酔っ払ったパウリーが人気のない路地にルッチを誘う話知らない土地でイイ店を見つけるのは難しい。
予約しているホテルのルームサービスを利用すればいい。
ルッチの案をパウリーは却下した。
ウォーターセブンで育ったパウリーは出張などがなければ島から出ることはない。
行き当たりばったりでココだ!と直感で閃いた店に入るのが緊張感があり楽しいという。
ギャンブル癖が抜けないパウリーらしい理由だ。
ルッチがルームサービスの案を出したのはなにも土地勘がないことだけが理由ではない。
酔っ払った図体のでかい男を部屋まで運ぶのが面倒くさいのだ。
「言わんこっちゃねえ」
心の中で囁いたと思っていた苦言は音となって漏れ出ていた。
酔っ払った図体のでかい男が千鳥足でホテルへの帰路を進む。
肩を貸してやってもいいがルッチからのストレートな善意をパウリーはよく拒絶する。
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