変わらないもの「」 シュ
『』 ミ
「…ミスタ、」
『…?』
「どこにも、行かないでね、」
これは、自分の中の大きすぎる嫌な予感を押し潰す為の、自分の不安から逃れるための、自分ためだけの、質問でも提案でもなんでもない独り言だ。
シュウがふと不安になる度に、ミスタ返してくれる言葉が、ミスタが紡ぐ言葉が、シュウの不安をうち流してくれる。
『ははwどしたのシュウ~~ww』
「なんのことだよ」と言わんばかりにシュウの背中を配慮の一欠片もなくぶっ叩いてくるミスタに、今日もミスタがいる、とやっと息ができる感覚になる。
わかっている。思い込みなことも。
でも、でも。
表から見ると明るくてぶっ飛んでて、下ネタ好きで、ひとつも悩みなんてものがないように見える彼女は。
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