まいにちのううらまとめ「寒い」
僕より厚着のくせして鼻を赤くしたイライが白い息を吐いた。
「…イライ、こっち向いて」
言われるまま此方を見た彼の頬に手を添え、愛してる、と呟いた後キスをする。顔を離せば耳まで真っ赤にしたイライがわなわなと震えていた。
「ふふ、まだ寒いですか?」
「うるさいっ!」
「やあイソップくん、これから試合かい?」
化粧箱を携えた彼に声をかける。何処と無く気怠げな雰囲気だ。
「えぇ、まあ…イライさんは帰ってきたところですか」
「うん。ファーチェからずっと動きっぱなしでね、流石に疲れちゃった」
そう言ってフードを外すと、イソップはすかさずそのフードを元に戻した。
「え、あの、暑いんだけど」
何食わぬ顔でイソップはゆっくりマスクを下ろして、私の耳元にその口を寄せた。
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