死刑囚ちゃんの設定コレー
その女は見た目を17歳の姿で止めた魔女であり、実のところの年齢は不明である。
ある日、空に現れた巨大な魔法陣と共に現れたその魔女。世界の禁忌である時空転移を行い、その衝撃と共に街一つ滅ぼし、次に地下深くに封じられていた災厄を解放しようとしたところで取り押さえられた。
コレーは観念したのかなんなのか、強力な術式を使い滅んだ街を再生させ、厄災を再び強く封じ込めた。だが街の再生と共に行った人々の蘇生はやはり禁忌であったがために罪を重ねてしまうことになった。
結果コレーには死刑が言い渡された。あっさり脱走してしまうかとも思われていたが、牢獄の中で数々の問題を起こすだけで特大問題行動は起こさなかった。
例えば三時のおやつをねだる。例えば囚人服を着せたと思いきやいつの間にか私服を着ている。例えば何をされようとも動機を露わにしない。これらを看守たちが受け入れていれば何も問題は起きない。
そう、何も。
本名:メテル・ガヴラス(旧姓アディンセル)
──ねぇ看守さん。あなたに秘密にしていたこと、教えるわね。
私はあなたの未来の花嫁。あなたを殺すために未来から来た。
死刑執行の直前、|コレー(乙女)は一人の看守によって脱獄を果たした。
脱獄した先でとうとう彼女はその看守だけに動機を披露した。
──あなたは私と結ばれ、ある程度の幸せを築いた後で死ぬのよ。
私は寂しくて、寂しくてね。あなたのお家に伝わる魔術に手を染めた。
でもそれだけじゃ足りなかった。足りなかったから、もっといろんな魔術に手を染めて。
私は未来でいつしか崇拝される魔女になっていた。
信者たちであなたがいない寂しさを埋めた。この時間に来た時よりも世界をめちゃくちゃにして、信者たちと騒いで。最初は良かったの。
でもやっぱりあなたへの寂しさは埋まらなかった。どれだけ誤魔化そうともあなたへの愛は止まらなかった。
そしてあなたのお墓の前に立った時に思い立ったの。
あなたを私の手で殺せば、私の腕の中にずっと居てくれるのでしょうって。
ねぇソテル。私あなたのことを本気で殺そうと思ってたのよ?
でもあなたを見た時ね、もうその気が無くなっちゃった。あなたのことが愛おし過ぎて、あなたの瞳が無垢すぎて。
少しでも長く生きて一緒に居たいって思ったの。
だから、ね。一緒に逃げてくれて嬉しいわ、ソテル。愛してる。愛してる。
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ややこしいから未来の死刑囚ちゃんはコレーちゃん、この時空のちゃんとしたうちの子をメテルちゃんって言うね(これですらややこしい)
時空を超えた時に滅んだ街にこの時代のメテルちゃんが居た。
本当の身体は時空転移時に衝撃と一緒に滅んだけど、メテルちゃんには瞬時に結界が貼られていて死ぬことはなかった。
コレーちゃんはメテルちゃんに自分の精神を移し、この時にメテルちゃんの精神は死滅。
結果的にコレーちゃんの肉体とメテルちゃんの精神が死に、コレーちゃんの精神がメテルちゃんの身体にあるという構造ができた。
服はコレーちゃんが未来で着ていたものでメテルちゃんのものではない。けど、サイズがぴったりなのはコレーちゃんがこの時の身体を未来でもずっと使っていたから。
もうすぐソテルくんに会うところだったんだろうね。好きになってくれた自分の身体を維持したかったんだろうね。
牢獄の中で服を着ていたのもソテルくんにかわいいって思って欲しかったからだろうね。