シャチの抱き枕 夕食後のひと時。
リビングのソファでゆっくりテレビを観ていた鹿介に光秀が隣に座って話し掛けた。
「今度休み取れたから旅行に行けるぞ。鹿介」
「ほんと?よっしゃ!温泉行こう、温泉!」
昨日、温泉旅行二人で行きたいなと、たまたま旅行番組を観ていた鹿介からお願いされた光秀は、その願いを叶える為に早々に休みを取って願いを約束に変えた。
光秀は誰かとの会話の内容をしっかりと覚える位に記憶力が良く、特に鹿介との会話の内容は完璧なまでに覚えている。
「光秀は絶対俺の言ったこと忘れないよなー。俺なんてたまに昨日の昼飯忘れるのに」
「お前は忘れっぽいからな。ちなみに昨日の昼はきのこの和風パスタだったぞ」
光秀と旅行に行ける事に鹿介は素直に喜ぶ。
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