がいい。けど自撮りが下手なこいつは、まともな写真をよこしたことがなかった。たまに福ちゃんが送ってくれる写真の方が、よっぽど上手く撮れている。
    2084

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