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    Ml_tyainu

    @Ml_tyainu
    若い子たちの間ではこういうのが流行っているのかい?

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    Ml_tyainu

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    俺ミコ独白の0909小説暴力表現あり。
    僕ミコになりたかったけど出来なかったからとりまボコリに行こうって話。
    AIノベリストくんとの共同作!やったな!(肩くみ)

    鏡に映る顔を見る。
    そこには寝起きでシャツと短パンというラフな格好の榧野尊が写っていた。

    「(これはミコトじゃない。)」

    睨みつけるような視線、不機嫌そうな唇、同じパーツであるはずなのにあまりに違うそれに眉間の皺が増えさらに理想から遠のいていく。
    鏡の横に置いていたカメラに手を伸ばして中身を確認する。
    そこに映るミコトの顔を確認する。
    眠そうな顔、疲れている顔、何かに怒ってる顔、泣きそうな顔、沢山の彼が映っている。

    「(最近本当に疲れてるな…)」

    求めた表情が出てこなかったため、カメラを置いて鏡を見直す。

    「(たしかミコトの笑顔は…)」

    記憶の合間をぬって彼の笑顔を呼び起こすし、再現を試みる。
    口角を上げる。しかし上げすぎてはいけない。目はしっかり開き相手を見るように。そう意識するよう両手で頬を押さえながら表情を作っていく。
    「……っ」
    出来上がりを確認しようと鏡を見れば、そこに映るのは先程よりましになったもののやはりどこか歪さを感じさせた。
    「(やっぱり俺には無理なのか。)」
    そんなことを考えていればまた無性に腹立たしくなってきた。

    『もうやめよう』

    そんな考えが頭に浮かぶ。
    そうだ。そもそもこんなこと意味がないのだ。
    いくら頑張ったところで俺がミコトになれるわけでもない。
    むしろ努力すればするほど理想から離れてしまう。
    ならば俺は俺にできる事をするべきだろう。

    ミシ…ッ
    いつのまにか握りしめていた洗面台が悲鳴を上げた。
    報われない努力への怒りが沸々とはらわたを煮え狂わしている。
    怒りの発散。それが俺がミコトを助けられる方法だろう。
    そう考えてしまえば後は早かった。


    手早く身支度を整え部屋を出る。向かう先はいつもの場所だ。
    暗い路上、一目もない。あるのは街灯の光のみ。
    そんな場所で一人の男が声を上げる。
    「榧野!」
    その叫びに呼応するように暗闇から影が現れた。
    それは男の姿をとるとゆっくり近づき目の前までやってきた。
    「榧野……」
    その姿に男は感極まったように言葉を続ける。
    「待ったぞ!やっとお前もやる気になってくれたんだな!?」
    興奮気味の男の言葉に俺は静かに首を振る。
    「いや、そういう訳じゃないんすよ。」
    「じゃあ何だって言うんだよ!!」
    男の問いに俺は答えず代わりに手に持っていたバットを男に振り下ろした。
    ゴッ!!
    鈍く響く音と共に男が崩れ落ちる。
    倒れ伏した男を見下ろすように俺は言った。

    「ただの憂さ晴らしだよ。」

    ミコトの代わりに殴れば少しは気が晴れるかと思ったがあまり気分はよくならなかった。
    ただ殴られた痛みに悶絶する男の声だけが響いている。
    「(やっぱりだめか……。)」
    ため息をつく。これでは足りないらしい。もっと痛めつけなければ。
    「おい、立てよ。」
    地面に転がる男に声をかけると苦しげにこちらを見てきた。
    「お、まえ、どうして……」
    「なんだっけお前…しつこく僕に話しかけてたよな…まじうぜぇ」
    苛立ちをそのまま口に出す。
    ああ、イライラする。
    「お前みたいな雑魚は僕の視界に入るなって言ってたよな?それなのになんでまだ生きてんの?」
    「ぐぁっ!」
    倒れたままのそいつを踏み潰すようにして蹴り上げる。
    そのまま仰向けにして馬乗りになる。
    「ねえ聞いてんのか?僕はお前なんて見てないし視界にも入れたくないんだよ。だからさっさと消えろよ。」
    「ごふぅっ……!」
    バッドを何度も振り下ろす。何度も、何度も。
    「がっ……あっ……ひぃ……」
    抵抗しようと腕を掴まれるが力の差がありすぎてまるで意味をなしていない。むしろそんなことをされたせいでさらに腹が立ち、思い切り顔を殴りつける。

    「はははははは!いいザマじゃないか!クズがっ!!」
    思わず笑ってしまうほど愉快だった。ミコトになりきることが出来ない俺だからこそこうしてミコトにはできない暴力を振るうことは出来るのだ。
    「お前みたいに何も出来ない奴がミコトに近づくんじゃねぇよ!!!」
    「ぎゃっ……!」
    再びバットを振り下ろせば血飛沫が上がる。

    「(ああ、やっぱり楽しい。)」

    自分が求めていたものが目の前にあることに高揚していく。怒りが消えて心が軽くなる。この調子ならミコトを助けることも容易いかもしれない。
    「(やっぱりミコトには俺が必要なんだ)」
    ミコトを救えるのは俺しかいない。
    俺だけなのだ。
    「(そうすればきっとミコトは俺に感謝する。)」
    俺だけのミコト。俺だけを頼るミコト。俺だけに見せる笑顔を持つミコト。
    「(そして……)」
    そしていつか俺なしでは生きていけなくなる。
    その時こそ、本当の意味でミコトを手に入れることが出来る。
    「ははっ……」
    笑いが止まらない。
    血の海に反射して俺の笑顔が映る。

    あぁ。すっきりした。
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