【はこどー♀】HARU新刊予定の旅行話 地上に上がり、大通り沿いに歩く事数分。紫色の看板が出ているビルの前で北海道は足を止めた。自動ドアの向こうの様子が少し見えた函館にもその場所が何なのかは解った。
「普段、ここのオンラインショップで買い物する事が多いんですけれど、仙台に直営店があるって言うので来てみたかったんです」
「アクセサリーショップか……俺一人だったら縁がない場所だな」
自動ドアが開き、ギャラリーの全景を見た北海道の紫水晶の瞳が大きく丸くなった。後から入った函館の口からも「へぇ」と声が零れる。
「いらっしゃいませ。試着もできますので、ご自由にご覧下さい」
ギャラリー部分はコンパクトだが、あちこちに普段は画面越しに見ている煌びやかなアクセサリーが並んでいた。レジカウンターを挟んで奥に数人のスタッフがいる様子も見える。
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