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    mekesono1

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    mekesono1

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    やべーもんにはやべーもんぶつけんだよ
    メとstrくんのなんちゃってホラーです

    こわいなにかとかわいいねこちゃん みんな下で待ってるから大丈夫 危なくないから行っておいで 決められたことだから頼んだよ

     あれよこれよと進んでいく。

    (どうしよう、本当に行きたくないのに…)

     少し離れたところでこっちを見て話す大人たちに、徐々にサトルの焦燥感が募っていった。

    「なら、私も行きます」

    戸惑っていた小さな肩をぽん、とたたく手。

    「メフィラス?!着いてきてたの?!」

     少年は驚愕して振り返った。
    間違いなく後ろにいるのは、ニコニコと笑う端正な顔立ちの男。
     夏の夜に黒いスーツで全身を固める場違いな男がいた。さすがに上着は脱いで黒いシャツとスーツベスト姿だったが、相変わらずネクタイはしっかりと締めている。

     今朝、父方の実家に行くサトルにお気をつけて。と言って送り出していたはずの男。しかし現在、サトルの住む街から車で半日揺られてなければ辿り着けないはずの片田舎にいる。

    「いいえ?このあたりは冷やし飴が有名と聞いてたまたま」
     黒スーツの怪しい男、もといメフィラスはサトルに冷たくて甘い瓶を渡してくれた。

    「……僕、今から行くところがあるんだ…1人で行かなきゃ行けないんだって…」
    「なぜ君が行かなくてはならないのですか?」
    「…何十年ぶりの儀式だから絶対にしなきゃいけないって言うんだ……みんなめでたいことだから、神様の祝福を授かるから行けって…」

    サトルはもらった冷やし飴の瓶をぎゅっと握った。 

    「君のご両親は?」
    「あの人たちが言うにはみんな忙しいんだって…」
    「…」

     遠路はるばるたどり着いた夕暮れ時、祖父母の家に着いてすぐ。寛ぐ間も無く両親も祖父母の姿さえも見えなくなった。サトルが一人不安に駆られていると祖父母に懇意にしてもらっている者を名乗る大人たちが家を訪れ、彼を連れ出した。
    君のご両親やおばあちゃんおじいちゃんは今忙しいんだ。
    君がすぐに行って帰ってきてくれればすぐに会えるさ。
     最初はそんな大人たちの言葉を信じていたサトルだったが、連れ出された先がわかったら急に怖くなった。
     真っ暗な夜の神社。
    みんなはありがたい神社だと言うが、本殿へ続くあまりにも長い石段のせいで、サトルにはどんなに見上げても、その全貌すら見えない。

     帰りたくて帰りたくてたまらなかった。そんな見知った顔を見て心から安堵して、ぽろりと本心を出た。

    「本当は夜の神社なんて行きたくない…でも僕が行かなきゃみんなに災いがおこるって…だから頑張る…」

     冷やし飴を少しだけ飲んだ彼は、得体の知れない場所に行かなくてはいけない恐怖を隠しきれない。

    メフィラスは、暗い顔した少年を澱んだ視線で見つめる大人たちを冷たい目で一瞥した。

    「ならば、余計に私が一緒に行きましょう」
    「…無理だよ。子供が一人で行かなきゃだめなんだって…」
    「無理…確かにそうですね」

     サトルはメフィラスの言葉に顔を俯かせた。
    しかし、次の瞬間ぽんっとやたらコミカルな煙と音がした。

    「えっ?」
    「私以外の者なら無理でしょうね」

    煙から現れたのは黒い猫。首周りが白っぽい至って普通の黒い猫。
    しかし、よく見ると瞳が宇宙を連想させるように神秘的な青で、黄色い瞳孔が走っており、異様なまでにきらきら輝いている。
    そして耳もよく見たら、いつも強請って触らせてもらってる外星人態の…
    「メフィラス ?!」
    可愛い!とはしゃいでサトルは黒猫を抱き上げる。サトルは黒猫メフィラスを抱きしめ、もふもふの背中に顔を埋める。

