人生愚神美味礼讃太陽の下に晒して散り散りになったお前たちをかき集めて呑むんだ、わざわざ。愛だと思わねェ?
俺という檻の中からでたいならその時辺りに散らばった肉塊を今度はお前たちが集めるンだろ?ここには悪いニュースしかない、人間の欠片を揃えてもパズルのピースが散らばってぴったり断面が合わさるようにはならない。パーツを見つけても死んだ細胞同士はぱちりとも嵌まらない。お前たちだった原子より大きな何かがパチパチするキャンディみたいな味だったらいいな。
俺?俺の味なんかそこらへんの人間と一緒。お前たちに立ち向かうことになっただけで波紋がなきゃ口の中で楽しい刺激を味わうこともない。あ、吸血鬼じゃねえと味しない感じ?じゃあもっとひどい、ぐにぐにした物体を噛まずに飲み込むか、調味料でどうにかしたら。俺はもう昔と違って粉薬なんて飲めちゃうしさ、お前らなんか瓶のコーラで流し込んでやるよ。
生きたまま?やなこった、痛えじゃん。痛覚を操作する?それじゃあなんか手術するのに麻酔で眠ってる間とお前たちに食べられることとがなんも違わねー。
わがまま?駄々こねてるのお前らだよ、お前らの殺し愛に受けて立とうって言ってやってんの、俺。
わかんねーかな、わかんねーか。
(砂なんてむせてむせて飲み込むのなんか無茶だっての、それでも俺はお前らを中に呑み込んでやるって俺たちだけで完結する世界を受け入れることが愛じゃなきゃなんだっての)
────お前らは「ここ」でまた安らかに寝てりゃいいの。
素肌を晒した腹を摩るそいつは、まるで。
産まれ直してみたい、こいつから。
それは人間どもの祈りに似ていたかもしれない。
そいつらはこの嫌悪感を興奮と呼ぶのだろう。