隔たりが埋まらなくても いつか彼女の顔を見下ろすようになるのだろう、幼い頃は当たり前のようにそう思っていた。
きっかけはなんだっただろうか。
確か、昔観た新婚夫婦を紹介する番組だったような気がする。出演していた幼馴染カップルは、背の高い男性とそれより頭半分以上小さな女性の二人組だった。子供の頃の写真にはセーラー服の少女と、彼女より小柄なランドセルを背負った少年が映っていた。妻の方がひとつ年上で昔は姉弟のような関係だったが、夫が妻の身長を越したあたりから互いに意識し合うようになった、と幸せそうに語った二人。
それを見たロヴィアンは、無意識に自分とユウナを重ねた。ユウナはひとつ年下のロヴィアンに対して恭しい態度をとっているが、同学年の中でもやや小さめなロヴィアンの隣に並ぶと見上げるほどに背が高い。
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