    「しっ、あの連中に気づかれますから」
    「う、うん…」
    サトルははっと我に返って声を潜める。
    「だから、驚かないでくださいね」
    腕の中の黒猫はさらにコミカルな音をさせて子猫くらいの大きさになった。
    「…?!?!」
    「これくらいなら君の懐に入るでしょう」 

     田舎の夜は肌寒い。
    そう父が言っていたのを思い出して、連れ出される際一枚羽織っていった上着が功を奏した。
    もぞもぞとサトルの上着の内側に入る子猫。
    夏なのなぜだか妙に肌寒い夜、ほんわり暖かくなる胸元にサトルは笑顔を取り戻した。

    「ありがと…メフィラス …」

    ぎゅっと抱きしめるサトルにしばらくはメフィラスも好きにさせていたのも束の間。
    さぁ、今から準備をして。
    急いで、神様が待っている。
    早くしろ、こっちに来い。
    濁った目の大人たちは痺れを切らしてサトルを呼び出した。

    「メフィラス…」
    自分を抱きしめるサトルを安心させるようにメフィラスは優しく語りかけた。
    「大丈夫ですよ。さっさと終わらせて君の好きなアイスでも食べましょう」
    「うん…!」
    いつも通りのメフィラスにサトルは漸く元気を取り戻した。懐に子猫を隠しながら階段の下へ向かった。

     大人たちから、何か読めない文字の書いてある札を渡されこれを御神体の前に置いてきなさい、と送り出された。
    じっと見つめてくる大人たちは不気味だったが、胸元の温もりがサトルを奮い立たせ、彼らに背を向けて歩き出した。
     神社の暗い階段を一歩一歩昇っていく。灯りの補助も何もない階段をおっかなびっくり登っていった。

    「足元が危ないですね…これならどうでしょう」
    「え?」
     カッ!と突然強い光線を目から出し足元を照らすメフィラス。あまりにも怪しい。田舎の夜の神社で突然SFじみた光を出す子猫。
    よく見たら普通の子猫の顔ではなく目と口がよくわからないいつもの外星人の顔に戻っていた。
    「メフィラス?!ばか!バレちゃうよ?!」
    サトルは慌ててメフィラスを後ろで控えているであろう大人たちかは隠そうとした。
    「ご心配なく。後ろを振り向かなければいい話です」
    「え…?」
    「前だけを見て登りましょう。いいですね?」
    「………うん」
    後ろを向くな。まるで怪談のお決まりのようなセリフ。メフィラスのその言葉に生唾を飲むも、言う通りに前だけを見た。
    すこし寒気がしたが、やたら近未来的な光線を出して石段を照らすメフィラスのおかげで、少しだけ愉快な夏休みの気持ちを思い出した。

    「その顔…ふつうの猫ちゃんじゃないよ」
     ふにふにとさわってみるともふもふとした猫の触り心地が返ってくる。不思議だ。
    「いつもの顔の方が落ち着きますので。しかし夏の夜とはいえ肌寒い…帰ったらアイスより屋台のイカ焼きの方がいいかもしれませんね」
    「屋台…」
     そういえば今日は縁日だった。規模の大きくトリには打ち上げ花火が上がる。
    大人に連れられる前は毎年の恒例行事を楽しみにしてたというのに。
    「大丈夫、まだまだ間に合いますよ。」
    「…メフィラスこれが終わったら、一緒に縁日、行ってくれる…?」
    「もちろん、そのためにここに来たのですから」
    「あれ?冷やし飴って…」
    「さて、早く済ませて帰りましょうね」
    「おいメフィラス…」

