「晩メシ、どうすっかなぁ」
残務処理に追われるアジトの夕暮れ。ぐったりとソファに沈み込んだアクセルが大きく伸びをしながら誰にともなく言う。
「あら、もうそんな時間」
クリスが端末から顔を上げて応じた。
「おなか空きましたね。何か買いに行きますか」と、リーランド。街は徐々に活気付き、日々の食事も加工肉と缶詰以外の選択肢を取り戻しつつあった。
「あっ!」
少し離れたコンソール・シートに座るエレイナの声が響いた。本人が思うより大きな声が出てしまったらしく、「ごめんなさい」と早口で呟いて身を縮めた。
「えっと、その。調べたらエムバーガーが営業再開してたみたいで……それで……」
「ハンバーガー、いいわね」と、すかさずクリスが答えた。「しばらく食ってないな」と、アクセル。
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