初めの頃と同じように手の甲を差し出してもらい、じっと見下ろす。
いつ見ても、男らしくて綺麗な形の手だなあ。
1、2、3……見慣れ過ぎた模様達を、人差し指で一つずつ確かめていく。
「とうに数え終わったんじゃないのか」
「んー、まあそうなんだけどね」
彼の体に、左右対称にバランス良く、絡み合うように描かれた入墨。
その姿を見た者は皆、またとない異様な姿に驚きを隠せず、全身に彫られた模様の数を聞いて更に吃驚仰天する。
その数、387個。
本当にその数字で合ってるの?私が調べてあげようか?と軽い冗談で聞いたあの頃が懐かしい。
あのとき僕の言葉に、少ししてから真顔で“じゃあ頼む”と返した君の、ちょっとした沈黙の意味は後で知った。
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