    サトルは胡散臭い男(子猫)の言葉にいつものように呆れているうちに、メフィラスの言う通りすぐに帰れる気がした。

    しかし、石段を登り切った途端今までの雰囲気が一変した。
    「あ…」
     ひび割れた鳥居、朽ちて傾く本殿。
    人の手入れのされてない境内の異様な雰囲気に鳥肌が立つ。
     登っていた最中と比べ物にならない悍ましい寒気が肌を刺す。
    サトルは足がすくんで動けないままになり、小さな子猫を抱えたまま立ち尽くした。
    「よく頑張りましたね」
    「え…」
    するりと懐から不思議な子猫が飛び出した。 
    そして、いつのまにかサトルに渡された札を口がありそうな位置で咥えていた。
    「私がサクッと済ませてきますので、ここで待っていてください」
    そう言ってメフィラスは小さな身体で本殿に向けて歩き出した。

    「だ、だめ!」

    ハッとしたサトルは慌てて子猫を抱き上げた。

    「メフィラスだとしても、こんな小さな身体で行くなんて危ないよ…!札を置くなら僕がいく…!」
    「私なら大丈「やだ!一緒に行く!」
     
     幼い体を叱咤してサトルは子猫を抱えてボロボロの本殿へと歩き出した。
    こうなってしまったら真っ直ぐな少年の意志を外星人とはいえ曲げることはできない。
    「…わかりました、ならば私の言うことを聞いてくださいね。」
    「…うん…!」
    「いいですか、そのお札は御神体の元に置きに行くのではなく…賽銭箱の手前から御神体に向かって投げつけてください。投げつけた瞬間、きつく目を閉じて強く耳を塞いで」 
    「え…なげるの…?」
    緊張していたサトルだったが、思いもよらないメフィラスの指示に首を傾げた。
    「はい、所詮紙だからあまり飛ばないと思いますが」 
     「投げた後目を閉じて耳を塞ぐ?そんな手榴弾みたいに?」  
    「あながち間違っていません。ええ、閃光から耳と目を守るように強めにお願いします。」
    「わ、わかった…」
     朽ちてボロボロの賽銭箱の前に立つ。鳴らせるはずの鈴はなく、その向こう側に僅かに開いた障子、奥にあるらしき御神体は暗くてよく見えない。

    「あ…お賽銭と二礼二拍だっけ…?」
    「必要ありません、彼らに拝む価値などない」
    「え…?」

    メフィラスから一瞬だけ走った違和感と、剣呑な気配に息をのんだ。
    そしてサトルは札を手に取った。メフィラスの言う通り今から札を投げる。少し震えてた手で札を握る。

    「さぁ、投げて」
    いつものようにメフィラスは、メフィラスの声でサトルの背を押そうとしている。


    ………あれ?


    サトルはいざ投げようとした瞬間、先ほど走ったほんの小さな違和感に気づいた。

    「…どうしました?どこか具合でも?」

    (…きょう、メフィラスに会ってから一度も呼ばれてない。)

    (サトルくんって呼ばれてない)


    あれだけ普段呼ばれる名前を一度も呼ばれていないことに、この瞬間気づいた。
    冷やし飴を渡してくれた。私も一緒に行くと言ってくれた。
    可愛いくて小さな猫になってまで着いてきてくれた。
    心細い思いをしている自分を一人にしないでくれた。

    でも…この胸にいる猫は本当にメフィラスだろうか。
    そう疑った瞬間、どっと汗が噴き出してきた。
    (本当に…言うことを聞いていいの…?)
    罠ではないだろうか、子供を騙すために親しい者に擬態して、後戻りができないようにさせているのでは?
    そう思った瞬間、サトルは凍りついてしまった。頼りにしてきたこの小さな温もりさえ偽りだったのかもしれない。

    (信じていいかわからない。どうしよう、メフィラス、メフィラス…!)

    そんな少年の異変に気づいたのは、当の猫。
    最も少年の心臓に近い場所にいた人ならざるなんなら猫ならざる者。

    「もしかして、名前ですか。ああ…君は本当に聡い子だ…」

    考えていたことを見抜かれてサトルは肩を震わせた。
    (どうしよう…怒らせた…?)

