大切だから、3回「うっわ…これどうしよう…」
「これがサトルくんのお祖父様のコレクションですか。この蔵書の量は…なかなかに壮観ですね。」
「だめだ、メフィラス…今日は行けそうにないや…」
あと数時間もすれば、この蔵を大掃除をするために親戚中が集まる。
サトルの祖父の蔵を占めるのは主に古書の類。何年もの歳月をかけて集められたコレクションが所狭しと並べてある。
数年前に祖父の亡くなったまま、あまりの物量のせいで放置されているこれらは遺品にあたる。さすがに何年も遺品をこのままというのはいかがなものかと、親戚一同ようやく重い腰をあげて整理のために集まろうというわけなのだが。
「あー…もう…どうしてよりによって今日かなぁ…」
よりにもよって今日、泊まり込みで集まると急に聞かされた。この日、真夜中に家を抜け出すことを企てていたサトルにとってはまさに晴天の霹靂だった。
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