お前は妬かれていることに気づいているかな
オレの脇を通り抜け、ただまっすぐに前へ先へと力強く走り続けるお前は、まるで蒸気機関車のようだなと、まだまだ拙い鉄道知識で例えてみる。
次から次へとオレの焚口戸へ投入される黒い燃料にオレのスピードも上がっていく。
真っ赤に加熱して灰になっていくオレの正気。
加速する景色。
ブレーキは効かない。
お前から与えられるものならば、この胸を締め付ける苦しみさえ前へと進む原動力となるんだ。
まだまだ上がる速度のせいですぐに空腹となる胎へ、お前から与えられる全ての感情を放り込んでまた走る。
脱線なんかこわくない。
魂さえも燃やし尽くすまで、お前に向かって走っていく。
いつか些細なカーブすら曲がりきれずに転倒し、そのままそこでただの鉄の固まりになるのだとしても。
脱線なんか、こわくない。