    おそるおそるサトルは胸元をのぞいた。そこにいたのは、少年の疑念に怒りを滲ませる異形。















    ではなかった。

    ごろごろ……ごろごろ……。
    本物の猫とそっくり喉を鳴らす子猫がいた。

    「……へ?」 

     怯えたサトルに聞こえたのは和やかな音。拍子抜けしたような顔のサトルにメフィラスは優しく話しかける。

    「…君以外にはやりませんよ。猫の真似も、身体を縮小化させ懐に入ることも。君は私を大切に扱ってくれるからできたことです。大丈夫、私があとはなんとかします」
    「メフィラ…」
    もうこれだけで少年の心の不安を払拭するのに十分だったが、メフィラスは信用を重んじる外星人だった。


    「君に何かあったら誰が私に地球をくれるというのですか。だから同行したのです。旅は道連れ世は情け。私の好きな言葉です」


    その言葉を聞いた瞬間、サトルは札を空に放った。

    「メフィラスごめん!!僕、一瞬お前を疑った!!!」

    そう叫んでサトルは耳と目を強く塞いだ。
     投げた勢いとは裏腹にひらひら落ちる札を目にする前に少年はに耳と目を塞いだ。それは正解だった。

     札が宙を舞った瞬間、障子から凶々しい何かが勢いよく溢れ出す。黒い淀みはまるでとぐろを巻くかのように集積し、怨嗟と歓喜の声を撒き散らす。
    勢いよく少年の小さな身体に襲いかかった。

    「構いませんよ、私はそれだけ聡明な君が好きなのです」

    ドス黒い『穢れ』はサトルを飲み込もうとしたが、それは叶わなかった。     

    彼の胸元から何かが鋭く伸びた。先程までいた小さな猫ではなく黒く、赤い手。
     強大な瘴気を挟み込む、桁違いに大きく上下に裂けた手。

     穢れは全て、その手に握り込まれた。

    「さて…本体の方に、ご案内伺いますか」

     そこにいるのは目と耳を塞ぐ少年。そして隣には黒スーツのメフィラス。
     月明かりの届かない本殿へ向かうメフィラスは明らかに楽しげだった。片手に暴れ狂う何かを握り込んだまま、半開きの障子を蹴り倒す。
    カビと埃、そして澱んだ空気がへばりついたそこは到底生きた人間が長く立ち入れる場所ではなく、メフィラスに不快感を与えた。
     しかし食らう側に食らわれる絶望を与えて弄ぶ、今から行うちょっとした余興を思えばこれは些事に過ぎない。

    「こんばんは、初対面で恐縮ですが、短い年月の中とはいえ閉塞的な空間にいらっしゃるのはお疲れでしょう。」

     ぐちゃ。ぐちゃ。メフィラスが拳に少し力を込めただけで穢れは悲鳴のような声をあげる。
     メフィラスは気にも止めずに、なにやら札がに巻かれた『御神体』らしきものに歩み寄る。
    札とボロボロの布に覆われているせいで人型の像のようなシルエットしかわからないものの、それはガタガタと揺れ瘴気を撒き散らしている。
    怯えて健気に威嚇をする獣のような怪異の姿はどこか滑稽で、メフィラスの目を愉しませた。

    「移転先のご提案がありまして、ここより悍ましいほどに開放的で広大な場所を私はご案内できます。そこで知見を広げてみてはいかがですか。こんな閉じた場所で生き延びるために定期的に子供を食らうなど非効率的なことから解放されましょう。是非そうしましょう!」

    メフィラスが高らかに告げた瞬間、彼の片手は赤く発光し壮絶な音が響いた。あれほど暴れ狂っていた『穢れ』は光と共にとうとう潰れ、消滅した。
     そして、消し飛ばしたばかりの手を御神体にかざす。まるで胞子のように溢れ出る瘴気をとり逃すほどメフィラスの掌は小さくなかった。
     ゆっくりと御神体の頭らしき部分を上下の指で鷲掴んだ。

    がたがたががた、音を立てて震える像を意に介さず笑みを浮かべる。障子が破壊されたおかげで目一杯月の光を背に浴びるメフィラスの笑みは、慈悲も情けもなく残酷に美しいだけ。

