クリスさんの耳かきをする雨彦さん長丁場の大型バラエティ番組の収録、やっと休憩時間になり雨彦は『レジェンダーズ様』と書かれた楽屋に戻る。
(俺だけか…)
雨彦は軽く伸びをすると、小さな紙袋をテーブルに置く。
テレビ局、特にバラエティ番組は雨彦にとってあまり良い空気ではない。
可能ならば綺麗なー見た目も、空気もー恋人に一目でも会いたかった。
「雨彦!お疲れさまです」
楽屋の中がパッと明るくなり、少し湿った髪をしたクリスが入ってきた。
年末年始向けの大型バラエティのため、それぞれ違う収録を行なっている。クリスは持ち前の運動神経を生かし、アスレチックから落ちると粉まみれになる…といった収録を行なっていた。
見た限り、粉に落ちシャワーを浴びてきたのだろう。それでも腐らず笑顔でいられる。そこが恋人の尊敬できる所だ。
3193