Gastronomy 魔界の木々が、赤やオレンジ、蛍光の黄緑や紫に染まって、はらはらと葉を落とすようになった頃。
はしゃいだクララに連れられて、僕とアズくんは、ガヤガヤ森のウァラク☆大いも掘り大会に参加、見上げる程のお芋の山を築いた後は、落ち葉のプールでたっぷり遊んだ。
さつ魔いも掘りは朝からだったのに、気付けば日は傾きかけていて、涼しい風が吹いている。夕方の気配になんだか寂しい気持ちになった途端、クララがチッチッチ〜、と得意げに人差し指を振った。
「イルマち、アズアズ。お楽しみはこれからだぜ」
お楽しみ? 揃って首を傾げる僕らの手を引っ張って、クララは鼻歌を歌う。向かった先では、薪が僕の背丈ほどの大きな井桁に組まれていた。――もしかして。
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