    「先程、貴方たちの頭を砕こうと力を入れるたびに暴れ狂い、命乞いをしましたね。それも一つの生きたいという信号でしょう。よろしい、これから行く先でも続けてみるといい」

     メフィラスはひどく緩慢に力を入れた。少しでも長く痛みと苦しみを与えるように。怪異の悲鳴は、人ならざるメフィラスにしかわからない。

    「しかし、知恵も工夫も、希望も勇気もなにもないあなた方が生きたいと発したところで誰が拾い上げてくれますか?私はあなた方に慈悲も同情もないが、興味はある。」

    このままさらにゆっくり嬲ってもいいがサトルくんが待っている。
     メフィラスは名残惜しげに赤い光を充填させ、仕上げに取り掛かる。凶々しい像は癇癪のように無様に暴れるが何の意味も持たない。

    「もしも、あなた方がデブリの一欠片に終わらず、私に怨を晴らさんとする気概があるのならば、いつか私にご教示願いたい。枯れ木に花咲く。私の好きな言葉です。」

     枯れ木にすらなれないでしょうけどね。そうせせら嗤いながらメフィラスは、最後の力を振り絞って抗っていたそれを、躊躇いなく握り潰した。

    「私の名はメフィラス、元特命全権大使外星人0号、メフィラスと申します。…ああ、あなた方が御執心だった彼の名前は教えません。穢れた声で呼ばれたくないので」

     



    「…くん…サトルくん」

    「…?!メフィラス…?!」

    疲れ切ったサトルはいつの間にかメフィラスに背負われて、長い長い石段を降りていた。

    「…!!」

    下にいる怖い大人たちを思い出して、メフィラスにしがみつく。
    「誰もいませんので、安心してください。サトルくん。」
    「…?本当?僕メフィラスが戻ってくるまで何もわからなかったから…」

    ぎゅ、とメフィラスの広い背中に腕の力いっぱい抱きつく。しかし、彼の言う通り麓には人っ子一人としていなかった。

    「彼らは子供に怖い思いをさせる悪い人たちだったので、遠くに行ってしまいました。もう二度と会うことはありませんよ」

    「ふーん…よくわかんないけど…」

    メフィラスが言うならそうなのかな。そう言って背中で脱力するサトルにメフィラスは頬を綻ばせる。 
     そんなサトルの後ろを振り返って見えるのは、石段の途中にある『立ち入り禁止』の札と通行できないように張ってあるロープ。

    (随分嫌なものにこの子は巻き込まれてしまったものだ)

    小さい身体にかかった負荷を思えば、このまま縁日にはよらず家に送った方がいいのかもしれない。
    メフィラスがそう考えていたところ大きな音が空から上がった。

    「あー!花火!!!」
    サトルは弾かれたように顔を上げた。夜空にいくつも大輪の花が咲き誇り、輝いて消えて、また咲き乱れる。
    「これは見事な…初めてこの祭りで打ち上がる花火を目にしましたが圧巻ですね…」
    メフィラスが休む間もなく打ち上がる花火に感嘆の声をあげていると、背中のサトルは元気よくメフィラスの肩をゆする。
    「メフィラス!イカ焼き!焼きそば…!お腹すいた!これ見終わったら買いに行こ!」
    「わかりましたよ、サトルくん。どっちも買いましょうね」
    「メフィラス、肩車!」
    「したところで変わりありますか?」
    「変わるよ!景色違うもん!」

    屈託なく笑うサトルをメフィラスは一度下ろして、肩車をする。
    180センチを越える景色で見る花火を堪能するサトルにつられてメフィラスは笑う。
    「サトルくん」
    「なにー?」
     連続する破裂音と共に派手な大輪の花が夜空を彩る。煌々と輝く月を一瞬だけ凌駕する人間の作り出す光。
     メフィラスはこれをサトルと一緒に見てみたいと思い、この地を訪れた。突飛な行動だとメフィラス自らも思ったが、決して間違っていなかった。

    「名前を呼びたくなっただけです」
    「なんだよそれー…あっ、たまやー!」

     次の瞬間、猫型のユニークな花火が上がった。
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