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    ❄️→🔥i🧹を作ってみようと書き始めました。兄上生存IFになります。
    ❄️の立場としては自分の作品内の💎と似てるかもしれません。
    初めての試みなのでどこまで書けるかわかりませんが出来たらまた公開します。

    某日。兄上が任務の打ち合わせで昼間外出をし、その帰りに俺に美味いと評判の駅蕎麦の蕎麦を手土産に買ってきました。俺は今日の夕餉にしようと早速厨で鰹節と昆布で出汁をとっていたら兄上がやって来て、台の前に立つ俺を後ろから抱き締めて俺の尻に腰を擦り付けながら御館様から無限列車という名前のついた蒸気機関車に任務で乗りに行く指令を受けたと言う話を聞かされました。その日の夜、兄上はいつものように任務へ出て朝方帰宅しました。次の日も俺はいつものように兄上の無事を願いながら送り出したのですが何故かこの時だけは妙に胸騒ぎがしてならなかったのです。
    きっと大丈夫、と俺は兄上の無事を信じることにして家の中へと戻りました。
    駅に到着した兄上は乗車前に駅のホームにいた弁当売りの娘から駅弁を買い、黒煙を撒き散らして走る列車に揺られながら弁当を開いて優雅に舌鼓を打ち、夜闇で何も見えない車窓を眺めては鬼が現れるのを待っておりました。しかしこの列車、我が家にも届く新聞の記事に取り上げられる程不可解な事件の起こる曰く付きの列車でこれまた兄上が乗車した日に限って大事故を起こし現場は惨憺たる状況、死人は出なかったものの兄上は大怪我をして命からがら帰宅しました。兄上はそのまま玄関先で倒れて意識を失い一週間程生死の境を彷徨った後何とか一命を取り留め、俺は毎夜毎夜必死の看病をして数ヶ月後に漸く意識を取り戻したのですがその列車事故の時に現場付近にいたらしいまるでV系ロックバンドの様な桃色の髪に罪深い縞々のタトゥーを全身に入れ、古代印度人が身に付けていたどうてぃと呼ばれる腰布のような袴を履いた鬼が我が家の周辺に出没するようになりました。俺は今まだ弱っている兄上でも付け狙っているのかと思い、家の周りに藤の花の香料を撒き、太陽の光を反射する水の入った瓶を置いて鬼避けをするなどして対策を施したのですがこの鬼、どうやら鬼の中でもそこそこ強い立場にいるらしく俺の蒔いた香料では余り効果を得られていないようで、毎朝家の門前の角に栗や柿、松茸、芋、銀杏などの秋の味覚を乗せた葉っぱをそっと置いていくのでした。
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