赫いニューロン 前編 一年前にプロスペラはパーメットの後遺症による多臓器不全で死去、エリィはキーホルダーのままミと一緒にいる。
プロスペラが亡くなって以来一人で過ごすことが増えたスレッタを心配し、以前にも増して仕事の合間を縫ってマメに様子を見に来ていたグエルが最初に気付く。
ミは三ヶ月に一度、顔を見に帰ってくる程度。変わり映えのしない地球の片田舎の寂れた景色よりも、父に認められ、自分の手で進めるプロジェクトが楽しくて仕方ないらしく来訪の足はかつてよりも遠退いている。
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2週間前に来たときのことを「この間だって」と話題にしたらひと月前のことを話し出して「そっちじゃない、2週間前の――」できょとんとされて微かな違和感を覚える。
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